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shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)その①(市ノ瀬~別当出合)

2023-09-16 05:30:00 | 山行・旅行
生涯19回目となった今回の白山行は、釈迦新道を歩くことをメインに計画した。
釈迦新道は登山口に至る林道が鉄砲水で崩落し、長らく歩けないでいた。それが今春ようやく開通した。そこでこのコースを計画したのだ。
御前峰、大汝峰、白山釈迦岳を周回すると距離は25kmを越え、累計標高差はおよそ2400mになる。日帰り登山は健脚のハイカーなら可能だが、私には到底無理なので、室堂で泊まることにした。
全体のルートを示す。


それでは歩いた順に説明したい。
市ノ瀬ビジターセンター前の駐車場に車を駐め、6時15分に歩き出した。
別当出合までのシャトルバスはマイカー規制日しか運行していないので、平日のこの日は市ノ瀬から歩くことになる。別当出合までのコースタイムは1時間50分だ。
歩くのは苦にならないが、途中何台もの車に追い越されて楽しくはなかった。


市ノ瀬周辺にはノコンギク(キク科シオン属の多年草)がたくさん咲いていた。この辺りでは白花ばかりだった。




トリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)も多く観た。白山周辺では主に亜高山帯でミヤマトリカブトとリョウハクトリカブトが観られる(釈迦岳付近ではサンヨウブシも観られる)。また両者の雑種であるハクサントリカブトも観られる。
市ノ瀬周辺の山地帯で観られるトリカブトは、上記の2種とその雑種とは異なり薄紫色を呈している。市ノ瀬ビジターセンター自然情報(令和元年9月16日~30日)と照合すると、ヤマトリカブトのように思われた。

六萬橋を渡る。ビジターセンターの駐車場近くに人専用の吊り橋もあるが、ここを渡ったのは標高差が少ないという理由だけだ。流れ落ちる水が成すコントラストが美しい。
 

坂を登っていくと、その吊り橋も見えてくる。遠くの赤い屋根は市ノ瀬(白山温泉)の永井旅館だろうか。


坂を上りながら沿道の花をいくつか撮った。高山帯や亜高山帯に咲く花はある程度分かるが、山地帯の花はよく知らない。

画像検索でアカソ(イラクサ科カラムシ属の多年草)がヒットした。アカソは市ノ瀬ビジターセンター自然情報(令和元年8月1日~15日)にも載っているので、この辺りに分布していることが確認できた。


こちらはヨモギ(キク科ヨモギ属の多年草)のように見えた。


こちらの5弁花を咲かせているのは、キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属の多年草[)だと思う。沿道にたくさん咲いていた。
隣のイネ科らしい植物は何か分からない。


こちらはオトコエシ(オミナエシ科オトコエシ属の多年草)だと思う。別当出合に至るまで沿道でよく見かけた。

6時32分に白山禅定道登山口を通過した。明日の午後、順調ならばここへ戻って来る予定だ。



ツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草)の残花を観た。ツリフネソウは翌日、釈迦岳登山口付近でたくさん観たが、ここでは僅かであった。


このキク科の植物は何か分からなかった。花はヒメジョオンより小さく見えた。


こちらはウバユリ(ユリ科ウバユリ属の多年草)の果実のように思う。7月下旬頃には別当出合周辺でウバユリの花をよく見かけた。


こちらは画像検索でエゴマ(シソ科シソ属の一年草)がヒットした。かつて市ノ瀬で焼畑によりエゴマが栽培されていたことが、石川県立歴史博物館の文献で確認できた。


こちらはヤマウド(ウコギ科タラノキ属の多年草)で、写真を拡大すると散形花序に黒紫色の果実が残っているのが見える。



 


ヤマハッカ属だと思うが、名前が分からなかった。ハクサンカメバヒキオコシとは違うようだった。


アザミの仲間を観た。撮った写真がこれだけで、名前が分からなかった。


6時51分、湯ノ谷に通じる林道のゲート前を通過した。

 
イヌタデ(タデ科イヌタデ属の一年草)だろうか。こんなところで見かけるのは意外だった。
⇒なつみかんさんから「ハナタデではないか」とご教授いただきました。
イヌタデとハナタデの違いについて国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 多摩森林科学園のサイトに詳しく書かれていました。
「穂の花がより赤く密集しているのがイヌタデで,ハナタデは白っぽくまばらである」ことから、ハナタデに訂正したいと思います。


 
細谷川を覗きながら歩く。砂防ダムが連なり、工事は今も行われている。


7時3分、工事殉職者の霊堂の前を一礼して通った。車で通過する人はこの存在に気づかないだろう。


7時5分、この場所には見覚えがあった。2018年の台風21号の翌日にここを歩いた際、電柱が倒れていたのを見ている。やはり9月だった。ここを歩くのはそれ以来初めてだ。


道路にはトチの実がたくさん落ちていた。2018年の台風の後にはもっとたくさん落ちていた。


こちらはツリバナ(ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木)の果実だろうか。見かけて嬉しかった。


こちらの樹木は名前が分からなかった。
⇒ミヤマシキミ(ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木)のように思います。


この花も名前が分からなかった。ハンゴンソウ(キク科キオン属の多年草)かもしれないが、自信がない。

その後は同じような花ばかりで、あまり撮影しなかった。

一つトピックスを提供したい。
白山の登山道では連日のようにツキノワグマが目撃されている。今回は歩く人が少ない釈迦新道を歩くので、クマ除けの鈴を用意していた。しかしこの朝はまだ鈴を鳴らしていなかった。
別当出合が近づいてきた辺りで、山側でガサガサ音がした。恐らくサルかカモシカだろうと気にしなかったが、その後ボキッと木の枝が折れる音がした。
音を立てて木の枝を折るのはツキノワグマだろうと思った。目視はしていない。
40~50mほどは離れているので、襲われる心配はなさそうだったので、そのまま急ぎ足で通り去った。

7時47分、一般車両を遮断するゲートに着いた。





シソ科の植物。画像検索ではイヌコウジュ、トウバナ、イヌトウバナが示唆された。また図鑑の写真のミヤマトウバナに似ているように思えた。


まだ果実が熟していないヤマウド。


別当出合が近づいたところで薄紫色のノコンギクを観た。

7時54分、ようやく別当出合に到着した。この後は登山道を歩くことができるので、ほっとした。
別当出合で5分休憩し、トイレを済ませた。




秋の白山ハイキング(御前峰・大汝峰・白山釈迦岳 周回)その②(別当出合~室堂)に続く。