紫蘇の効用

観劇・ゴルフ・フラメンコ・わんこの事・・・ラリホーな毎日です♪

◆shiso家のわんこをご紹介◆

巡業・松竹大歌舞伎

2013年11月01日 | 歌舞伎

三津五郎さんが病気で休演となり、菊ちゃん座頭となっての、今月25日までの全国巡業。
北海道から沖縄まで全30公演の初日は関東地方、東京都新宿区の日本青年館ホールです。
初日昼の部、2列目の上手寄りのお席でした。

一幕目 野崎村
 百姓久作:坂東 彌十郎
 丁稚久松:坂東 巳之助
 油屋娘お染:尾上 右近
 後家お常:坂東 秀調
 娘お光:尾上 菊之助

二幕目 江島生島
 生島新五郎:尾上菊之助
 中江島/江島に似た海女:尾上 右近
 旅商人:坂東 秀調


―野崎村―
田舎娘の恋、都会のお嬢様に敗れるの巻~
ですが、初役にもかかわらず、菊ちゃんのお光っちゃん
どことなく貫禄があるのです。

久松と夫婦になれるとウキウキなのもかゎいらしーし、自分が身を引き、お染久松を見送りらなが、おとっつあんにすがって泣くとこも、客席からすすり泣く音も聞こえる程、みんな感情移入して憐れんでいたけれど…
きっと、その後、出家して高尼僧になる予感んんん~
…みたいなお光なのでした。

この演目の見どころ、膾をつくるための大根を千六本するくだり。
料理番組に出る歌舞伎役者ですもの、包丁さばきに注目してしまう。
むむ、そんなに細かくない…
きっと巡業中に上達するでしょう。
ここで、亡き團十郎さんの俳優祭で演じたお光の包丁トントントンの見事さを思いだしました。。。
(あんとき團パパ、芝雀さんの久作にお灸してあげるとき、リアルにやけどしてたナー。)

仮道も付く両花になることもある野崎村ですが、今回は巡業ゆえ、劇場の仕様のままでの演出です。
日本青年館のホールは両サイドにひっこみ程度の花道がありますが、短いので上手の久松を乗せた籠かきの芝居、下手のお染を乗せた船も本舞台の上でみせて、チョンチョンではけていきました。


―江島生島―
約40分の舞踊劇。
上手にズラッと鳴り物さんが並び、ほのかなライトの中で江戸で人気を誇った花形役者と絵島との逢瀬の回想シーンは幻想的に。
そして大奥のお局様の江島との密通の罪で島に流罪となり心がポッキリ折れちゃった生島は「保名」のような感じです。

場面明るくなり「島なう」の生島はん。
壁に描かれた島のシンボルの椿と松が花札みたいな絵
旅人に「ボク、昔はイケてる役者だったんだよー」と昔語りをしたり、俊寛の地元娘、千鳥の拵えと同じのやはり島のあまちゃんに江島の面影をみて追っかけてみたり、と、にぎやかな舞踊ダナー。

実際、歌舞伎役者の生島の不義により所属してた山村座は廃座となり他の歌舞伎の小屋もいろんな規制がしかれ、当時の歌舞伎界にとっては忌まわしい事件だったはずだけど、300年を経て、こんな華やかな舞踊として歌舞伎俳優が演じるとは思わなかったでしょうね。

三津五郎さんの休演で彌十郎さんや菊ちゃんも代役を務めることになって大奮闘ですが、 巳之助くん、右近くんの健闘も光る秋の巡業です。


松竹大歌舞伎
平成25年11月1日(金)~11月25日(月)
日本青年館ほか