Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

雨水

2020年02月29日 23時51分56秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 先ほど22時前に夜のウォーキングに出かけようとしたら、雨が降っていた。まったく気がつかなかった。20時くらいから降り始めていたらしい。現在も5ミリ程度の雨が降り続いている。
 本日中は止みそうもないほど広範囲に雨の区域が広がっている。今月最後のウォーキングは断念せざるを得ない。

 明日の明け方以降は雨はあがり、天気は回復する予報になっている。気温も上がるようだ。

★地に降りて雀濡れゐる雨水かな     池田秀水
★書道部が墨擦つてゐる雨水かな     大串 章

 雨水の時期である。雪が雨にかわり、一雨ごとに春を感じる。実際は積雪のピークの時期でり、寒さがピークを迎える頃合いである。今年は2月19日から啓蟄の前日3月6日までの期間を指す。
  第1句、雨が地に降るの当たり前である。しかし土に降りかかるというと如何にも雨水の気分を彷彿とさせる。穀雨も同じような気もするが、こちらはイネ科の作物の成長を促進するような気分に思える。雨水のほうが広く生物一般に春をもたらす意味合いが強いのではないか。そしてその雨に雀が濡れている。生まれて間もない雀かもしれない。雀はこの雨に負けることなく活発である。生命の息吹を感じる。
 第2句、現在書道部というとパフォーマンスを伴って威勢のよい活動を売りにしているらしい。しかし私が知っている書道部は静謐で墨の匂い(かつては私も匂いを嗅ぐことはできた)の中で書に没頭していた。初動部は運動部ではなく、漢詩を読みこなし、そして鋭い警世の一言を綴る堅いイメージであった。
 その雨水の季節の柔らかい水を浸かって一心に墨をする。その墨でどんな文字や機知に富んだ言葉を白い紙に現出させるのだろうか。静謐な教室に緊張感がただよう。この緊張は尖った緊張ではないようだ。雨水の雨のように柔らかい緊張だと思う。形容矛盾と言われそうだが、わたしにはそんなふうにしか感じられない。好ましい緊張である。

 



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