新春公演まっただ中の国立劇場で今日のソワレは第十五回伝統歌舞伎保存会研修発表会です。
一幕目 曽我綉侠御所染 御所五郎蔵
御所五郎蔵:尾上 音蔵
星影土右衛門:尾上 音之助
傾城皐月:尾上 松男
傾城逢州:坂東 やゑ六
甲屋女房お蝶:中村 竹蝶
花形屋吾助:坂東 八重之
五郎蔵子分 梶原平蔵:尾上 音一朗
同 新貝荒蔵:尾上 音三郎
同 秩父重介:坂東 やゑ亮
同 二宮太郎次:尾上 音近
土右衛門門弟 蟹塚素兵太:山崎 咲十郎
同 穴生多九六:尾上 音二郎
同 鮫津五平次:市川 河童
同 荒波喜六太:尾上 松悟
番頭新造千代菊:尾上 みどり
甲屋若い者喜助:市川 左升
台屋佐郎八:市川 荒五郎
按摩ひょろ市:坂東 八重蔵
茶屋女房おわさ:尾上 梅之助
仲居おなか:尾上 菊三呂
二幕目 お楽しみ大喜利
尾上 菊五郎
中村 時蔵
市川 左團次
市村萬次郎
河原 崎権十郎
尾上 松緑
尾上 菊之助
市川 團蔵
坂東 亀三郎
坂東 亀寿
中村 梅枝
中村 萬太郎
尾上右近
尾上左近
―御所五郎蔵―
注目株、音羽屋の音蔵君が主役の五郎蔵!大抜擢ですー。
国立研修所を卒業し2年でこの大役は驚きですが、観てまたまたびっくり。
小柄ながらも立派に務めてて、んー大物。
すっごく力が入っていて、こちらもハラハラでしたが素晴らしい五郎蔵でした。
また傾城の二人が達者だし、可愛いし、脇を固める方々も本公演さながらの芝居っぷりで、嬉しい舞台でした。
―お楽しみ大喜利―
昨年同様、なぞかけ込みの自己紹介と歌舞伎にまつわる3択クイズ。
左團次さんだけ「うちの犬の名前はなんでしょう?」だったケド。。。
昨年の研修会は弁天小僧でその次の月に菊ちゃんと松緑さんで弁天&南郷で、こんどは4月のこんぴらで
菊ちゃんと松緑さんで五郎蔵&土右衛門と、意地をみせなきゃのめぐりあわせ。
楽しみ
第十三回伝統歌舞伎保存会研修発表会
平成27年1月24日(土)15:30~
国立劇場大劇場
今月の歌舞伎座は昼の部は仁左さま復帰公演で、夜の部は大河君の左近襲名公演と、メモリアルな月でございます。
今日は昼の部を母上さまと観劇。
一幕目 お国山三 春霞歌舞伎草紙
出雲阿国:中村 時蔵
若衆:坂東 亀寿
若衆:中村 歌昇
若衆:中村 萬太郎
若衆:中村 種之助
若衆:中村 隼人
女歌舞伎:尾上 右近
女歌舞伎:中村 米吉
女歌舞伎:大谷 廣松
名古屋山三:尾上 菊之助
二幕目 源平布引滝 実盛物語
斎藤実盛:尾上 菊五郎
小万:尾上 菊之助
葵御前:中村 梅枝
矢走仁惣太:市村 橘太郎
小よし:市川 右之助
九郎助:市村 家橘
瀬尾十郎:市川 左團次
三幕目 元禄忠臣蔵 大石最後の一日
大石内蔵助:松本 幸四郎
磯貝十郎左衛門:中村 錦之助
おみの:片岡 孝太郎
細川内記:中村 隼人
赤埴源蔵:市村 橘太郎
原田玄沢:片岡 松之助
吉田忠左衛門:松本 錦吾
堀部弥兵衛:大谷 桂三
早水藤左衛門:澤村 由次郎
堀内伝右衛門:坂東 彌十郎
久永内記:大谷 友右衛門
荒木十左衛門:片岡 我當
四幕目 お祭り
鳶頭松吉:片岡 仁左衛門
若い者:片岡 千之助
演目、配役、どれを取ってもあたくし的には見ごたえのある演目ばかり。
躊躇なく一等席を申し込みました。
―お国山三―
若衆達が「豪華~」と思わせてくれるほどに成長した姿を見せてます。
そん中で菊ちゃんは水色足袋も鮮烈な傾奇者、名古屋山三でも気品と重みを感じます。
亡霊なんでスッポンからの登場、そしてスッポンへの引っ込み。
ここんで自転して降りていくのですが、あまりにもスムーズな回転でまるで小さな廻り舞台にのってるようでした。
―実盛物語-
あぶらの乗ったサムライ、実盛を見事に演じていた菊パパ。当代随一っしょ。
拾ってきた片腕を死体にくっつけたら、あら不思議!息をふきかえしました。なーんてホラーな話も親子の情を感じさせる、さすが人気の芝居ですな。
左團次さんの瀬尾十郎の顔、まるで鍾馗様。絵に描いたようなキャラです。
最後に実盛がまたがるお馬さんも紫のフリンジ豪華で躍動感いっぱいでした。
―大石最後の一日―
信二郎さん時代にこの磯貝十郎左衛門で魅了されてしまったので、今回もガン見するじょー。
若干25歳というお役に違和感ない若侍ぶり。
ほんと切ない感じが似合うのよねー。
息子さんの隼人くんが若殿様役で、こりも爽やかで、悲劇なのににんまりと観てしまう・・・
―お祭り―
待ってましたぁ~
鯔背な鳶頭、仁左さまが復活~
すっかり大きくなった千之助君が一緒に大奮闘。おめでたい一幕に幕見席もいっぱいでしした。
今日の幕間弁当は川扇の鶴亀いなり
新開場後の歌舞伎座で初の俳優祭が開催されます
今日はその切符の前売り発売日。
電話予約オンリーなので固定電話と携帯電話をスタンバイさせて10:00にコール開始
なんと、1発で繋がりました
昼の部、夜の部、共に良席ゲトーーーォォ
発売時間ジャストに繋がったなんて、チケット取り人生初かも~
ワクワク (((o(*゜▽゜*)o)))
よみうりカルチャーの単発講座で「国立劇場・初春歌舞伎公演 観劇と尾上菊之助アフタートーク 」と題して今日のお昼の公演の観劇とそのあと、イヤホンガイドのおくだ健太郎さんと菊ちゃんのトークショーという特別イベント。
しかし、土曜のお昼はお稽古なので諦めていたら、アフタートークショーのとこだけ500円で入場できることになり、そんならレッスン後でも間に合うとチケット入手。
レッスン終えて若干の時間があったのでKaHちゃん、MaOちゃんと高田馬場のThe Cotton Clubでランチ
ボリューム満点のパスタにサラダが付いて、ドリンク飲み放題と、さすが学生街の喫茶店。
腹ごしらえも万全にて、半蔵門の国立劇場向かいました。
講座参加者はお席は花道から上手側の前から10列くらいまでだったので400人くらい(かな?)
