前に上げた記事(その④)で、書き忘れたことが一つあったので、書いておきたい。
裸地の辺りで休憩を取った。その理由は濡れた靴を乾かし、靴下を交換するためだった。靴を脱いで中敷きを外し陽に当てた。靴下は予備を持っていたので履き替えた。それによってずいぶん歩きやすくなった。
yamapの歩跡には休憩マークが刻まれている。

さて標高1900mほどまで下りてきた。水も補給したので時間を気にすることもなく安心して歩ける。
この辺りで咲いているアザミは何だろう? 花が上を向いているのでノアザミのように思える。『白山*立山 花ガイド』によれば、ノアザミは高山帯でも観られるようだ。

リンドウは茎の先端部にかたまって咲いていることと、好天でも花が僅かしか開いていないので、オヤマリンドウのように思えた。

この後、赤い実をつけた植物が続いて観られたので、順にご覧いただきたい。

先ずはアカモノ(別名イワハゼ、ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)。
アカモノの名前の由来は分かりやすい。一方イワハゼは、実が蝋を取るハゼの実に似ている事が由来だ。

続いてはゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)。
和名は白山の御前峰に由来している。愛媛県では、石鎚山系と赤石山系に分布し、それが日本の南限となっている。

3つめはムシカリ(別名オオカメノキ、ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)。
ムシカリの名前の由来は、葉が虫に喰われやすいことからといわれる。一方オオカメノキは、葉の形をカメの甲羅に見立てたことからきている。

最後はナナカマド(バラ科ナナカマド属の落葉高木)。白山では標高の高い順にタカネナナカマド、ウラジロナナカマド、ナナカマドが観られる。
ナナカマドの実には毒性があり食べられない。この毒は寒さで実が凍ると分解されるため、寒さが厳しくなって初めて野鳥たちは実を食べるようになる。
こんな花もまだ咲いていて驚いた。

タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属の多年草)だ。今回観たのは1輪だけだった。

こちらは何度も登場しているハクサンフウロ。
雄性先熟の植物だが、この花には雄しべが見えた。
白山釈迦岳の頂上付近まで来たところ池が現れた。地図で確認したら、確かに頂上の西に池があった。

さらに進むと道標が現れた。しかしそれには白山釈迦岳への分岐が記されていなかった。東側に踏み跡が伸びていた。再び地図で確認したところ、地図に道は記されていないものの、山頂へ向かう方向は確かだった。

その踏み跡を辿って進んだ。途中から踏み跡は北に曲がり、ササを切り払った「道」になっていて、ササにしがみつきながら山頂に行き着いた。

山頂は笹薮に囲まれていて、見晴は利かなかった。
下山は同じ道を戻るので、カメラが藪に絡まないようザックにしまった。
ここからの写真は i Phone で撮っている。
白山釈迦岳から登山道に戻り、しばらく歩くと左側に谷を隔てて道が見えた。
砂防新道かと思ったが、地図で確認したところ湯ノ谷の砂防工事用の道路のようだった。
5分ほど歩くと再び道標があった。室堂から7.0km歩いて来て(実際は3つの峰に登ったのでもっとある)、市ノ瀬までは7.9kmだった。まあ半分は来たということだ。

