『ムーン・パレス(新潮文庫)』
ポール・オースター、1994、『ムーン・パレス(新潮文庫)』、新潮社
ネットでの書評を見ると自伝的とあるが、どうだろう。コロンビア大学で本の虫であったとか、ホームレス経験(にちかい)があるとかはありそうだけれど。しかし、むしろ、オースターの小説の面白さは、意外な展開が続くということだろう。
母の急死で叔父に育てられ、その叔父から蔵書を託されてコロンビア大学に進学した私の物語。蔵書を売り払って金にしつつ卒業する計画がやがて破綻して、セントラルパークでのホームレス生活に入る。やがて、友人や恋人の支援で、過酷な状況を抜け出し、盲目で身体が不銃になった金満家「エッフィグ」の話し相手として、住み込むというまたとないチャンスを得る。彼の話は、波乱万丈で、もともとが売れないががかったが、画材を求めて西部に旅するうちにやがて、存在を消すチャンスに恵まれ、第二の人生を送り出した物語を聞き出す。しかし、その彼にも、忘れ形見の「ソロモン」がいた事が判明する。「エッフィグ」の死に際して、「ソロモン」に連絡を取り、死後に会うが、このソロモンこそが、自身の父であることを知る。ソロモンは、母エミリーの大学教師だった。母は、シングルマザーとして主人公をみごもったが、交通事故で命を落としていたのだ。ソロモンとその祖父の「エッフィグ」の誕生の場に出向こうとするが、アクシデントによりソロモンは死ぬことになる。主人公は、母と蔵書を残した育て親の叔父にならんで「ソロモン」の墓を築く。
ポール・オースターは、ベッドサイドの就眠前の一冊にしてはついつい眠りを妨げる厄介な小説を書いてくれる。ついつい、何冊も続きに読む本を買ってしまっている。
ネットでの書評を見ると自伝的とあるが、どうだろう。コロンビア大学で本の虫であったとか、ホームレス経験(にちかい)があるとかはありそうだけれど。しかし、むしろ、オースターの小説の面白さは、意外な展開が続くということだろう。
母の急死で叔父に育てられ、その叔父から蔵書を託されてコロンビア大学に進学した私の物語。蔵書を売り払って金にしつつ卒業する計画がやがて破綻して、セントラルパークでのホームレス生活に入る。やがて、友人や恋人の支援で、過酷な状況を抜け出し、盲目で身体が不銃になった金満家「エッフィグ」の話し相手として、住み込むというまたとないチャンスを得る。彼の話は、波乱万丈で、もともとが売れないががかったが、画材を求めて西部に旅するうちにやがて、存在を消すチャンスに恵まれ、第二の人生を送り出した物語を聞き出す。しかし、その彼にも、忘れ形見の「ソロモン」がいた事が判明する。「エッフィグ」の死に際して、「ソロモン」に連絡を取り、死後に会うが、このソロモンこそが、自身の父であることを知る。ソロモンは、母エミリーの大学教師だった。母は、シングルマザーとして主人公をみごもったが、交通事故で命を落としていたのだ。ソロモンとその祖父の「エッフィグ」の誕生の場に出向こうとするが、アクシデントによりソロモンは死ぬことになる。主人公は、母と蔵書を残した育て親の叔父にならんで「ソロモン」の墓を築く。
ポール・オースターは、ベッドサイドの就眠前の一冊にしてはついつい眠りを妨げる厄介な小説を書いてくれる。ついつい、何冊も続きに読む本を買ってしまっている。
ムーン・パレス (新潮文庫) | |
クポール・オースター | |
新潮社 |