いただいたチケットは3列目中央ブロックだったので近くで観ることができました
お芝居のほうが4時前に終わり、アフタートークは4時半すぎから始まりました。
まず、おくだ健太郎さんが登壇され、自己紹介や前説もなく、
「きっと皆さんも私も同じ思いでしょう。”菊之助さん、ハ・ヤ・ク・キ・テ”早速お呼びしましょう」
と、間を置かず菊ちゃん登場。
淡い色の着物と袴姿で、メイク落として顔を洗ったままなのか、ほっぺがピカピカ
おくださん、「今月色々なお役をやられてますねー。お姫様、中居、武家の奥方からほっかむりの大工で元は侍・・・そして家へ帰ればすてきなしてご主人でパパになる・・・」
とプライベートなお話しの誘導もうまいこと持っていってくれます。
そこで、結婚して大きく変わりましたか?と聞かれ、結婚生活より歌舞伎座の新開場で心構えに変化があったと、菊ちゃん。
劇場は役者たち培った風合いがにじみ出るものだから、前の歌舞伎座も先輩方の努力で小屋の空気も作りあげられたから、自分もこれから後世のために責任を感じると・・・。
大御所が続いて他界された歌舞伎界で自分のポジションも重く受け止めてるようです。
そして国立劇場のお正月では恒例となった復活狂言の上演について、産みの苦しみ秘話公開。
春くらいに方向性を決めて、夏くらいに第一校ができてきて、そこから年末まで序々に膨らませていくそうです。
ギャグ挿入も、その年のハヤリを年末まで検討して選ぶそう。
頻繁に上演される芝居は練られてるけど、新作やずっと上演されていなかったものは試行錯誤の連続で
「まだまだお目まだるいとこもいっぱいあると思います」と苦悩顔。
今回の芝居も、外国(高麗)のシーンは原作にも書いてあったけど、どう描くか、武士で大工というイミフな設定もあり、原作は長いけどそれを整理し、筋を通して面白くするというのがタイヘーンとのこと。
今回、外人、武家の女房、遊女、大工、と 男女さまざまな役をこなしてる菊ちゃんですが、ここでおくださんが
「女形の菊之助さんと立役の菊之助さん、どっちがいいですか?」
答えは拍手で、と問われたところどっちも~
菊ちゃんは女形、立役どっちも好きでどっちも面白くやっていると、兼ねる役者宣言。
なんと、夢は歌舞伎の役、全役やりたい、と。
えー、でも、意休とかはムリだろ
そこでお三月の京都でのお役の話。
初役の源氏店の与三郎、以前海老蔵襲名の時に海老与三でお富をやってるから、手順はわかりながらも、わかってるというのが一番怖い、段取りめいてしまうからと引き締まったお言葉。
確かにー。段取り上手な芝居よりワクワクするお芝居を観たいわん。
来月は何度もやっている弁天小僧。
おうちの芸だけど、”弁天小僧菊之助”だけど、重いんですよー。
江戸、明治に書かれた作品で何度も上演されているものは深いなー。
汲めども尽きない魅力があるなー。
としみじみ語る菊ちゃん。
弁天といえば先週やった歌舞伎研修発表会で指導する側だったけど、観てて
「歌舞伎って面白いなーって思っちゃった」と微笑ましい感想も。
おくださん、仕切り換えをして、結婚して変わったとこはなんでしょ?との問いに
「家に帰るようになった」
ん?前は夜遊びしてたのか?
で、育児は妻に任せっきりで僕はオムツかえたりミルクあげたるするくらいです。と。
おちょこっとは育メンしとるのかー(o^m^o)
今後は子供を持った親の気持ちの役作りが違ってくるんじゃないですか?
政岡とか、こないだやった四谷怪談だって母の役でしょ?と聞かれたら
菊「伊右衛門の気持ちは良くわかります。」
客席「シーン」
菊「あ、シーンとなっちゃった・・・嘘です」
いやいや、誰もDV自分勝手殺人鬼に同感する菊ちゃんだと思ってないですから~
その流れで役作りのやり方について、菊ちゃんは「役の累計にはめて、バックグラウンドや佇まい、など考えてイメージするとこから始める」という手法とのこと。
未知の役を作り上げるのはたいへんだけど、今月は歌舞伎座でも新作、浅草でも復活とかをやっていて、もっと出てないものをやっていきたい、と抱負を語ってましたが、さっそく来月の昼の『心謎解色糸』もずっと出てないものなのでほぼ新作みたいなものだそうで、おなじみ「お祭り佐七」とは違うらしい・・・(今知った)
最後の質問、「どんな役者になるたい?」に、
「芝居を観にきたかたが時間を忘れるような、まるで旅行に出たみたいな気持ちになってもらえるような芝居ができる役者になりたい」
なんと、ポエマーな回答でトークショーは終わりました。
菊ちゃんを始め、世代がどんどん若手というポジションから主要メンバーになっていく昨今、重責を感じで前向きに頑張ってるなー、というのがわかるトークでした。
よみうりカルチャー観劇講座
「初春歌舞伎公演 観劇と尾上菊之助アフタートーク 」
平成26年1月25日(土)
国立劇場
伝統歌舞伎保存会の主催で若手による研修発表会の上演が回を重ねてますが、今回第十三回の発表会として音羽屋、萬屋のお弟子さんを中心に『廓三番叟』と『弁天娘女男白浪』の二演目、そして今回は菊ちゃんも登場の大喜利があるという楽しみな会です。
自由席なので開場のチョイ前に行ったら、既に劇場ロビーにトグロ巻いての長蛇の列。
切符もぎってもらって2階へ上がったら1列目センターが一席ポッカリ空いてたので良いお席で観劇できました。
一幕目 廓三番叟
傾城千歳太夫:中村 竹蝶
新造梅里:尾上 松男
幇間藤中:尾上 松悟
幇間彦平:坂東 やゑ亮
二幕目 弁天娘女男白浪
浜松屋見世先の場
早瀬主水娘お浪実は弁天小僧菊之助:尾上 音一朗
若党四十八実は南郷力丸:山崎 咲十郎
狼の悪次郎:坂東 八重之
浜松屋幸兵衛:尾上 音二郎
浜松屋伜宗之助:尾上 音三郎
番頭与九郎:尾上 音之助
手代:澤村 光紀
手代:澤村 由蔵
手代:坂東 やゑ六
手代:市川 河童
鳶頭清次:尾上 音蔵
玉島逸当実は日本駄右衛門:市川 茂之助
稲瀬川勢揃いの場
弁天小僧菊之助:尾上 音一朗
南郷力丸:山崎 咲十郎
赤星十三郎:尾上 みどり
忠信利平:坂東 八重之
日本駄右衛門:市川 茂之助
捕手:尾上 音蔵
捕手:尾上 松悟
捕手:市川 河童
三幕目 お楽しみ大喜利
尾上 菊五郎
中村 時蔵
尾上 松緑
尾上 菊之助
河原 崎権十郎
市村 萬次郎
市川 團蔵
坂東 彦三郎
坂東 亀三郎
坂東 亀寿
中村 梅枝
尾上 松也
尾上 右近
―廓三番叟―
五穀豊穣を寿ぐ能の舞、三番叟の傾城が翁に、新造が千歳に見立てて躍るというちょっとクダけた楽しい舞踊の一幕。
とはいえ、傾城の重い衣装や廓の雰囲気、そしていわゆる太鼓持ちの幇間の洒脱さも出さないと、と随分難しい課題です。
竹蝶さんも松男さんも小顔で小柄ですが、品のあるきれいな踊りをされてました。
お座敷の合間にお酒飲んで酔っ払っちゃった花魁を呼びに来る幇間二人、松悟さん、やゑ亮さんも踊りがうまいですー。
お正月の幸先よい舞は歌舞伎界の幸先も良いのでは~?
―弁天娘女男白浪―
誰かー、『たいへんよくできました』ってハンコ持ってませんかー?
ほんとに上々々出来でびっくりです。
最初のうちは登場の度、セリフの度に拍手がおこるほど、客席は見守ってる感いっぱいだったけど、だんだん芝居を楽しめて、セリフに聞き惚れるようになっていきました。
音一朗くん、大役弁天小僧演じきりました!
声もいいし、菊パパのセリフ廻しを感じるとこも随所にあって、カッコイイ弁天小僧です。
特に男とバレたあとの顔がキレイで、手足も長いからもろ肌脱いでも決まる!
