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伊東良徳の超乱読読書日記

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世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020

2021-09-16 21:46:27 | エッセイ
 著者が、パリ、ニューヨーク、ワガドゥグー(ブルキナファソ)、リオデジャネイロ、リバプール、ハバナ、台北、北京、香港等を巡り歩きながら、映画や文化、政治を含むできごとについて、2011年5月から2020年までに「週刊金曜日」等に書いたエッセイに一部書き下ろしを加えたエッセイ集。
 昭和天皇の死について、「週刊金曜日」2013年5月10日号掲載のエッセイでは「天皇裕仁が死んだとき」(60ページ)なのに、この本用に書き下ろしたところでは、「天皇が崩御し」(13ページ)、「昭和天皇が崩御したとき」(45ページ)と書かれているのは、著者のスタンスの時代的な変化なのか、媒体・読者層による書き分けなのか。
 福島原発事故の頃に日本にいなかったことを理由に原発事故については語らないとしている(60~62ページ)のも、歴史的な事件のことは、当然自分自身で経験していなくても語っているわけですし、ちょっとねと思います。大勢に巻かれずに少数派的な視点でのコメントを続ける著者の考えを聞いてみたいと思うのですが。


四方田犬彦 集英社新書 2021年5月22日発行
「週刊金曜日」連載等
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