泉山の草木花

ひそやかに咲く花々や、やさしさに溢れた植物を皆さんに紹介したいと思います。

やぶつばきの実

2010-08-02 | 樹木
  やぶつばきの実   ツバキ科
山口県萩市に行った折、まるでりんごのようなツバキの実を見かけました。
確かに、リンゴツバキなる品種があるそうですが、
泉山のヤブツバキの実もけっこう立派ですね。

夏の時期、はちきれんばかりの真ん丸い姿の果実は、
なんだか豊かな気持ちにさせてくれます。

ちなみに萩市の笠山には、ヤブツバキの純林が整備され、保護されています。
江戸時代、毛利氏の城のあった指月山から、この笠山は鬼門の北西にあたり、
開発されずにきました。
明治以降は、薪(まき)のために伐採を繰り返し、
そのため、根元から伐られたヤブツバキは、色々な個性を現し、
今ではさまざまな品種を見ることができます。
(ツバキの育種業者に聞いた事があるのですが、交配して目的の花が咲かなかった場合、
処分せずに、株もとから切り取り、萌芽してくる枝に咲く花を見るということでした。
前とは違った花の咲くことがあるそうです。ヤブツバキでも突然変異が起こるのでしょうか…)

笠山は、海に突き出たちっちゃな火山で、市女笠のような形に見えるので、そう呼ばれています。
海岸には、黒い溶岩石がごろごろしており、かつて火山であったことがわかります。
指月山と同じく、植物相の面白い場所です。