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shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

トップシーズン前の静かな大菩薩嶺を悠々散策

2020-04-04 15:26:23 | 山行・旅行
春は移動性高気圧が、足ばやに日本列島を通過します。
そんな中、確実に晴れると約束された昨日の午前中、山梨県の大菩薩嶺(2057m)を歩いてきました。


大菩薩嶺は、深田久弥氏が選んだ日本百名山の一つで、首都圏からのアクセスがよく、手軽に登れることから人気の山です。
また、江戸から甲州を結ぶ旧青梅街道(大菩薩峠越え)が通っていたことや、中里介山氏の小説「大菩薩嶺」の舞台としても大変有名です。
5月から11月までは、登山の拠点となる上日川峠(かみにっかわとうげ)まで車で行けますが、この時期はまだ手前の丸川峠分岐までしか行けません。
ハイカーで賑わうトップシーズンを前に、春の穏やかな半日をかけて、静かな登山道を歩いてきました。


昨日歩いたのは、丸川峠分岐→丸川峠→大菩薩嶺→雷岩→唐松尾根分岐→上日川峠→丸川峠分岐の周回です。


車を丸川峠分岐駐車場に停め、5時50分に出発。気温はマイナス3℃、体が震える寒さでした。




寝不足とあまりの寒さで食欲は全くなく、30分歩いて体温が上がってきたところで、あんパンとコーヒーの朝食を摂りました。


体が温まり、お腹も膨れて元気が出たので、気持ちよく歩いていきます。
途中、野鳥の鳴き声やキツツキのドラミングの音が聞こえてきました。




登山道は舗装道路並みに硬く凍結し、所々霜柱が立っています。


霜ばしら今日は幾たり踏みゆくか shu


40分ほど歩いたところで、右手の木々の間から富士山が見えてきました。この後、富士山は何度も顔を出してくれました。


歩き始めて2時間ほど(休憩含む)で丸川峠に着きました。


そして、振り返ると、富士山がド~ン。この日一番の富士山でした。
(残念ながら、この日はコンデジだけを持参、しかもUVカット、CPLフィルター持参せずでした。)




丸川峠では写真を撮っただけで休憩せず、大菩薩嶺に向かいます。
丸川峠から直ぐに登山道に雪が出てきました。事前情報ではここから先はアイゼン(またはチェーンスパイク)必須とありましたが、しばらくはつぼ足で歩きます。
登山道はほぼ尾根道ですが、樹々に覆われ見通しはあまりよくありません。
しかし、途中右手が開けたところから甲府盆地と南アルプスがきれいに見えました。先端の岩に上がって写真を撮ります。


写真を撮った後、足元を見ると目先は200mほどの崖下でした。慎重に岩から下りて登山道に戻ります。
標高1800m付近からは雪がつながり、つるつるに凍ったところも出てきたので、アイゼンを着用しました。
靴底全体でアイゼンを氷に蹴り込み、快調に標高を上げていきます。




陽の当る所では氷が解けてつららもできていました。つららは山では春の証です。


コメツガの森を抜けると間もなく山頂です。


足元が凍っているので、最後まで慎重に。


歩き始めて3時間55分、無事に山頂に着きました。ここまで、スタート直後に1人会った以外は、誰とも会わずに歩いてきました。






切り株に腰を下ろして、パンとコーヒーで昼食としました。20分ほど山頂を独り占めさせていただきました。


下りは雪がつながっていないので、アイゼン外して歩きました。


6分歩いて雷岩に着きました。


ここからの眺めは絶景です。






残念ながら陽が高く上がって、春霞も掛かり、写真はいまいちです。
次に行く際は秋の空気が澄んだ時に、カメラ機材も考慮して行きたいものです。
さて、この日は早めに帰宅したかったので、大菩薩峠には向かわず、唐松尾根を下りました。目の前は富士山、甲府盆地と南アルプスが広がる絶景です。


唐松尾根分岐まで1時間かけて慎重に下り、福ちゃん荘前で今日歩かなかった大菩薩嶺の主脈の写真を撮りました。
次回はこの尾根をゆっくり散策したいですね。




ここから上日川峠までは緩やかな散策路を歩きます。


上日川峠には大きな駐車場があり、宿泊できるロッジもあります。




ここからさらに冬期通行止めの車道を避けて登山道を歩きます。車道は昨年の台風で一部崩落しており、今は歩いても通れません。


途中、野鳥のさえずりを楽しみ、何度も立ち止まって聴きました。ここでも持ってくるべきカメラを間違えたことを後悔しました。
確認できた野鳥は、ウソ(つがいでいました)、コゲラ、(たぶん)コガラ。他にも何種類かの鳥の鳴き声を聞きました。
ここはバードウォッチャーにとっては、最高の散策路でしょう。
裂石(さけいし、登山口の地名)までの中ほどで、歩いてきた山の山頂付近が見えました。


