紫蘇の効用

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家電のように解り合えない

2011年10月01日 | ストレートプレイ

夕刻、池袋のあうるすぽっとへ『家電のように解り合えない』を観にでかけました。
あうるすぽっとは小さい劇場の中でも、とても居心地のいいとこです。駅からちょっと遠いけど・・・。

出演:
 先生:森山開次 
 詩人さゆりこ:青柳いづみ
 もう一人のさゆりこ:安藤真理

今日は前楽。かぶりつきで開次くんのお姿を拝見できました

何にカテゴリーしたらよいのかこの舞台。
ダンスたっぷりの演劇でした。
一人暮らし(らしい)の女の子が「私の詩、聞いてください」とい言って、家電についての自分の感じてることをたんたんと述べる。
ときに家電製品の専門的な構造までも述べる。
そして「私には良くわかりません。」と。
シニカルな感じもするが、女の子は特に感情的にもならず、脱力系。
イメージとして美術系専門学校に行ってそうな感じの、キャピ路線と反対側にいる子です。

舞台には2人女の子がいるのですが、どうやらこれは一人で、自分の内面に語りかけてるのか、2面性があるということか、いかようにも解釈できるような設定です。
見た感じぜんぜん違う二人ですが、なんか達観してる雰囲気は一緒。

そして開次くんはしなやかに、激しく、長く、踊りまくる。
時に詩に呼応するような動きも見せながらも開次流の爬虫類みたいな人並みはずれたダンス。

そしてその女の子は開次くんからダンスを習い踊るのですが、ダンサーではないので開次くんの踊りとのギャップに笑いがおきます。
身体硬くて、ぎくしゃくしてて、へたでしょ?という演出なのかもだけど、踊りを見せるという意識がないだけで動きとしては(順番・向き、手足のあげさげ)間違ってない。
だのに、へたくそ的な笑いが客席からもれる・・・それは踊ってるんじゃなく動いているだけだからで、ある意味こんなに表現力が高い二人が「踊る」という気持ちを持って踊ったとしたらどんなダンスになるんだろう?すごいんじゃないの?
でもここでは「動き」だけでいい。そのほうが面白いから。
2人の女の子のうち一人は早々にあきらめて踊るのをやめてしまったが、もう一人はやっきになって踊り続ける。
冷めた表情で踊ってるけど、ハードだよね、この踊り。
それを何度もリピートして、でも踊りの感じはかわらず硬質で、順を追ってるだけみたいなの。
この具合をずっとキープしてるのも不思議。初日に比べたら上達しちゃってるのかな

開次くんがマイクに向かってお手紙を読むシーンがあるのですが、声ガイイ~
「さゆりこ」って語り始める。
そこで初めてこの女の子の名前を知りました。

この芝居からのメッセージとしては、向き合ってはじめて解り合えるか解り合えないかのスタート地点に立つので、解り合えない悲しさより向き合う機会がないことの虚無感を知る、みたいなことかな、と解釈したのですが。。。
というわけで、あうるすぽっとに足を運んだ人しかこの空気感を味わう事ができないので、行った人は解り合うチャンスに恵まれたってことで

でも、何が”家電のように”解り合えないのか?
そのしくみ?もっともっと向き合っても不可解なものってたくさんあるよねー。
”家電”ってタイトルに「家電漫才ジョンテレビショー」的なのかと想像してたが、ぜんぜん違った

さゆりこが言ってました。風水的に冷蔵庫と電子レンジはかさねちゃだめだって。
温めるものと冷やすものが重なってるのは良くないそうな。



あうるすぽっとプロデュース『家電のように解り合えない
2011年9月24日(土)~10月2日(日)
あうるすぽっと



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