Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

高見順「死の淵より」から

2020年02月10日 23時21分41秒 | 俳句・短歌・詩等関連

  生と死の境には

生と死の境には
なにがあるのだろう
たとえば国と国の境は
戦争中にタイとビルマの国境の
ジャングルを越した時に見たけれど
そこには別になにもなかった
境界線などひいてなかった
赤道直下の海を通った時も
標識のごとき特別なものは見られなかった
否 そこには美しい濃紺の海があった
泰緬国境には美しい雲があった
スコールのあとその空には美しい虹がかかった
生死の境にも美しい虹のごときものがかかっているではないか
たとえ私の周囲が
そして私自身が
荒れはてたジャングルだとしても

 ふと、今朝起きぬけにこの詩が頭に浮かんだ。あわてて詩集を紐解いたら、最後の3行が記憶になかった。この最後の3行、読み返してみてよくわからなかった。まだわからない。分かるまでまた、頭の片隅に記憶しておくしかない。



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