大ゼリフの「浜の真砂~」のキセル回し、凄い高速。
イマドキの子はシャーペン回しとかで慣れてるからなのかねー。
南郷咲十郎さん、最初のうちは声も脚も線が細い感じがしたけど、後半だんだんに兄貴な感じが出てきて、稲瀬川の時は凄みも充分、イキな南郷力丸になりました。
浜松屋主人音二郎さん、おじいちゃん声出してるwww
番頭の音之助さん共々キャラ作り出来てて、妙に感心してしまった
一番難しい重厚な役どころ日本駄右衛門の茂之助さん、少しセリフを急いだトコもあったけど、全体を締めているのはこの人な感じでした。
逸材発見!鳶頭を務めた音蔵さん。
江戸弁のタンカがすっきり決まって、声もいい。
嵐の櫻井くん似のちょっとベビーフェイスだけど、顔もイイ
終演後、みんな音蔵さん注目の声・声。
養成所を経て昨年の4月から歌舞伎俳優になったそうだけど、すでにあんなうまいとわっ!
楽しみ
―お楽しみ大喜利―
笑点みたいになぞかけでもやるのかな?と思っていたのですが、幕があき、菊パパが来場のお礼とともに「大喜利ではみなさんも参加していただいて楽しくやりましょう~」とのこと。。。
そして上手から松緑さん、松也くん、亀寿くん、権十郎さん、團蔵さん、彦三郎さん
下手から時蔵さん、萬次郎さん、亀三郎くん、梅枝くん、右近くん、菊ちゃんが登場して、それぞれの挨拶。
「昼の公演よりお客様が多い・・・来月、僕と菊之助くんで同じく弁天をやるのでそちらもよろしく」と松緑さん。
マイクを受け取り挨拶しようとしたとき、菊パパに「AKB!」とチャチャを入れられてしまった松也くん。
「今年は午年ですが、3度目の年男です」と告白する亀寿くん。
「先に言われちゃったけど、5度目の年男です。結婚も子供もあきらめてません」と権十郎さん。
「その権十郎さんに3年前に真っ赤タオルいただいたので来月お誕生日の権十郎さんにはコレ」と真っ赤なパンツをあげた團蔵さん。
「銀髪の貴公子、中村時蔵です」といって、なぞかけだしてノリノリの時蔵さん。
「銀髪のムスコ、梅枝です。今年は結婚するので馬のように跳ねる・・・ではなく落ち着いていこうと」と宣言した梅枝くん。
「結婚し子供も授かり幸せ・・・と思ったら大間違い。(上手を指して)こちらからは音羽屋の重圧、「(下手を指して)こちらからは播磨屋の重圧、前からはゴッドマザー、ゴッドシスター、ゴッドワイフの重圧でたぁいへん、桃色吐息の尾上菊之助デス」
こんな感じで始まって場内爆笑です。
続いて役者さんからの三択問題に客席挙手で答えるクイズ。
正解者にはこの大喜利出演者全員のサイン色紙のプレゼント。
ですが問題が簡単でほぼ全員手を挙げてる。
菊パパが「私の屋号は次の3つのうちどれでしょう?1.浪花屋、2.音羽屋、3.木村屋」とか
萬次郎さんが前に進むと下座から競馬のファンファーレの演奏が流れ、「歌舞伎の舞台で登場する馬は1.電気じかけで動いてる、2.人が入って動いてる、3.本物の馬である」
と、このような感じ。
でも梅枝くんからの出題は「弁天小僧の着物の柄には楽器が描かれたますが1.三味線、2.琵琶、3.胡弓のどれでしょう?」や時蔵さんからの「来月私が演じる切られお富の戯作者は1.近松門左衛門、2.鶴屋南北、2.河竹黙阿弥のどれでしょう?」なんて通好みの出題もありましたが、さすが知ってる人も多かったようで、不正解はいらっしゃいませんでした。
クイズが終わっても色紙が8枚ほど残ってるというのでそのあとはジャンケン大会。
すっかり楽しいイベント状態で研修発表会が終わりました。
なんと、NaEさん、クイズ当てて色紙をゲット
写真撮らせてもらっちゃった
これは貴重
第十三回伝統歌舞伎保存会研修発表会
平成26年年1月18日(土)18:00~
国立劇場大劇場
新春の浅草です。
青空に雷門の赤い提灯が映えてキレイ
お正月らしく道で獅子舞見かけましたー。
本日、人気俳優が揃った新春浅草歌舞伎を観に参りました。
お年玉〈年始ご挨拶〉
中村歌昇
一幕目 源平布引滝 義賢最期
木曽先生義賢:片岡 愛之助
九郎助娘小万:中村 壱太郎
待宵姫:中村 梅丸
百姓九郎助:嵐 橘三郎
葵御前:上村 吉弥
下部折平実は多田蔵人:中村 亀鶴
二幕目 上州土産百両首
正太郎:市川 猿之助
牙次郎:坂東 巳之助
勘次女房おせき:上村 吉弥
宇兵衛娘おそで:中村 梅丸
亭主宇兵衛:市川 寿猿
みぐるみ三次:中村 亀鶴
金的の与一:市川 男女蔵
―お年玉ー
幕開きに交代で新年のご挨拶をのべるお年玉。
今日は歌昇くん。
「自分は歌舞伎界きってのつまらない男なので、今日のお客様はハズレ」なんて言ってたけど、イイ男っぷりだから許す。
確かに内容は無かったケド。。。
歌昇くん歌舞伎座と浅草歌舞伎夜の部の掛け持ちなので、このあとすぐ歌舞伎座へ向かうので昼の部で歌昇くんを見られるのはこれだけでした。
―義賢最期―
ヤングな顔ぶれの中ではやはり愛之助さんはなかなかの重みを感じます。
吉弥さんの葵御前も品格が上がっていて、カワイイ小万、待宵姫を引っ張ってる感じ。
梅丸くん、いいお役をいただいてて大活躍。
端正なお顔立ちゆえ、もぅっカワイイお姫様っっ
そして歌舞伎味たっぷりな亀鶴さんも大好き奴さんを演られてて小気味よいっ
そして襖バーン、階段バーンはやはり心躍ります。
芝居の序盤から丁寧に義賢を勤めてるようにお見受けするので大丈夫だと思いますが、やはり千秋楽まで怪我のないよう、事故のないようにと祈ります。
―上州土産百両首―
初見なんですが、亀治郎の会でやってる演目とのことなので期待大でしたが、想像以上にジーンときちゃいました。
幼なじみのしっかり者の正太郎とドジでおバカな牙次郎がお互いごまのはい(スリ)稼業から足を洗って、まっとな仕事をして10年後、誓いをたてた浅草待乳山聖天で再開しようと別れ、それぞれの道をゆく。
二人共、自分なりに努力したものの、10年後の再開は皮肉な展開に・・・。
ストーリー的に救われないものの、人情や友情を分厚く描いていて、イイハナシダナー
舌がまわらず「ありゃ~」っってのを「あじゃ~」ってなっちまう牙次郎。
だから「あじゃがじ」と呼ばれいじめられっ子なみっくん、ちょっとオツムの弱い喋り方で演じてるんだけど、正太郎とともに待乳山聖天へ向かう道中を客席の間を通っていくんですが、途中で口上に。
すると、坂東巳之助にガラリと変わってかっこよくキメてました。
いやいやカワイイのぉ。
亀鶴さんの三次ってお役がワルなんだけど、この人の江戸弁といい悪ぶりといい、すごいうまい!
若手でこんなにワルがうまい人いるかなー。
世話者に欠かせない人になる予感。
いいバランスの演目で、心にのこる歌舞伎でした。
浅草寺にお参りしてケムケム浴びて浅草をあとにしました。
青空スカーーッ!