再び赤い実が観られた。ずいぶん葉が蝕まれている。

白山で観られるスイカズラ科の樹木の中では、ミヤマシグレ( スイカズラ科 ガマズミ属の落葉低木 )に似ているように思えた。自信はない。

こちらはミズキ(ミズキ科ミズキ属の落葉高木)のようだが、やはり自信がない。
雨に打たれることはなく、曇り空で歩きやすかった。下界では一時雨が降ったらしい。

オヤマリンドウの群落。

ハクサンカメバヒキオコシの群落。この先この植物が多く観られた。

こちらはムシカリで間違いがなさそうだ。

アサギマダラが1頭、藪の中に見えた。下の写真はスマホで撮ったもの。これは一眼で撮らねばと思い、カメラをザックから取り出した。

今年初めて観たアサギマダラだった。この後3頭を見かけた。



再びカメラをザックにしまった。この後しばらく写真は i Phone で撮っている。
登山道は見事なブナ林の中を通っていく。

道を防ぐように咲いていたサラシナショウマ。

珍しい植物に出会った。


ギンリョウソウモドキ(ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草)だと思う。
ギンリョウソウが春に咲くのに対し、ギンリョウソウモドキは秋に咲く。そこから別名をアキノギンリョウソウという。
同属のシャクジョウソウは淡褐色なのに対し、ギンリョウソウモドキは白色なので、これはギンリョウソウモドキのようだ。しかし昨年観たギンリョウソウモドキはもっと白かった。
シャクジョウソウは1つの茎から複数の花をつけることが多いようだが、これは1つの茎から1つの花をつけている。しかしこれも決定的とはいえないようで、不安を残している。
なお、シャクジョウソウ、ギンリョウソウモドキともに石川県の絶滅危惧種リストには入っていない。
再びザックからカメラを取り出したのは、釈迦岳登山口(林道との合流部)付近でツリフネソウを観たときだった。




13時23分に釈迦岳登山口に到着した。当初計画より1時間50分ほど遅れた。ここからはしばらく林道歩きが続いた。

やはり釈迦岳登山口近くで咲いていたのはゲンノショウコのようだった。

こちらは下向きに咲くやや大きなアザミ。



茎の高さは1mほどあった。テマリフジアザミかもしれないと思ったが、どうやら違うようだった。
ここでも殉職者の慰霊堂の前を通った。

昨年まで通行止めとなっていた原因の、鉄砲水が起きた場所を通った。重機が倒れていて、それを起こす作業を行っていた。
工事用の重機の多くはリモコンで操作されていて、運転手が乗っていないことが多いらしい。

14時13分に白山禅定道と合流し、そこからはまたしばらく登山道を歩いた。

そして14時35分に前日通った白山禅定道登山口に戻ってきた。市ノ瀬ビジターセンターの駐車場には14時48分に帰着した。計画より1時間38分の遅れであった。

無事に歩き通すことができて感謝している。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)(完)
裸地の辺りで休憩を取った。その理由は濡れた靴を乾かし、靴下を交換するためだった。靴を脱いで中敷きを外し陽に当てた。靴下は予備を持っていたので履き替えた。それによってずいぶん歩きやすくなった。
yamapの歩跡には休憩マークが刻まれている。

さて標高1900mほどまで下りてきた。水も補給したので時間を気にすることもなく安心して歩ける。
この辺りで咲いているアザミは何だろう? 花が上を向いているのでノアザミのように思える。『白山*立山 花ガイド』によれば、ノアザミは高山帯でも観られるようだ。

リンドウは茎の先端部にかたまって咲いていることと、好天でも花が僅かしか開いていないので、オヤマリンドウのように思えた。


この後、赤い実をつけた植物が続いて観られたので、順にご覧いただきたい。

先ずはアカモノ(別名イワハゼ、ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)。
アカモノの名前の由来は分かりやすい。一方イワハゼは、実が蝋を取るハゼの実に似ている事が由来だ。

続いてはゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)。
和名は白山の御前峰に由来している。愛媛県では、石鎚山系と赤石山系に分布し、それが日本の南限となっている。

3つめはムシカリ(別名オオカメノキ、ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)。
ムシカリの名前の由来は、葉が虫に喰われやすいことからといわれる。一方オオカメノキは、葉の形をカメの甲羅に見立てたことからきている。

最後はナナカマド(バラ科ナナカマド属の落葉高木)。白山では標高の高い順にタカネナナカマド、ウラジロナナカマド、ナナカマドが観られる。
ナナカマドの実には毒性があり食べられない。この毒は寒さで実が凍ると分解されるため、寒さが厳しくなって初めて野鳥たちは実を食べるようになる。
こんな花もまだ咲いていて驚いた。

タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属の多年草)だ。今回観たのは1輪だけだった。

こちらは何度も登場しているハクサンフウロ。
雄性先熟の植物だが、この花には雄しべが見えた。
白山釈迦岳の頂上付近まで来たところ池が現れた。地図で確認したら、確かに頂上の西に池があった。


