『日本という方法:おもかげ・うつろいの文化』

松岡正剛、2006、『日本という方法:おもかげ・うつろいの文化』、NHKブックス
編集工学というキーワードを掲げる著者・松岡正剛が日本文化を通史的に俯瞰しつつ、日本について、薀蓄をかたむけたのが本書である。素直に読んで、フーンと思うところは、漢文漢語をうちすてて日本独自のリテラシーの発端となった万葉仮名とカタカナ、ひらがなに関する松岡のこだわりであろう。もうひとつは、本居をはじめとする、江戸末期の国学の誕生に関するさまざまな人のかかわり、また、満州に関わる石原莞爾らへの言及であろう。
しかし、おそらく、松岡が力をこめた(だって、文末においている)満州から現代に至る解釈、これが、いまひとつよくわからない。どのような、日本的「編集」が行われたのか。やはり、あまりにも生々しいからなのか、千年以上もたたないといけないのか。これだと、高校までに教える日本史世界史がいつまでたっても、現代を取り扱えないと言うのと同じなのだけれど。いや、そこが、問題なのだ。
編集工学というキーワードを掲げる著者・松岡正剛が日本文化を通史的に俯瞰しつつ、日本について、薀蓄をかたむけたのが本書である。素直に読んで、フーンと思うところは、漢文漢語をうちすてて日本独自のリテラシーの発端となった万葉仮名とカタカナ、ひらがなに関する松岡のこだわりであろう。もうひとつは、本居をはじめとする、江戸末期の国学の誕生に関するさまざまな人のかかわり、また、満州に関わる石原莞爾らへの言及であろう。
しかし、おそらく、松岡が力をこめた(だって、文末においている)満州から現代に至る解釈、これが、いまひとつよくわからない。どのような、日本的「編集」が行われたのか。やはり、あまりにも生々しいからなのか、千年以上もたたないといけないのか。これだと、高校までに教える日本史世界史がいつまでたっても、現代を取り扱えないと言うのと同じなのだけれど。いや、そこが、問題なのだ。
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