新春浅草歌舞伎
平成26年1月2日(木)~1月26日(日)
浅草公会堂
今年も初芝居は国立劇場です。
初日は開演1時間前に役者さんによる鏡開きと振る舞い酒があるので10:30に入場して右側階段の上から拝みます。
登場したのは菊ちゃん、菊パパ、松緑さん、時蔵さん、国立の理事長の茂木さん。
茂木さんは賢三さんというお名前を改め七左衛門さんと名乗られてました。
襲名されたそうです。
なんの芸の襲名かしら?と調べたら、キッコーマンのお家元さんだったようです。
大向うもかかってました
菊パパが「今月の芝居はあっと驚く仕掛けがありますのでお楽しみに」
松緑さんは「菊之助君とは今まで兄弟、恋人、敵などを演じてきましたが今回は菊之助君の父と叔父役で・・・最近フケ役が多いんです」ってなことでチャレンジする意気込みを語って、
時蔵さんは毎年菊五郎劇団で年を開ける喜びを、そして菊ちゃんは「昨年公私共に色々ありましてー」と、ここでみんな拍手~みたいな温かい空気の中の鏡開きとなりました。
めでたく樽酒をパコ~ン
このあと、役者さん方は支度のためひっこまれましたが、枡での振る舞い酒を頂きました。
玉繭や凧など飾られてて賑やかな初芝居風景。
今年も役者羽子板が並んでました。
通し狂言 三千両初春駒曳
小田三七郎信孝:尾上 菊五郎
柴田勝重/材木仲買田郎助:尾上 松緑
土屋庄助女房小谷/真柴久吉:中村 時蔵
照菊皇女/大工与四郎:尾上 菊之助
小早川采女:尾上 松也
宅間小平太/石田三郎右衛門:坂東 亀三郎
真柴の奴木田平/増田長兵衛:坂東 亀寿
藤右衛門娘お豊:中村 梅枝
張膾妹玉泉女/前田玄太左衛門:尾上 右近
小田三法師丸:藤間 大河
長束正太夫:市村 竹松
館張噌/浅野長左衛門:河原崎 権十郎
宿老の女房おしげ:市村 萬次郎
小早川帯刀:市川 團蔵
塩谷藤右衛門:坂東 彦三郎
大徳寺住職徳善院:澤村 田之肋
開演前より舞台上には白駒の絵がドドーン。
でっかい絵馬のようです。
開演するとこの白い馬が天へと舞い上がって行きました。
その様子が神々しくて、すっかりおめでた気分上昇しました。
序幕は高麗国浜辺の場。異国のシーンです。
最近めっきりイイ男役が板についてきた松也くんと、最近もっぱら悪役をやることが多くなった感の亀三郎二人での幕開き。
滑舌、声良しの両人ですので気持ちのいいセリフ廻しでスキっとします。
高麗の国に流れ着いた日本の漁師ふたりの前に現地のオンナ、異国衣装をまとった菊ちゃんが松也くんに一目惚れ&即アタックという、肉食女子カワイイ
しかし、二人は離れ離れになるのでしたー。
そして次の場では松也くんと、亀三郎くん、武士で登場。漁師実ハ侍って強引な展開。
と、まあ、お約束のすれ違い、身分違い、カン違い、平民と見せかけて高貴な身分とか、お家の重宝取った取られた、味方が敵か、敵が見方か、相関図を頭に入れておかないとわかりづらいお話ですが、午年にちなんで馬が登場したり、敵方をやっつけるため大石を仕込んだ釣天井のすペクタクルなど見所が造られているのでお正月の振る舞い酒をいただいての観劇にはいい塩梅です。
姫の菊ちゃん可愛いし、鯔背でぇくの与四郎はかっこいいし
正月福笑いコーナーは「住吉大和橋馬切りの場」。
三千両を乗せた馬を盗人軍団とダメ息子小田信孝が奪い合いの場面。
でんじろう先生の空気砲やブレイクダンス、人の乗った籠を真っ二つに切ると胴の上下がわかれわかれに~ってなマジック、「じぇじぇじぇ」に「倍返し」も言っといて、と、劇団賀正バージョンになってました。
貫禄たっぷりに馬の手綱を引く菊パパに盗人浪人どもが「このヤセ侍が」との罵倒に客席からもれる笑いwww
んー、だよね。
大詰、紫野大徳寺の場では猿とか言われてるのに美しすぎる時蔵さんの真柴久吉が敵・小田信孝を前にして首を打てる好機であるのに「また今度~」という絵面的にめでたく勢ぞろいで、お芝居おしまい。
田之助さんもお元気そうに並んでらしてて、それも嬉しい。
さ、お正月のお楽しみ撒き手拭い。
ゲトーーーッ! 権十郎さんから戴きました
いつもは遠くに投げ易いよう結んであるのですが、今回は芝居にちなんで千両箱のパッケージにしてあるので、割とお席が前の人が受け取る確率が高いようでした。
手拭いも小判色
帰りは平川天満宮にお参りして初春の福を重ねてきました
通し狂言 三千両初春駒曳
2014年1月3日(金)~2014年1月27日(月)
国立劇場
クリスマスイブ恒例の歌舞伎でございます。
通し狂言 仮名手本忠臣蔵の昼の部を母上さまと観劇。
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目 足利館門前進物の場
同 松の間刃傷の場
塩冶判官:尾上 菊之助
桃井若狭之助:市川 染五郎
足利直義:坂東 巳之助
顔世御前:中村 七之助
高師直:市川 海老蔵
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
同 表門城明渡しの場
大星由良之助:松本 幸四郎
塩冶判官:尾上 菊之助
顔世御前:中村 七之助
赤垣源蔵:坂東 亀三郎
竹森喜多八:尾上 松也
矢間重太郎:市村 竹松
富森助右衛門:大谷 廣太郎
奥田定右衛門:澤村 宗之助
大星力弥:尾上 右近
斧九太夫:松本 錦吾
薬師寺次郎左衛門:片岡 亀蔵
原郷右衛門:大谷 友右衛門
石堂右馬之丞:市川 染五郎
浄瑠璃 道行旅路の花聟
腰元おかる:坂東 玉三郎
鷺坂伴内:河原崎 権十郎
早野勘平:市川 海老蔵
11月の同演目重鎮バージョンと打って変わって、若手が中心に配役された今月。
幸四郎さんや玉様というがっつり締めてくれる大御所俳優はいるものの、師直役だった三津五郎さんの病気休演により海老様が配役されて、より若い忠臣蔵。
昨年、演舞場で花形歌舞伎とうたって、この世代での忠臣蔵を観たときも「世代の波」に感慨深かったけど、歌舞伎座で、オンシーズンで、忠臣蔵の大役をやるとは。
そしてチケットもチョっぱやで売れたそうだし。
ん~、時代は流れてるのぉ。
―鶴ヶ岡社頭兜改めの場―
儀式的幕開きから役者一人一人に魂が入り物語の始まり。
若いうちって、やはり顔が細いのかな?
役と実年齢は近いけど、なんだか顔の細さで重みの足りなさを感じる。。。
菊ちゃんはちょっとふっくらしてるケド
でもそのふっくらした感じに卵色の素襖が美しい。
お席は2列目センターだったので、舞台上のマテリアルもはっきり確認できちゃう。
兜改めでは新田義貞の兜以外は質素な造りに見える(見せてる)のですが、渋いながら、以外に立派じゃんと思いました。
そんな小さな発見を楽しめるのも2ヶ月忠臣蔵が続いたからこそ、かも。
さて、いろんな意見が聞こえた海老様の師直。
この若さと初役というハンデがあるにしろ、荒事成田屋の大きいトコ見せてほしいなー。
いろんな評があるのもなるほど、と思える個性的な出来。
顔はこしらえたというよりメイクって感じはするけど、うまく老け顔作ってる(デビルっぽいんだけど)
好色ジジィはABIKAIでもやってるんで想像範囲だったけど、やはり注目させるとは、持ってる人だと思います。
しかし、見得で舌をべーと出すのは他の師直、あったっけ?
