別当出合に来たのはひと月ぶりだった。
景色に大きな変化はないものの、登山客の姿は大きく減っていて、私の他には若いグループがひと組いただけだった。
いつものように鳥居の前で脱帽し、一礼して入山した。

今回の山行は釈迦新道を歩くのが第一の目的なので、室堂までは最短の砂防新道で上がった。別当出合から室堂までのコースタイムは4時間30分だが、速い人は2時間半を切るようだ。
私は別当出合を9時に出発し、途中どこかで食事を摂り、室堂に14時10分に着く計画を立てていたが、実際に別当出合を出たのは7時58分だった。あまり早く室堂についても仕方ないので、天気が持てばどこかでゆっくりしようと思っていた。

お花はというと、9月になったので花の数は少ないだろうと思っていた。ところが吊り橋を渡ると早速咲いていた。

最初に観たのはキンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属の多年草)だった。総状花序で5弁花の花にも特徴があるが、奇数羽状複葉の葉も特徴的である。小葉は菱状長楕円形から菱状倒卵形で長さ3~6cm、幅2cmほどになり、先端がとがり、葉の縁には粗い歯牙状の鋸歯がある。


続いてサラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草)がたくさん咲いていた。ひと月前には見なかったように思う。

こちらはハンゴンソウ(キク科キオン属の多年草)だと思う。アヒルの足跡のような深い切れ込みがある葉に特徴がある。先月来た際にも咲いていた。市ノ瀬から別当出合に至る道沿いにも観られた。

人の背丈ほどあるセリ科の植物は、オオバセンキュウのように見えた。オオバセンキュウの特徴は「茎葉が各節ごとに曲がり茎葉全体が半曲する」というのを覚えたばかりだった。

ここでもウバユリ(ユリ科ウバユリ属の多年草)が果実となっていた。


アキギリ(シソ科アキギリ属の多年草)が現れた。北陸人にとっては見慣れた花だが、日本の固有種で、分布は本州の中部地方から近畿地方に限られるようである。

市ノ瀬周辺でも観られたヤマトリカブトがここでも観られた。

そしてアキノキリンソウが観られ出した。この花はこの先室堂近くまでたくさん咲いていた。
8時21分に、一方通行の終点(分岐点)に到着した。




一方通行を過ぎた辺りからハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属の多年草)が現れだした。この花は中飯場を過ぎてもたくさん咲いていた。
8時45分に中飯場に到着した。


近くにムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)が実をつけていた。ノコンギクがここでも咲いていた。
中飯場で水を補給し10分ほど休憩した。ここを過ぎたところで、先月キツリフネ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草)を観ていた。まだ咲いているだろうか。

キツリフネはまだ咲いていた。
この花はツリフネソウと同じく一年草なので、翌年ここに生えているかは分からない。213種が掲載されている『白山*立山花ガイド』には、ツリフネソウとキツリフネは載っていない。来年ここでこの花が観られることを祈った。

ゴマナ(キク科シオン属の多年草)が観られ出した。

ノコンギクがまだ咲いていた。垂直分布幅の大きな植物だ。
工事用道路を横断する。先月は渡った先にタマガワホトトギスが咲いていたが、今回は観られなかった。

近くから落差50mの不動滝が観られる。



センジュガンピの残り花を観た。ずいぶん花期が長い花だが、さすがにもう終わりだ。

ここでもノコンギクが咲いていた。きれいなのでつい撮ってしまう。
ハクサンカメバヒキオコシの白花が観られたので、アップで撮った。

ついでに普通の色の花も。

福井の街並みが見渡せた。


アザミが現れた。下の方で観たアザミとは明らかに違う。
甚ノ助避難小屋まで0.9kmの標識を通過した。


ゴゼンタチバナが赤い果実をつけていた。
白山の登山道はどこもよく整備されている。とりわけ砂防新道は毎年手が入って歩きやすくなっている。


カニコウモリ(キク科コウモリソウ属の多年草)が現れだした。

こちらのセリ科はミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属の多年草)だと思う。

再びゴマナ。


青紫色のトリカブトが現れた。国立科学博物館植物研究部による調査では、砂防新道と南竜ヶ馬場では、ミヤマトリカブト、リョウハクトリカブトと雑種のハクサントリカブトが観られている。このトリカブトは花梗に毛が生え、兜が円錐形であることから、リョウハクトリカブトのように思う。
10時31分に甚ノ助避難小屋に到着した。小屋には入らず、少し上にある給水場近くのベンチで昼食を摂ることにした。