この後、無事に下山し、アスファルトの道路に出たところで道を間違え15分ほどロスしましたが、13時に車に戻りました。


予定していた道の駅たばやまの「のめこい湯」が、新型コロナウイルス感染防止対策で使えなかったのが残念でした。
長々と書きましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
shuさん、こんにちは (さざんか)
2020-04-04 17:02:42
昨日、大菩薩嶺に登って来られたんですね。
5時50分出発とは、ご自宅を何時に出られたのですか?
夜中の運転だったのですよね。
お写真から寒さが伝わって来ます。
案内図をたどって、どこを歩かれたのか分かりました。
雪の登山道、しかも氷っているところもある道を慎重に登る…見ているだけでもドキドキします。
でもドーンと見える富士山、甲府盆地など、美しい景色を独り占めで、素晴らしい登山でしたね。
良い天気の日を選んで行かれて、正解でしたね。
下ってから又車で帰宅されたのでしょう?
shuさんは疲れを知らない屈強なお体をお持ちですね。
自分では絶対に見られない素晴らしい景色を見せて頂き、有難うございました。
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さざんかさん こんばんは (shu)
2020-04-04 18:57:31
早速、コメントをいただき、ありがとうございました。
昨年4月に、この山に登る予定でしたが、急な用事が入り登れませんでした。
その時も山でミツバツツジが咲いていました。
今回は、登山口の標高が1000mもあるので、ミツバツツジは下山後の街道沿いでたくさん観ました。
サクラもちょうど見頃で、帰りはドライブしながらお花見が楽しめました。

山中でのお花は皆無で、樹々の芽生えも確認できませんでした。
文中に書いたように、ツララを観たのが春の訪れの兆しでした。
富士山は丸川峠で観たのが一番きれいでした。
実は、往きの運転で青梅街道(大菩薩ライン)の 柳沢峠(標高1472m)から観た富士山がもっと迫力がありました。
しかし、時刻がまだ5時を過ぎたばかりで薄暗く、しかも登山口へ急いでいる最中でしたので、写真は撮っていません。
帰りも同じ道を通りましたが、富士山はすでに雲の中でした(晴れていて、見えたとしても霞んでいたでしょう)。

昨日はさすがに疲れて、ブログ作成は日をまたぎました。
今日は、3食の炊事・洗濯・買い物・庭の草取りをしながら、行政の指導に従い家でじっとしています。
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 (カンサン)
2020-04-04 20:53:20
shuさんへ、私の菜の花と飛行機のブログにいいね!をありがとうございます。今は人込みを避けるが第一です。
本格的な登山をされましたね。ここなら、新型コロナウイルス感染の心配がいりませんね。(^^)
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大菩薩嶺 (fukurou)
2020-04-04 21:09:21
shu様
こんばんは。
富士山を眺めながらの登山、疲れを忘れさせてくれるのでしょうね。
標高2000メートルを超える山はまだまだ冬山ですね。アイゼン着用には驚きます。
でも鳥の声を聴きながら、山を自然を独占しながら歩くのは気持ちいいでしょうね!
もう10歳若かったら、山に登りたいなと思います。
素晴らしい風景見せていただきました。
ありがとうございました。
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大菩薩峠 (ミワ)
2020-04-04 22:07:02
shuさん今晩は。
素晴らしい景色を眺められるとコロナなど忘れさせてくれますね。
毎回山の風景を楽しませて頂いております。
何時もお一人で行動されるのですか。
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カンサンさん おはようございます (shu)
2020-04-05 06:19:36
コメントありがとうございます。
大菩薩嶺は夏場なら初心者向けの山で、多くのハイカーで賑わいます。
今は登山道に雪が残り、それが一旦解けてさらに凍ってとても滑りやすく、アイゼンが必須となっています。
大菩薩嶺では、雪が解けるとバイカオウレンが咲き出します。
このお花を目当てに登るハイカーも多いようです。
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fukurouさん おはようございます (shu)
2020-04-05 06:49:10
コメントありがとうございます。
この山は富士山を眺めるのに、とても適しています。
位置的には富士山の東北東(時計の針で1時の位置)にあり、距離はおよそ50km、その中間にやはり富士山の撮影で有名な三ッ峠山があります。
また、先日登った茅ヶ岳より富士山には近いので、山が大きく見えます。
そんなことを考慮して望遠レンズは持たず、軽さを重視してTG-5を持参しましたが、残念な結果でした。
また、富士山との位置からすると、撮影は早朝がよく、日中は完全に逆光になります。