なんか松葉目モノの妖怪みたい・・・
染ちゃんの若狭之助は血気盛んというよりジワジワ怒りを染み出すタイプ。
この中では年が上だからかな、若さゆえ~の勢いのプッツンじゃなくて、ジワ~っとしてたなー。
―足利館門前進物の場―
功一さんの脚の長さが気になる一場でした。
―松の間刃傷の場―
くるくる巻きになった畳をぱぁ~も大成功で、いよいよあの松の廊下でございます。
師直、腹立ちをイヤミに変えてるという感じじゃなくて、イジメっ子が楽しんでるみたい。
菊ちゃん判官は以前より「ぐぬぬ」感が増してて、沸騰しそうな雰囲気で刃傷に及んでいたように見えました。
師直を切りつけたあと大勢に押さえられたとこの形も良いわー。
ここで、休憩。
新開場後の歌舞伎座でまだ食堂を利用したことなかったので、今回の幕間は3階の花籠を予約しました。
おかずがたくさん花車膳
お吸い物の湯葉に鳳凰
―扇ヶ谷塩冶判官切腹の場―
幸四郎さん苦手の母上さまは「また何言ってるかわかんないんじゃなーい?」と心配してたけど、大丈夫だった。というか、やはり若手の中での由良之助はでっけぇ。
染ちゃんはこの場では切腹を申し渡す勅使役。
んー、若狭之助との二役だと、「あなたが事件の発端なのに・・・」と突っ込みたくなる。
それを言っちゃあ先月だって左團次さんがこの勅使役で、師直のあとだったけど、すごいキャラ変えてたからなー。
もう一人の勅使、亀蔵さんの土足で踏みにじる感がうまい。
この場で由良之助に詰め寄る家来が富森助右衛門、奥田定右衛門の他は先月の役名とは別の侍で、赤垣源蔵、竹森喜多八、矢間重太郎となってます。
ちなみに先月は矢間重太郎、岡野新右衛門、織部安兵衛、木村岡右衛門、小汐田又之丞、大鷲文吾(←タカがワシに)と、先月のほうが有名人をもじった人々。
ここも若手故の配分なのかな?
亀三郎くんが、列座の先頭に前進してました。
―表門城明渡しの場―
城明け渡しを阻止する家来と、由良之助の意を汲んで若党を抑える家来の押し問答が花道で繰り広げられるシーン、大勢の声、響くなー。しみるなー。
そして由良之助が判官の切腹した刀の血を舐め復讐を心に刻むとこ、團十郎バージョンは刀の血を舐めたあと、何かが憑依した感じがして印象強かったのですが、幸四郎バージョンはここから冷静に作戦を練るぞー、みたいに感じました。
そしてお城から遠ざかるのは装置が奥に引っ込むほうのパターンでした。
―道行―
玉様がまた襟元にマイ照明(女優ライト)を仕込んでるのかと思うくらい美しい。
後ろのお席の方が
「本物の女の人みたいねー」
ふむふむ。同意。
しばらくして
「女の人のほうがだいぶ年上みたいねー」
ふむふむ。そだね。
ついつい漏れちゃってる感想は微笑ましい。
しかしなー、最近の歌舞伎座は芝居と関係ないお喋りをしてる人が多いような気がス。
今日も電車遅延の理由をずっと話してる人とかガムを買ってくるのを忘れたとか、地声で話してるから、みんなそっちを見てるしー。
好色ジジィ師直から色にふけった勘平になりかわった海老様。玉さまと並んでもひけを取らない輝きですが、もう少し太ったほうがもっと綺麗なんじゃないかな、と思います。
ジムで鍛えすぎじゃ?ジム行くより義太夫のお稽古に行く比率を増やしては・・・?
最後、花道より鷺坂伴内へ「ばかめぇ」と愚弄するところ、以前に菊ちゃんと道行で演ったとき、あまりにもアホっぽくてぶっ飛んだけど、まぁマシになった。
ん~、時代は流れてるのぉ。
年末を年末らしく歌舞伎おさめしました。
歌舞伎座新開場柿葺落十二月大歌舞伎
平成25年12月1日(日)~25日(水)
歌舞伎座
どようびのぉひっるさっがり~
だけど、だっけど~・・・日中どまんなかにレッスンを入れてまして。
足取り重くスタジオへ向かうと、あぁた、今日は生徒はあたくし一人ぽっちでした。
ほんとだったら、のんびり優雅なサタデーブランチなぞをぶっこいていたいのですが、なぜかフラメンコの代表作「ソレア」という曲に出会うことが今までなく、それを土曜日にクラス開講ということで10月からしかたなく習い始めてますが・・・ぼっちは初めて
なんともいえない緊張感の中、1時間のレッスンを終えまぴた。
ぐったり萎え萎えなあたくしにdodoセンセが昼ビールのお誘い
GINZA LIONで、ムール貝にYebisu Beer
ビールといえばドイツ!・・・とドイツのメルヘンな街へ思いをはせ、
ムール貝といえばベルギー!・・・とチョコへの思いをはせ、
結局、いつかみんなでスペイン行って衣装買ってタブラオめぐりしてグループレッスン受けようなんて話で日は暮れました。
夜に十八世中村勘三郎丈の一周忌にあたっての番組があってみてたら、「勘三郎アプリ」があるってんで、さっそくダウンロード。
ゲームでポイントを稼いで、そのポイントでかつての舞台写真や動画が見れるそうで、あんまやんないゲームをやることに・・・。
代表作のキャラクター、鼠小僧や夏祭や法界坊、身替座禅のキャラが走って、足型をジャンプして踏むとポイント稼げます。
「そんだけ?」感ありつつも走らせてます
三津五郎さんが病気で休演となり、菊ちゃん座頭となっての、今月25日までの全国巡業。
北海道から沖縄まで全30公演の初日は関東地方、東京都新宿区の日本青年館ホールです。
初日昼の部、2列目の上手寄りのお席でした。
一幕目 野崎村
百姓久作:坂東 彌十郎
丁稚久松:坂東 巳之助
油屋娘お染:尾上 右近
後家お常:坂東 秀調
娘お光:尾上 菊之助
二幕目 江島生島
生島新五郎:尾上菊之助
中江島/江島に似た海女:尾上 右近
旅商人:坂東 秀調
―野崎村―
田舎娘の恋、都会のお嬢様に敗れるの巻~
ですが、初役にもかかわらず、菊ちゃんのお光っちゃん
どことなく貫禄があるのです。
久松と夫婦になれるとウキウキなのもかゎいらしーし、自分が身を引き、お染久松を見送りらなが、おとっつあんにすがって泣くとこも、客席からすすり泣く音も聞こえる程、みんな感情移入して憐れんでいたけれど…
きっと、その後、出家して高尼僧になる予感んんん~
…みたいなお光なのでした。
この演目の見どころ、膾をつくるための大根を千六本するくだり。
料理番組に出る歌舞伎役者ですもの、包丁さばきに注目してしまう。
むむ、そんなに細かくない…
きっと巡業中に上達するでしょう。
ここで、亡き團十郎さんの俳優祭で演じたお光の包丁トントントンの見事さを思いだしました。。。
(あんとき團パパ、芝雀さんの久作にお灸してあげるとき、リアルにやけどしてたナー。)
仮道も付く両花になることもある野崎村ですが、今回は巡業ゆえ、劇場の仕様のままでの演出です。
日本青年館のホールは両サイドにひっこみ程度の花道がありますが、短いので上手の久松を乗せた籠かきの芝居、下手のお染を乗せた船も本舞台の上でみせて、チョンチョンではけていきました。
―江島生島―
約40分の舞踊劇。
上手にズラッと鳴り物さんが並び、ほのかなライトの中で江戸で人気を誇った花形役者と絵島との逢瀬の回想シーンは幻想的に。
そして大奥のお局様の江島との密通の罪で島に流罪となり心がポッキリ折れちゃった生島は「保名」のような感じです。
場面明るくなり「島なう」の生島はん。
壁に描かれた島のシンボルの椿と松が花札みたいな絵
旅人に「ボク、昔はイケてる役者だったんだよー」と昔語りをしたり、俊寛の地元娘、千鳥の拵えと同じのやはり島のあまちゃんに江島の面影をみて追っかけてみたり、と、にぎやかな舞踊ダナー。
実際、歌舞伎役者の生島の不義により所属してた山村座は廃座となり他の歌舞伎の小屋もいろんな規制がしかれ、当時の歌舞伎界にとっては忌まわしい事件だったはずだけど、300年を経て、こんな華やかな舞踊として歌舞伎俳優が演じるとは思わなかったでしょうね。
三津五郎さんの休演で彌十郎さんや菊ちゃんも代役を務めることになって大奮闘ですが、 巳之助くん、右近くんの健闘も光る秋の巡業です。
小平で特別舞踊公演として菊ちゃんが鏡獅子を踊ります。
なぜ、小平・・・?
