認知症患者の症状を理解するとともに、介護者が自分を追い込まないようにして、介護する人にもされる人にも優しい認知症の介護をと勧める本。
第Ⅰ章、第2章は、認知症についての説明で、これは大体どこにでも書いてある話です。第3章で、認知症患者の心情・感情に想像力を働かせて、寄り添うように対応しましょうということが説明されています。いろいろなことができなくなりわからなくなり困惑しているのは周りよりまず本人なのだから、安心させよう、笑顔で優しく接しよう(言われたことは忘れても、怒られたり優しくされたことに応じた感情は残っている。その後の関係に影響する)ということが基本で、自分の家にいるのに帰りたいと言われたら、そうか帰りたいのなら一緒に帰ろうとつきあって、周囲を回ってここが家だねと戻って来るとか、お茶でも飲みませんかと話をそらせて家のことは忘れてもらうとか(84~85ページ)、学校の宿題は済んだかと聞かれたら、今日は宿題は出てないとか話を合わせる(111~113ページ)、認知症患者は視野が狭くなっているから正面からゆっくり近づき、目を合わせ笑顔で声をかけてスキンシップを図る(105~109ページ)などのアドバイスがなされています。このあたりが一番読みどころかなと思いました。
表紙下半分に大きく「親の介護をするなら、まず自分のことを大事にしなさい」と書かれています。また「はじめに」でも“自分が壊れてしまう”介護者が増えている、自分へのやさしさがよい介護につながるなどと述べていて、この点がこの本で言いたいことなのだろうと見えます。その点については、第4章で、デイケアやショートステイなどを利用して自分の時間を作りリフレッシュする、自分を責めない、うまくできなくて当たり前、ケア友やそれ以外の友人知人とつながり愚痴を言うなどの場を作ろうということが書かれているのですが、そう書かれていても、実行は難しいように思えますし、それだけで介護者が息抜き/リフレッシュできるのかという疑問は残ります。介護メモ(日記)作成の勧め(183~187ページ)は、弁護士的にはいいところかなとは思いますが。

板東邦秋 ワニブックスPLUS新書 2020年9月5日発行
第Ⅰ章、第2章は、認知症についての説明で、これは大体どこにでも書いてある話です。第3章で、認知症患者の心情・感情に想像力を働かせて、寄り添うように対応しましょうということが説明されています。いろいろなことができなくなりわからなくなり困惑しているのは周りよりまず本人なのだから、安心させよう、笑顔で優しく接しよう(言われたことは忘れても、怒られたり優しくされたことに応じた感情は残っている。その後の関係に影響する)ということが基本で、自分の家にいるのに帰りたいと言われたら、そうか帰りたいのなら一緒に帰ろうとつきあって、周囲を回ってここが家だねと戻って来るとか、お茶でも飲みませんかと話をそらせて家のことは忘れてもらうとか(84~85ページ)、学校の宿題は済んだかと聞かれたら、今日は宿題は出てないとか話を合わせる(111~113ページ)、認知症患者は視野が狭くなっているから正面からゆっくり近づき、目を合わせ笑顔で声をかけてスキンシップを図る(105~109ページ)などのアドバイスがなされています。このあたりが一番読みどころかなと思いました。
表紙下半分に大きく「親の介護をするなら、まず自分のことを大事にしなさい」と書かれています。また「はじめに」でも“自分が壊れてしまう”介護者が増えている、自分へのやさしさがよい介護につながるなどと述べていて、この点がこの本で言いたいことなのだろうと見えます。その点については、第4章で、デイケアやショートステイなどを利用して自分の時間を作りリフレッシュする、自分を責めない、うまくできなくて当たり前、ケア友やそれ以外の友人知人とつながり愚痴を言うなどの場を作ろうということが書かれているのですが、そう書かれていても、実行は難しいように思えますし、それだけで介護者が息抜き/リフレッシュできるのかという疑問は残ります。介護メモ(日記)作成の勧め(183~187ページ)は、弁護士的にはいいところかなとは思いますが。

板東邦秋 ワニブックスPLUS新書 2020年9月5日発行