Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

贅沢な時間

2013年02月26日 16時21分11秒 | 料理関連&お酒
 昨日、横須賀の田浦の梅園からの帰り道で購入した「梅ワイン」は、妻と母親の専用という扱いとするとのこと。私は毎週日曜の夕食時にチョコッとお猪口にいっぱいほどだけをいただけるということになった。
 ということは、私の飲むお酒がビール以外に我が家には存在しない、という由々しき事態が出来した。これは私の気持ちの上ではとても許されることではないので、本日いいお酒を扱っている酒屋さんまで出かけてきた。お店は中華街の傍にある。最近見つけた。安売り店ではないので毎回ここで購入するわけには行かない。しかしあの「白隠正宗」も扱っているということで、かなりこだわりの酒屋さんである。
 日本酒4合瓶と焼酎4合瓶をかわるがわるしてみようと考えている。しかしあくまでも毎回ではなく、そのサイクルの間には安売り店も利用しなくては財布が悲鳴を上げてしまう。だが、安売り店だからといっても、日本酒と乙類の焼酎については、安いだけのお酒は購入しない。ラベルや値段を見ながら、品質にこだわりのあるお酒を購入する。
 私が考えた値段の相場は、日本酒も焼酎も4合瓶で、
日本酒が1500円まで、安売り店では1200円以下。
焼酎なら1300円まで、安売り店では1000円以下。
 これがおおよその私の目安。高いものでは日本酒で5000円くらいのものも並んでいたように思う。こういうものはとても手が出ない。
 一方で気候が暑くなり、チュウハイやハイボールなどを飲む機会が多くなると、これは極めて安いものを探すことにしている。安売り店で1円でも安いものを購入する。あるいは甲類の焼酎や炭酸の安いものを探し出して自分で作る。
 ただし山に持っていくウィスキーはそれなりに贅沢をする。

 さてそういうことで、本日購入したのは次のお酒。青森県八戸市の酒造会社のもの。初めて聞く名前だ。そして私が普段はあまり呑むことは無い吟醸酒だ。この八仙というお酒、酒屋さんには吟醸で1200円、1500円、1800円、3000円の4種が並んでいた。

   

 当然、私の基準の上限に従って1500円のものを購入してしまった。贅沢な選択になった。これは1回1合として4回分、ビールの日と交互にして1週間持たさなくてはならない。

 飲んでみるといかにも吟醸酒然としている。吟醸酒というのは香りも味も私には甘すぎる気がして、飲み屋などでは普段あえて吟醸酒を指定することはない。
 かなり凝った料亭などで、料理をした人の薀蓄に耳を傾けながら、あるいは料理人のこだわりを聞きながら、材料によって微妙な味の違いを噛み締めながら飲むお酒としてはいいかもしれない。そのような料理は基本的に白身魚や、薄味の野菜が合う。このお酒も確かにその範疇である。あくまでも料理の味を楽しむお酒が吟醸酒だと勝手に思っている。あまりに強い味がする料理だと吟醸酒の場合、お酒の味がかすんでしまう。
 しかしこのお酒は意外とある程度塩味の濃い東北の魚料理にも合うのかもしれない、と感じた。それだけ旨味が強いのかもしれない。ここまでくると私もまったく知識も経験も不足しているから、あてずっぽうの世界に等しいという前提で読んでほしい。吟醸酒ではなく純米酒だとあまりうすい味の料理の場合、お酒の旨味が強すぎて、料理の味よりもお酒の味が強く感じられ、お酒を飲むのが苦痛になることがある。このお酒は吟醸といいながらそんな感じもする。
 意外と青魚をそれなりに濃い味で調理したものや、干物、燻製などにも負けない旨味があるのではないだろうか。そうはいっても味の濃さには限度はあるが‥。これはスルメや魚の煮つけでもあう吟醸酒ではないだろうか。東北ならではの吟醸酒なのかもしれない。

 さて、私は旅行に行くとお猪口を買うことが多い。その土地の窯で作られた陶器がいいのだが、陶器のコーヒーカップや茶碗などではその都度購入していたのでは、食器棚からあふれ出してしまう。値段も高い。そんなことから30数年前からお酒のお猪口をよく買う。
 これだとそれほど場所もとらないし、2000円未満でいいものが買える。掘り出しものもあるようだ。今では20個以上が食器棚に並んでいる。割ってしまったものや、一度処分したこともあるので、全体では40個ほども購入したかもしれない。さすがに妻からは場所をとりすぎる、と文句を言われるようになってきたが、それでも過去に一部処分したこともあり、今はまだ嫌味程度ですんでいる。
 ひとつひとつの旅先はもう覚えていないが、それでも柄や形がいろいろあり、お酒を飲んでいて飽きることがない。もっと高価なものを購入していれば、ひとつひとつ産地や窯の名前でも控えていたであろうが、そうはならないところがいいのではないだろうか。
 陶器はいかにも手作りの職人業という感じがするのがいい。多少いびつであったり、形が悪くても、模様に多少の難があってもいい。そのほうが面白い。
 今回、この八仙を注いだお猪口は、北海道の旭川で購入したものであることを記憶している。組合のスキーツアーで行った時に購入した。

      

 厚みがあってよく手になじむ。面白いのは、底が四角になっていること。そして糸切りが意外となめらかであること。小さなお猪口なのに四角い部分のざっくりとした感触が気に入っている。しかも平なテーブルの上においてみるとちょっと傾く。お酒はこぼれない程度の傾きなのだが、かえってこれが面白い。
 薄い色合いや、薄い生地の陶器はどちらかというと吟醸酒や味の薄いお酒がよく合うと思う。これはどちらかというとそれよりも多少どっしりとしたお酒がよく合う。このお猪口は春、外での花見などに持参すると周りの景色に映えて、お酒がおいしくなるのではないだろうか。料理は、多少の苦味などがある早春の山菜がいい。天ぷらも合うかもしれない。
 こんな贅沢な時間を過ごしながら、本日は腰のだるさをなだめながら一日を過ごした。

 明日はあさっての句会に向けて俳句を作らなければならないので、こんなにのんびりはしていられない。