それは、国立劇場のロビーにある六代目尾上菊五郎の鏡獅子の像の作者が、平櫛田中という小平市名誉市民で文化勲章受章者の彫刻家なのです。
小平の市制50周年記念に六代目のひ孫の菊ちゃんが縁の地で踊ることになったそうです。
豪雨にみまわれた今日、電車を乗り継ぎ小平に向かいました。
まず、第一部が対談で、『鏡獅子をめぐって~小平市と平櫛田中~』と題してアナウンサーの葛西聖司さんがナビゲートして小平市長の小林正則さん、平櫛田中彫刻美術館館長の平櫛弘子さん、そして出番前の菊ちゃんとで、舞台上のスクリーンに映し出されたスライド写真とともにお話。
葛西さん、さすがアナウンサー。
メモひとつ見ないで、進行と解説をされてました。
映し出された中で、彫像のモデルになる際に撮られた六代目の褌いっちょの写真は、先日NHKアーカイブスで放送された、若き日の勘三郎さんが六代目の写真と出会ったシーンのものでした。
写真から忠実に肉体を造形して、あの素晴らしい鏡獅子の像が創られた過程を知ることができました。
でも、この像は大きすぎて常設展示ができる場所がかったので、国立劇場ができるまで国立競技場の倉庫に収められていたそうです。
平櫛田中の作品がいくつかスライドで紹介されましたが、その造形力のすばらしさ、ぜひ、平櫛田中彫刻美術館でじっくり見たいです。
20分の休憩をはさみ、第二部は新歌舞伎十八番の内『春興鏡獅子』です。
小姓弥生のちに獅子の精:尾上 菊之助
胡蝶の精:尾上 右近
胡蝶の精:尾上 菊三呂
用人 関口十太夫:尾上 音二郎
局 吉野:尾上 菊史郎
老女 飛鳥井:尾上 梅之助
家老 渋井五左衛門:尾上 菊十郎
後見:尾上 菊市郎
同:尾上 音三郎
同:尾上 音一郎
前ジテ、江戸城本丸御殿で殿の前にひっぱりだされて、恥ずかしながらも踊る小姓弥生。
しかし、菊ちゃん、女形だと貫禄ある感じになるので、恥じらってる割に堂々としてる小姓さんだなぁって感じ。
梅之助さんの声が通って心地よいです。
弥生が憑依された獅子頭を手に短い花を入っていって、胡蝶の舞は右近くん、菊三呂さんの大人の胡蝶。
いき届いた所作で糸にものって、ここでも見ごたえのある場となりました。
菊三呂さんは巡業の四の切りでは法眼館のばあさんでしたが、今日は小さな女の子、胡蝶・・・幅ひろっ。
獅子に変じた後ジテは熱い菊ちゃんが観れました。
ひざからバンっと座するとこ、みごとな音
対談で、鏡獅子に対する大切に思う心構えを聴いてからのの~鑑賞だったのでその意気込みを強く感じました。
なんか、大向こうの「音羽屋」ちうのが正面から聞こえた気がしたけど、幕の奥でしこんでたのか、客席から舞台にぶつかってはねっかえってきたのか・・・?
本当に特別な、特別な、舞踊公演に感動しました
『特別舞踊公演 春興鏡獅子』
平成24年9月22日(土) ~9月23日(日)
ルネこだいら大ホール
歌舞伎巡業東コースの千穐楽は浅草公会堂の義経千本桜。
菊ちゃんと松緑さんが鳥居前の忠信と四の切りの忠信を交互に演じ、右近くんと 梅枝くんが静御前と義経を巡業の前半後半で、亀寿くんと萬太郎くんが亀井六郎と笹目の忠太を巡業の前半後半で演じ分けるという若手修行の場にもなってる興行です。
菊ちゃんはどっちも初役。
鳥居前の忠信は荒事自体が初めての挑戦で、三津五郎さんから教わったといふ。
四の切りの狐忠信は家の芸だし、どっちも見逃せない。
で、今日、いっきに両方昼夜を観ました。
11:00~の部
一幕目 義経千本桜 鳥居前
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 菊之助
静御前:尾上 右近
源義経:中村 梅枝
亀井六郎:中村 萬太郎
笹目の忠太:坂東 亀寿
駿河次郎:坂東 亀三郎
武蔵坊弁慶:河原崎 権十郎
二幕目 義経千本桜 道行初音旅
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 菊五郎
逸見藤太:市川 團蔵
静御前:中村 時蔵
三幕目 義経千本桜 川連法眼館(四の切り)
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 松緑
静御前:尾上 右近
源義経:中村 梅枝
亀井六郎:中村 萬太郎
駿河次郎:坂東 亀三郎
―鳥居前―
最初、出てきたときは菊パパ?と見まごうくらい面差しがそっくりです。
しかし、菊ちゃん、初役も初役、荒事初だもんねー。
がむしゃら感がかわいく出てました。
背負ってる大縄もなんか一年生のランドセル背負ってるみたいな初々しさ
セリフもすごい声はりあげてるみたいに力はいり具合がマックス
反面、指の動きなど繊細で、肉厚に見える手袋をしてても手の表現がこまやか。
襷の締め方も型を作ってました。
この若手軍団は、みんな声がよくて、気持ちのいい一幕になってました。
―道行―
若手花形公演な感じの座組の中、この二人はさすがのたっぷり感。
すっぽんが無いため、暗転ののち、ぱっと照明がついたら花道七三にたってる忠信・・・美しい
しかしちょっとお疲れか?扇子おとしてしまうシーンも・・・。
でも最後の笠フリスビーはバッチリ成功
この幕の花四天のツラネ、巡業だからご当地のことを入れてましたが、今日は浅草、「おとなりそらまちスカイツリー」というフレーズが入ってましたね。
―四の切り―
佐藤忠信で登場してきた松緑さん、いい顔になってきたなーって思います。(ごめんね、昔パグみたいとか言って)
狐になってからは甲高いきつね言葉がハスキーになってしまうけど、親思いの健気さがかわいい。
松緑襲名披露のときも、その健気さに胸をうたれたけど、初々しさが今でも感じられて情がわいちゃう忠信です。
しっかし、なんなんだ、腰元たち。
弱々しい棒読みセリフ、亡霊みたいみたいだった。
昼の部が終わって、夜の部だけ観る母上さまと仲見世通りにある銀座ブラジルで待ち合わせ。
浅草にあるのに「銀座」「ブラジル」ってなんなんだ?
