

昨日購入したのは、「壱岐の華酒造」の「昭和仕込」と銘打っている懐かしい壱岐の焼酎。昭和20年代まで島内で栽培されていた「たばる麦」を復活し、当時に近い製法で仕込んだ、ということになっている。
壱岐を訪れてもう11か月もたってしまった。その時訪れた醸造元はここではないが、島内では7つの蔵元が競って焼酎を造っていた。島内のいたるところに7つの銘柄の大きな看板があった。夜になって居酒屋で選択するのが楽しみでもあったが、全部を飲むことができないもどかしさも同時に抱いた。
日本でお酒で地理的表示の産地に指定されたのは沖縄の「泡盛」、熊本の「球磨焼酎」とこの壱岐の「壱岐焼酎」だけと聞いている。
この酒造会社のホームページでは「壱岐焼酎と他の地域の麦焼酎と最も異なる点は、仕込みで麦麹ではなく米麹を使用することです。麦麹で仕込むのに比べて甘みと厚みのある味わいが生まれます。壱岐焼酎は発祥当時から「米麹:麦=1:2」という割合を厳格に守り続けることで、壱岐の華等の壱岐焼酎の品質を守り続けています」と記載されている。
さらに「米は麦に比べて高価ですが、麹にした時にデンプン価によって焼酎に甘みを含ませ、味にふくらみを持たせます。麦麹を使用した麦焼酎がライトですっきりと軽快さがウリなのに対して、壱岐の麦焼酎は素材の旨みを引き出した味わい深い焼酎といえるでしょう。」
「地下50~150Mには玄武岩層の水脈があり、降雨が厚い地層によってろ過され、巨大で深い天然の地下貯水槽に貯えられています。カルシウム・マグネシウム・クロールなどのミネラル分を多く含んでおりますが、酒造りに好ましくない鉄分はほとんど含まれておりません。」
と表示されている。
実際に飲み比べて味がわかるほどの繊細な味覚を、私は持ち合わせていないが、このような記載を読むのはとても好きである。読んでその気になれば、そのような味わいに感じられれば、それで幸福なのである。