ベンチの少し先にヨツバヒヨドリの群落が観られる。きれいに咲いていた。

こちらは再びミヤマセンキュウ。

甚ノ助避難小屋付近で30分休憩し、11時1分に再出発した。ガスがかかりだし今にも雨が降りそうな気配だった。ザックカバーをつけて雨具はすぐに取り出せるように準備した。カメラも防水袋に入れてザックにしまった。ここから室堂までの写真は i Phone で撮った。

南竜分岐付近で観たナナカマド。

その3分後に観たウラジロナナカマド。
南竜分岐を過ぎると左側が切れ落ちている。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属の多年草)が現れてきた。ヤマハハコは高山帯でも観られた。
十二曲をゆっくりと登った。延命水はポタッ・・・ポタッとしか落ちていなかった。今年の白山の雪解けが異常に早かったことと関係しているらしい。

12時28分に黒ボコ岩に着いた。ここで16分休憩した。

弥陀ヶ原をお花を探しながらゆっくり歩いたが、花の姿はなかった。

ウラジロナナカマドが紅葉し始めていた。

五葉坂もゆっくり登った。途中で振り返って弥陀ヶ原を眺めた。

13時14分、室堂に到着した。途中ガスがかかったが雨に降られることはなく、雨具の世話にならなかったのは幸いであった。

部屋は大部屋で、同室の宿泊者は私を入れて3人であった。
15時30分ごろまで部屋で休憩し、その後室堂平を散策した。


イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属の多年草)。

シナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属の多年草)。

ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属の多年草)の果実。

ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)かもしれない。
⇒keitannさんから教わり確認したところ、カンチコウゾリナかミヤマコウゾリナの綿毛のようです。keitannさんありがとうございました。

オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属の多年草)の花後の姿。

タテヤマアザミ(キク科アザミ属の多年草)。

最後にお詣りをしてビジターセンターに戻った。
翌日は晴れれば4時出発で、御前峰に登頂し御日の出を拝む。曇っていたら5時出発で、御前峰を巻いていく予定とした。
大汝峰も同様に晴れていれば登頂し、曇っていたら巻いていくこととした。
さて、どんな天気になるのだろう。この夜は7時に眠りについた。
秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)その③(室堂~御前峰~大汝峰~七倉の辻)へ続く。
景色に大きな変化はないものの、登山客の姿は大きく減っていて、私の他には若いグループがひと組いただけだった。
いつものように鳥居の前で脱帽し、一礼して入山した。


今回の山行は釈迦新道を歩くのが第一の目的なので、室堂までは最短の砂防新道で上がった。別当出合から室堂までのコースタイムは4時間30分だが、速い人は2時間半を切るようだ。
私は別当出合を9時に出発し、途中どこかで食事を摂り、室堂に14時10分に着く計画を立てていたが、実際に別当出合を出たのは7時58分だった。あまり早く室堂についても仕方ないので、天気が持てばどこかでゆっくりしようと思っていた。

お花はというと、9月になったので花の数は少ないだろうと思っていた。ところが吊り橋を渡ると早速咲いていた。

最初に観たのはキンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属の多年草)だった。総状花序で5弁花の花にも特徴があるが、奇数羽状複葉の葉も特徴的である。小葉は菱状長楕円形から菱状倒卵形で長さ3~6cm、幅2cmほどになり、先端がとがり、葉の縁には粗い歯牙状の鋸歯がある。


続いてサラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草)がたくさん咲いていた。ひと月前には見なかったように思う。

こちらはハンゴンソウ(キク科キオン属の多年草)だと思う。アヒルの足跡のような深い切れ込みがある葉に特徴がある。先月来た際にも咲いていた。市ノ瀬から別当出合に至る道沿いにも観られた。

人の背丈ほどあるセリ科の植物は、オオバセンキュウのように見えた。オオバセンキュウの特徴は「茎葉が各節ごとに曲がり茎葉全体が半曲する」というのを覚えたばかりだった。

ここでもウバユリ(ユリ科ウバユリ属の多年草)が果実となっていた。


アキギリ(シソ科アキギリ属の多年草)が現れた。北陸人にとっては見慣れた花だが、日本の固有種で、分布は本州の中部地方から近畿地方に限られるようである。


市ノ瀬周辺でも観られたヤマトリカブトがここでも観られた。

そしてアキノキリンソウが観られ出した。この花はこの先室堂近くまでたくさん咲いていた。
8時21分に、一方通行の終点(分岐点)に到着した。





一方通行を過ぎた辺りからハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属の多年草)が現れだした。この花は中飯場を過ぎてもたくさん咲いていた。
8時45分に中飯場に到着した。



近くにムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)が実をつけていた。ノコンギクがここでも咲いていた。
中飯場で水を補給し10分ほど休憩した。ここを過ぎたところで、先月キツリフネ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草)を観ていた。まだ咲いているだろうか。


キツリフネはまだ咲いていた。
この花はツリフネソウと同じく一年草なので、翌年ここに生えているかは分からない。213種が掲載されている『白山*立山花ガイド』には、ツリフネソウとキツリフネは載っていない。来年ここでこの花が観られることを祈った。

ゴマナ(キク科シオン属の多年草)が観られ出した。

ノコンギクがまだ咲いていた。垂直分布幅の大きな植物だ。
工事用道路を横断する。先月は渡った先にタマガワホトトギスが咲いていたが、今回は観られなかった。

近くから落差50mの不動滝が観られる。



センジュガンピの残り花を観た。ずいぶん花期が長い花だが、さすがにもう終わりだ。

ここでもノコンギクが咲いていた。きれいなのでつい撮ってしまう。
ハクサンカメバヒキオコシの白花が観られたので、アップで撮った。

ついでに普通の色の花も。

福井の街並みが見渡せた。



アザミが現れた。下の方で観たアザミとは明らかに違う。
甚ノ助避難小屋まで0.9kmの標識を通過した。


ゴゼンタチバナが赤い果実をつけていた。
白山の登山道はどこもよく整備されている。とりわけ砂防新道は毎年手が入って歩きやすくなっている。



カニコウモリ(キク科コウモリソウ属の多年草)が現れだした。

こちらのセリ科はミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属の多年草)だと思う。

再びゴマナ。


青紫色のトリカブトが現れた。国立科学博物館植物研究部による調査では、砂防新道と南竜ヶ馬場では、ミヤマトリカブト、リョウハクトリカブトと雑種のハクサントリカブトが観られている。このトリカブトは花梗に毛が生え、兜が円錐形であることから、リョウハクトリカブトのように思う。
10時31分に甚ノ助避難小屋に到着した。小屋には入らず、少し上にある給水場近くのベンチで昼食を摂ることにした。


ベンチの少し先にヨツバヒヨドリの群落が観られる。きれいに咲いていた。

こちらは再びミヤマセンキュウ。

甚ノ助避難小屋付近で30分休憩し、11時1分に再出発した。ガスがかかりだし今にも雨が降りそうな気配だった。ザックカバーをつけて雨具はすぐに取り出せるように準備した。カメラも防水袋に入れてザックにしまった。ここから室堂までの写真は i Phone で撮った。

南竜分岐付近で観たナナカマド。

その3分後に観たウラジロナナカマド。
南竜分岐を過ぎると左側が切れ落ちている。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属の多年草)が現れてきた。ヤマハハコは高山帯でも観られた。
十二曲をゆっくりと登った。延命水はポタッ・・・ポタッとしか落ちていなかった。今年の白山の雪解けが異常に早かったことと関係しているらしい。


12時28分に黒ボコ岩に着いた。ここで16分休憩した。


弥陀ヶ原をお花を探しながらゆっくり歩いたが、花の姿はなかった。

ウラジロナナカマドが紅葉し始めていた。


五葉坂もゆっくり登った。途中で振り返って弥陀ヶ原を眺めた。

13時14分、室堂に到着した。途中ガスがかかったが雨に降られることはなく、雨具の世話にならなかったのは幸いであった。


部屋は大部屋で、同室の宿泊者は私を入れて3人であった。
15時30分ごろまで部屋で休憩し、その後室堂平を散策した。


イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属の多年草)。

シナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属の多年草)。

ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属の多年草)の果実。

ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)かもしれない。
⇒keitannさんから教わり確認したところ、カンチコウゾリナかミヤマコウゾリナの綿毛のようです。keitannさんありがとうございました。

オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属の多年草)の花後の姿。

タテヤマアザミ(キク科アザミ属の多年草)。

最後にお詣りをしてビジターセンターに戻った。
翌日は晴れれば4時出発で、御前峰に登頂し御日の出を拝む。曇っていたら5時出発で、御前峰を巻いていく予定とした。
大汝峰も同様に晴れていれば登頂し、曇っていたら巻いていくこととした。
さて、どんな天気になるのだろう。この夜は7時に眠りについた。
秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)その③(室堂~御前峰~大汝峰~七倉の辻)へ続く。