入口階下のディスプレイが郷愁をさそうふ
ここはねー、オーダーをうけてから揚げてくれるフライがうまいのよー
元祖ロースカツサンド
元祖チキンフライバスケット
フライドチキンではなく、チキンフライ。チキンカツです。
昭和の香りだたようお店です。
16:00~の部
一幕目 義経千本桜 鳥居前
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 松緑
静御前:尾上 右近
源義経:中村 梅枝
亀井六郎:中村 萬太郎
笹目の忠太:坂東 亀寿
駿河次郎:坂東 亀三郎
武蔵坊弁慶:河原崎 権十郎
二幕目 義経千本桜 道行初音旅
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 菊五郎
逸見藤太:市川 團蔵
静御前:中村 時蔵
三幕目 義経千本桜 川連法眼館(四の切り)
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上 菊之助
静御前:尾上 右近
源義経:中村 梅枝
亀井六郎:中村 萬太郎
駿河次郎:坂東 亀三郎
―鳥居前―
さすが松緑さんは大っきさを感じさせてくれます。
また、亀寿くんも若手の中ではリーダー的な存在で一歩先ゆくできばえです。
―道行―
昼もおや?、と思ったんだけど、音之助さんが時蔵さんに渡す笠と杖を持ったままのトンボ切る前の顔ってか、眼がコワイ~。。。
―四の切り―
菊ちゃん、おめでとうおめでとうとしか言葉が浮かびません(感涙)
初役でここまで素晴らしくて
声といい、動きといい、佐藤忠信も狐忠信もどっちも凛々しくてかわいい
巡業おつかれさまでした
終演後は駒形どぜうへ向かいました。夏だもの。
下足札を受け取り1階お座敷の一番奥へ。
さー!ネギと山椒、たっぷりいっちゃうぞー
どぜうさん、ぐつぐつ。
どぜう1、ごぼう1、ねぎ3くらいの割合で。
おしんこ
江戸野菜サラダ
鶏つくね焼き温泉玉子付き
ご飯~~~
ご飯茶碗がいい感じだったので、1個購入
山椒のしびれ具合がいい感じでホロ酔い加減で帰りました。
松竹大歌舞伎 義経千本桜
平成24年6月30日(土)~7月31日(火)
巡業東コース(千穐楽 浅草公会堂)
銀座ランチ、どこにしよう?と、なったときに筆頭候補に挙がった和心とんかつあんず。
今日の観劇前のお食事で来ました。
箸休めの切干だいこん
おかわり自由のキャベツ
あたくしは・・・上州豚トロロース膳
やふぁらか~
母上さまは・・・一口ヒレカツと海老フライ
胃もたれしらずのサクサクカツ
そして澤瀉屋の襲名披露・夜の部を観劇です。
一幕目 将軍江戸を去る
徳川慶喜:市川 團十郎
山岡鉄太郎:市川 中車
間宮金八郎:市川 猿弥
吉崎角之助:市川 月乃助
天野八郎:市川 右近
高橋伊勢守:市川 海老蔵
二幕目 四代目市川 猿之助/九代目市川 中車 襲名披露、五代目市川 團子 初舞台 口上
市川 亀治郎改め市川 猿之助
市川 中車
市川 團子
市川 團十郎
市川 海老蔵
三幕目 猿翁十種の内 黒塚
老女岩手実は安達原鬼女:市川 猿之助
山伏大和坊:市川 門之助
山伏讃岐坊:市川 右近
強力太郎吾:市川 猿弥
阿闍梨祐慶:市川 團十郎
四幕目 楼門五三桐
真柴久吉:市川 猿翁
左枝利家:市川 段四郎
石川五右衛門:市川 海老蔵
亀治郎さんが猿之助、香川照之さんが中車、そして息子さんが團子にと3名の襲名で話題沸騰中だし、活気満ちた演舞場です。
お祝い幕は福山雅治氏からで、写真撮る人も多数
この絵柄は初代猿翁、三代目段四郎、八代目中車、そして亀治郎さんの押隅を重ね合わせたものだそうで、魂がこもってるような感じ。飛び出しそうです。
―将軍江戸を去る―
俳優香川照之が歌舞伎役者市川中車としての舞台。
でも真山青果作品なので古典歌舞伎の型やセリフまわしではないので、ナチュラルに舞台に溶け込んでますが、やはり歌舞伎役者の発声ってのは違うのかな?と思いました。
熱演の中車さんだけど、声をふり絞って出してる感じ。元々の歌舞伎俳優たちはさすが通る声です。
團パパの声がひときわ通っていて、元気な様子も嬉しい。
中車さん演じる山岡鉄太郎の「反対されてもいかねばならぬ」というようなセリフ、まるで、これから試練に立ち向かう彼そのもののようで気持ちがこもっている気がしました。
―口上―
成田屋親子と襲名の3人の少数精鋭口上です。
團パパが親代わりのようなポジションで襲名の紹介と〆の挨拶をされました。
海老さまは團子ちゃんが小さい頃からぼたんちゃんに踊りを習いに来ていたことや亀じーとイギリス公演のとき、ミュージカルのライオンキングに誘われて一緒に観たけど亀じーは30回以上観てるの新鮮な反応してた、などのエピソードを披露。
中車さんは言葉すくなながらも、力のこもった精進の誓い。
そして團子ちゃんは「おんねがいあ~げたてまつります~」がこぶしきかせて歌舞伎っぽく挨拶して会場が笑いに包まれました。
―黒塚―
土蜘蛛と茨木と船弁慶と紅葉狩りのシーンが切り取られてちりばめられたような作品です。
あ、夕鶴もちょっと入ってるかな?
山伏たちが安達ケ原の山中で機織りをする老婆のの住む家を見つけ、一夜の宿を借りたけど、その老婆は人食い鬼だったのだーっ。というお話です。
新・猿之助さん、すんばらしかったです。
鬼になってからのすごみと身体能力。
そして対抗して戦う山伏軍団も懸命さが伝わってきました。
襲名披露にふさわしい大曲でした。
―楼門五三桐―
石川五右衛門が山門の上で「絶景かな、絶景かな~」というだけの場。
しかし、新・猿翁さんが真柴久吉をつとめ、猿翁さんをささえる黒子を中車さんがやるという、ご祝儀的な一幕で、終演後カーテーンコールにこたえてくれます。
そこで黒子のベールをあげ、中車さんも顔を出し、山門上にいた海老五右衛門も降りてきて猿翁さんと握手され、この襲名披露ならではのシーンを観ることができました。
新橋演舞場で今月は花形による『仮名手本忠臣蔵』通しです。
高師直:尾上 松緑
桃井若狭之助:中村 獅童
顔世御前:尾上 松也
足利直義:坂東 亀寿
塩冶判官:尾上 菊之助
石堂右馬之丞:坂東 亀三郎
薬師寺次郎左衛門:中村 亀鶴
大星力弥:尾上 右近
原郷右衛門:坂東 薪車
斧九太夫:松本 錦吾
大星由良之助:市川 染五郎
腰元おかる:中村 福助
鷺坂伴内:市川 猿弥
早野勘平:市川 亀治郎
今回のこの花形歌舞伎、配役みたとき「なんてカワイイ忠臣蔵」と思いつつも、もうこの面々で忠臣蔵の主要人物を演じるのか~、世代の波が…と感慨深いです
今日は昼の部、大序から表門城明渡しの場まで。
―大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場―
この芝居が人形浄瑠璃として上演されたのが始めで、その後歌舞伎でも演じられるようになった所以で幕開きの前に人形による名代口上ではじまり。
役者と役名をすべて述べられてから幕が下手から上手方向にゆっくり、ゆっくりと開く。
居並ぶ役者たちもここでは人形浄瑠璃に敬意をはらい、目をつぶって人形の様でいるが、義太夫の語りにあわせて徐々に目をあき、魂が入っていくように人となり、芝居の始まり。
ゆっくりながれているけどこの儀式的な流れが日本の美意識なんだなーと感動します。
主役たち若いけど、後ろ、両サイドに居並ぶ諸氏らアンサンブルも若い。
菊ちゃん塩谷判官、亀寿くんの足利直義、獅童くんの桃井若狭之助等がさわやかで美しい
レモンイエローの装束の菊ちゃんがべっくらするほどきれいです。
松緑さんの老けイヤミじじぃメイクもうまく施されていて、充分みごたえある風情となってます。
松也くんの顔世も横恋慕されちゃうのが納得の美しさ
うわつくことなく、しっとりと演じていて、人妻な感じも良いよー
―三段目 足利館門前進物の場―
この場での鷺坂伴内は橘太郎さん。
若狭之助に払いのけられ転がるとこはさすが身軽ぅ~。
悲劇の前のコント場面・・・切なくも滑稽です。
―松の間刃傷の場―
日本人は耐え忍ぶ男に同情しちゃうのはなぜ?