さらに進むと道標が現れた。しかしそれには白山釈迦岳への分岐が記されていなかった。東側に踏み跡が伸びていた。再び地図で確認したところ、地図に道は記されていないものの、山頂へ向かう方向は確かだった。


その踏み跡を辿って進んだ。途中から踏み跡は北に曲がり、ササを切り払った「道」になっていて、ササにしがみつきながら山頂に行き着いた。


山頂は笹薮に囲まれていて、見晴は利かなかった。
下山は同じ道を戻るので、カメラが藪に絡まないようザックにしまった。
ここからの写真は i Phone で撮っている。
白山釈迦岳から登山道に戻り、しばらく歩くと左側に谷を隔てて道が見えた。
砂防新道かと思ったが、地図で確認したところ湯ノ谷の砂防工事用の道路のようだった。
5分ほど歩くと再び道標があった。室堂から7.0km歩いて来て(実際は3つの峰に登ったのでもっとある)、市ノ瀬までは7.9kmだった。まあ半分は来たということだ。


再び赤い実が観られた。ずいぶん葉が蝕まれている。

白山で観られるスイカズラ科の樹木の中では、ミヤマシグレ( スイカズラ科 ガマズミ属の落葉低木 )に似ているように思えた。自信はない。

こちらはミズキ(ミズキ科ミズキ属の落葉高木)のようだが、やはり自信がない。
雨に打たれることはなく、曇り空で歩きやすかった。下界では一時雨が降ったらしい。

オヤマリンドウの群落。

ハクサンカメバヒキオコシの群落。この先この植物が多く観られた。

こちらはムシカリで間違いがなさそうだ。

アサギマダラが1頭、藪の中に見えた。下の写真はスマホで撮ったもの。これは一眼で撮らねばと思い、カメラをザックから取り出した。

今年初めて観たアサギマダラだった。この後3頭を見かけた。



再びカメラをザックにしまった。この後しばらく写真は i Phone で撮っている。
登山道は見事なブナ林の中を通っていく。

道を防ぐように咲いていたサラシナショウマ。

珍しい植物に出会った。


ギンリョウソウモドキ(ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草)だと思う。
ギンリョウソウが春に咲くのに対し、ギンリョウソウモドキは秋に咲く。そこから別名をアキノギンリョウソウという。
同属のシャクジョウソウは淡褐色なのに対し、ギンリョウソウモドキは白色なので、これはギンリョウソウモドキのようだ。しかし昨年観たギンリョウソウモドキはもっと白かった。
シャクジョウソウは1つの茎から複数の花をつけることが多いようだが、これは1つの茎から1つの花をつけている。しかしこれも決定的とはいえないようで、不安を残している。
なお、シャクジョウソウ、ギンリョウソウモドキともに石川県の絶滅危惧種リストには入っていない。
再びザックからカメラを取り出したのは、釈迦岳登山口(林道との合流部)付近でツリフネソウを観たときだった。




13時23分に釈迦岳登山口に到着した。当初計画より1時間50分ほど遅れた。ここからはしばらく林道歩きが続いた。

やはり釈迦岳登山口近くで咲いていたのはゲンノショウコのようだった。

こちらは下向きに咲くやや大きなアザミ。



茎の高さは1mほどあった。テマリフジアザミかもしれないと思ったが、どうやら違うようだった。
ここでも殉職者の慰霊堂の前を通った。

昨年まで通行止めとなっていた原因の、鉄砲水が起きた場所を通った。重機が倒れていて、それを起こす作業を行っていた。
工事用の重機の多くはリモコンで操作されていて、運転手が乗っていないことが多いらしい。


14時13分に白山禅定道と合流し、そこからはまたしばらく登山道を歩いた。


そして14時35分に前日通った白山禅定道登山口に戻ってきた。市ノ瀬ビジターセンターの駐車場には14時48分に帰着した。計画より1時間38分の遅れであった。


無事に歩き通すことができて感謝している。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)(完)