昨日(4月4日)の朝、たまたまNHKラジオで丸川峠にある丸川荘から中継がありました(残念ながら私が聞いたのは聴き逃し放送で深夜でした)。
そこでは、盛んにルリビタキが鳴いていると言っていました。
そう言えば、私も聞いた覚えがあります。
丸川峠は標高が1677mあり、雪がまだ残っています。野鳥の数はまだ少なく、最も鳴き声を聴いたのは1200m辺りではなかったかと思います。
いずれにしても、この山は野鳥が多いです。
季節を変えて(もちろん、カメラも変えて)、また歩いてみたいと思います。
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ミワさん おはようございます (shu)
2020-04-05 06:58:41
コメントありがとうございます。
仰るとおり、山を歩いている時は、コロナのことも何もかも忘れてしまいますね。
山では山のことしか考えません。変なことを考えると、転んだり滑ったりします。

普段の山行はひとりが多いです。しかしグループで出かけることもあります。
昨秋に訪れた谷川岳では群馬の友人と一緒でした。白山には毎年郷里の同級生と登っています。
どちらも気の置けない仲間で、私が写真を撮るのに立ち止まっても、気にしないでくれます。
食事は、ひとりよりも友人と一緒の方が絶対に美味しいです。
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あんパン (山歩き)
2020-04-05 10:18:17
 Shuさんこんにちは。例によって「鳥観図」を見ながら読ませていただき、一歩一歩歩く様子が手に取るように分かりました。
 その日は霜ばしらを踏んだ方は僅かだったようですね、見慣れない「幾たり」はこの先何回霜柱を踏むのだろう、そういう意味かなと思いましたが、念のため調べました。
幾人と書いて幾たり、流石は筆の達人、恐れ入りました。幾だびと違いますね。
 「山」も「岳」も付かない大菩薩嶺ですが「日本百名山」では大菩薩岳と表記されたそうですね。例の鳥観図の山名は「日本百名山」における表記と違う山もあるようです。
 Shuさんの山行には「あんパン」が登場することが多いですね、私はもっぱらお握りでしたが最近は食べやすいサイズのサンドウィッチも食べています。
 あんパンは糖分が豊富なのでエネルギー補給にとって最適なのでしょうか、そういえば深田久弥さんもあんパンを好まれていたとか、何かで見た記憶があります。
 さて、大菩薩嶺は東北地方では数少ない2000m峰ですが、樹木に囲まれている山頂の様子が不思議に感じます、これは昨年根子岳(2207)に登った時も感じたことで、緯度の違いによることは明らかですね。
 最近手に入れた「山渓ハンデイ図鑑8 高山に咲く花」に分かりやすい説明があり、東北地方の森林限界は概ね1800mで中部地方は2500mでした。
 この図鑑は約750種を1700枚以上の写真と簡潔な解説で紹介とあり、似たような花を同じページか隣接するページに載せておりますし、葉の特徴も分かりやすい写真が豊富で有難いなと思いましたが、染色体やDNAについては珍紛漢紛です。
 話が変な方に行きましたね、私は登ることが出来ないと思いますが富士山は品があって美しいですね、流石に日本一の山。
 登ることが出来ないのは、体力的なものと登ろうという気にならないからです、沢山の登山者で渋滞することを聞けばそれだけで尻込みします。
 私もそろそろ歩き始めないと、昼飯はあんパンにしようかな、そんな気にさせていただきました。有難うございます。
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山歩きさん こんにちは (shu)
2020-04-05 11:15:49
いつも山の投稿にコメントをいただき、ありがとうございます。
サクッと俳句を入れましたが、気づいていただき感謝申し上げます。
「この霜柱を今日は何人が踏んでいくのだろう」という意味で詠みました。「霜柱さんコンニチハ・・」ではありません(笑)

Wikipediaには「深田久弥や木暮理太郎などは、その著書に大菩薩岳(だいぼさつだけ)と表記している」との記述があります。
小暮理太郎氏は「望岳都東京」の中に、東京市内所望の山岳高度表を載せ、そこで「大菩薩岳」と記しています。
深田久弥氏は「日本百名山」の初版において、「大菩薩嶺」と記しましたが、どなたからかの指摘で「大菩薩岳」に訂正したようです。
私が持っている「日本百名山」は昭和43年に印刷されたもので、その中では、まだ「大菩薩嶺」となっています。
従って、「大菩薩岳」に書きなおされたのは、それ以降だと思います。
私の推察ですが、深田久弥氏は木暮理太郎氏を敬愛していましたので、木暮氏に倣って「大菩薩岳」に改めたのではないでしょうか。

深田久弥氏があんパンをお好きだと、よくご存じでしたね。
毎年4月の第3日曜日(今年は中止)に山梨県韮崎市で開かれる深田祭でも、茅ヶ岳登山者にあんパンが提供されるようです。
仰るように、「体力的なものと登ろうという気にならない」と山には行けません。
日々トレーニングを続け、できるだけ長く、あんパンを持って山に行けるようにありたいと思っています。
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