ここではみーんな塩谷判官の心中を思い手をにぎり、歯をくいしばってしまうでしょう。
いぢめっこ高師直・松緑さん、想像以上の出来。
いやー、若いというハンデを吹っ飛ばして憎々しいジジィに仕上げてました。
―四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場―
菊ちゃんがべっくらするほどきれいでした。(またも)
切腹を伝える上使を迎え、センターの襖があいて登場したとこではただならぬオーラ出てたし、上に着てた着物を脱ぐと覚悟の白装束。これがとっても似合ってます。
白塗りの亀三郎くんの石堂右馬之丞、赤つらの亀鶴さんの薬師寺次郎左衛門の二人がフレッシュながらも、全体を引き締めた感があって良いです。
このシーンで感動するのが、見えてる家来は14~15人ですが、舞台に乗らずそでの奥にも居て、ちゃんとお辞儀してるという。
お客様から見えていなくても家臣を演じていることが舞台全体に緊迫感を与えてるということが、これも美意識ですねー。
メイン家臣のみっくんや萬太郎君が由良之助につめよるトコも熱演してて、頼もしい。
(オッキクナッタナー)
そして由良之助・染ちゃん、汗ダッラダラの大熱演。
この座組みの中での由良之助、これも頼もしい。
―表門城明渡しの場―
塩冶判官が腹を切った刀の血をなめる由良之助、主従は三世と言い伝えられてる結びつきを感じさせるこの所作(シーン)を作ったことがすごいなって思います。
―浄瑠璃 道行旅路の花聟―
お軽が最年長の福助さん、勘平が芸達者な亀治郎さん、ということもあり、別世界のことのように年増に見える・・・
この場の鷺坂伴内が猿弥さんで、この方もまた達者なので、落ち着いた感じで幕~。
四月花形歌舞伎 通し狂言 仮名手本忠臣蔵
平成24年4月1日(日)~25日(水)
新橋演舞場
平成中村座は今月は中村勘九郎襲名披露興行です。
昨年末以来の中村座見物です。
小屋のバックにはすっかり完成のスカイツリー。
入口ではnew勘九郎サマお出迎え
一幕目 傾城反魂香 土佐将監閑居の場
浮世又平後に土佐又平光起:片岡 仁左衛門
土佐将監光信:片岡 亀蔵
土佐修理之助:坂東 新悟
狩野雅楽之助:市川 猿弥
又平女房おとく:中村 勘三郎
二幕目 六代目中村勘九郎襲名披露 口上
中村 勘太郎改め中村 勘九郎
中村 勘三郎
片岡 仁左衛門
片岡 我當
片岡 進之介
市川 海老蔵
中村 扇雀
片岡 亀蔵
笹野 高史
中村 七之助
三幕目 曽我綉侠御所染 御所五郎蔵
御所五郎蔵:中村 勘太郎改め中村 勘九郎
星影土右衛門:市川 海老蔵
傾城逢州:中村 七之助
梶原平蔵:片岡 亀蔵
新貝荒蔵:市川 男女蔵
秩父重介:中村 国生
二宮太郎次:市川 猿弥
花形屋吾助:笹野 高史
傾城皐月:中村 扇雀
甲屋与五郎:片岡 我當
四幕目 元禄花見踊
元禄の衆:中村 児太郎
同 :中村 虎之介
同 :中村 鶴松
同 :中村 宜生
同 :中村 国生
鮮やかなお祝い幕で芝居小屋も華やいでます。
―吃又―
仁左さまというと超カッチョイーか、カワイイのどっちかになるんだけど、今回はカワイイ系。
ドモリでなかなか報われない絵師なのに愛嬌満点。
そしてその女房も勘三郎さんだからかわいい夫婦
この芝居のストーリー云々より、仁左さま勘三郎さんが夫婦(めおと)をやるというのが襲名披露のご祝儀的な気がします。
お師匠さんの身の回りの世話や又平夫婦の取り次ぎなどが今回は奥様ではなく、小間使いでした。
一座の人数によってこういう設定もあるのねん。
花道向こうの諍いの様子を見て来いとお師匠さまに言われ、花道七三でまなこを見開いて様子を見る実直な又平。
こんとき、舞台じゃなくてずーっと仁左さまを観てたんだけど、まばたきしない
結構な時間だけど、すごいなー。
なかなか認められない自分にジレンマを感じながらも常に女房への愛情あふれたまなざしで見るやさしい又平さん。
表情を追って観ているほうが楽しかった
―口上―
大舞台ではない間口で、幹部俳優が居並んでの口上ってのは江戸の空気を感じるような髷姿もしっくりとする雰囲気です。
江戸の芝居小屋もこんな感じだったんじゃないかなーって思わせるんです。
やはり、中村屋の温かくて情のある口上でした。
笹野さん、歌舞伎役者以外の俳優さんが口上に列座というのもめったに見れる光景じゃないですねー。
個性派俳優なのに出過ぎないで、立ち位置をわきまえながらも全力応援してる親しさがにじみ出てて感動しました。
勘三郎さんのやんちゃっぷりと新・勘九郎さんのまじめさというのを皆、口ぐちに語ってましたね。案の定。
進之介さん、どうだろ?とちょっと不安に思ってたら、意外と笑いを取っていた・・・
一同の中で不思議に目が行く海老さま。なぜかって?なんかメタリックなメイクなんだよねー。
紫のウルトラマンみたいだ。
―御所五郎蔵―
休憩時に上手側に仮花道が設置されました。
仮花のすぐ横だったから、真横で勘九郎五郎蔵のツラネ見たじょ。聞いたじょ。
今まで観た中でも最も若い五郎蔵。
血気さかんでハツラツゥ~
中村屋の紋の浴衣もシャキッと着こなして、風格もでてきましたね。
悲劇だけど、襲名披露、めでたくキマった~
―元禄花見踊―
中村屋一門のちびっこたちのご祝儀・・・と思ってたら、みんな大きくなってるのぉ。
元禄の着物や髪型って色っぽいよね。
本当に大人びて見える。
切の演目なので舞台奥の扉が開いて、川の向こうにはスカイツリー…
がっまだライトアップされてないので見えませんでした。
本日のお弁当~
ほかほかの釜飯。
ビーフヘレカツサンド、ヘレカツですよ、ヘレですよ。
帰り道、上野でさっくり飲んでかえりましょ。と立ち寄ったのがブラッスリーレカンのカフェコーナー
軽いおつまみとデュンケル
余韻にひたってほっこり飲んでると、ゆ~らゆらとかなりの揺れ。
地震だー。
飲みすぎず帰りました。
中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露
平成中村座 三月大歌舞伎
平成24年3月3日(土)~3月27日(火)
平成中村座