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伊東良徳の超乱読読書日記

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妖の掟

2021-09-13 20:55:28 | 小説
 400年前に血分を受けて吸血鬼となり、200年前に自らが血分をした欣治とともに、身分証や住民票なしで住めるところを移りさすらいながら、客の血を吸う機会を確保するために風俗嬢をしている紅鈴が、ひょんなことから暴力団組長に使われる便利屋の圭一を助けて圭一のアパートに2人して転がり込んで…という小説。
 人がたくさん死ぬという点でも、流血と吸血で血なまぐさい点でも、作者の好みを示しているのでしょうけれども、むき出しの残虐シーンには嫌悪感を持ちます。
 連載の予定なり長さとの関係なんでしょうけれども、当初想定されていた山場を超えたところでさらに別の展開があり、それはそれでいいんですけど、読んでいて冗長感がありながら、その(2度目というべき)クライマックスはむしろあっさりして物足りないように思えました。私の好むリズムとずれているというだけなんでしょうけれども。


誉田哲也 文藝春秋 2020年5月15日発行
「オール讀物」連載
コメント
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