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Blog ~建築的日常生活&RUN~

静岡にある建築設計事務所、業務とそれ以外の活動、趣味の話、ちょっと考えたことなどを記録しています。

「さくらのきの家」

2012年03月15日 | 設計監理業務

 南側に広い庭をつくりそこに桜の木を植えたい。そんな住まい手の希望から「さくらのきの家」の計画は始まりました。真四角の敷地の南側道路に面した部分は貸し駐車場とするため、北側が住宅の敷地になります。すべての居室が南面するよう素直に配置した住宅と貸駐車場の間に庭を作り、視覚的なもの、意識的なもの緩衝帯としての役目をもたせました。庭の中心にマメザクラが植えられています。

 1階は玄関から伸びる廊下で水周りと生活空間が分けられ、居間、食堂、台所はすべて庭に面しています。建具は全て引き戸なので季節によってそれらの繋がりを変化させることができます。台所が家の中心にあることでシンプルな作業動線となっているとともに、そこに立つと食堂、居間そして庭まで視線が届くので、子供が遊んでいる様子などを見渡すこともできます。2階は寝室と子供室、将来の子供の成長を考え収納スペースもしっかり確保してあります。

 この家は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給する静岡市産の木材を使ってつくられています。柱、梁といった構造材としてヒノキ、板張り天井の材料としてスギを使っています。構造材のヒノキは壁の中に隠れてしまい見えない部分が多いですがしっかりこの家を支え、天井に張られたスギは製材所が良いものを厳選してくれているためスッキリとした木目のやさしい雰囲気に仕上がっています。

 マメザクラの他にも庭やアプローチにはヤマボウシ、キンモクセイ、ジューンベリー、コバノトリネコ、アジサイ、イロハモミジなどといった四季を通して葉や実を楽しめる木々が植えられています。切り妻屋根のおとなしい外観がそういった木々に囲まれ、なじんでいくことで、より落ち着いて奥行きのある住まいとなっていきます。

写真を清水建築設計室ホームページgalleryにまとめました。

家のいちぶの積木

2012年03月05日 | 設計監理業務

 昨日は「さくらのきの家」のオープンハウスでした。時折雨が降る天気でしたがご覧になってくださった皆様ありがとうございました。今回は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給した木材を使っているということで、この工事にかかわってくれた製材所、林業家の方々も自分たちの材料がどのように使われているのかをみにきてくれました。そこで製材所の杉山さんから願いしていたある品物が届きました。

 それは「家のいちぶの積木」です。住まい手さんには今年お子様がお生まれになり、これからこの家で子育ての生活が始まります。そして、今回この家に使った柱・梁といった構造材の切れ端を積木にしてほしいというご希望をいただいていました。構造材はある程度の長さで用意されていますが、実際に使うときに使う場所に合わせて長さを少し切ることがあります。そこで、製材所の杉山さんにはこの家に使った構造材の切り落としてしまった部分、つまり家の一部を使って積み木を作ってもらっていたのです。「さくらのきの家」ということで皮の付いた桜もまぜて、木の感触がいろいろ楽しめる積み木ができあがりました。この積木には「しずおか森と学ぶ家づくりの会」の「家づくりを家族の大切な思い出に」という思いがこもっています。

 
 今回のオープンハウスで、住まい手、その家に使う木を育てた林業家、木を木材に加工した製材所、木材の使い方を考えた設計者がその出来上がった家で顔を合わせることができたこと、よかったです。

OPEN HOUSE 「さくらのきの家」

2012年02月27日 | 設計監理業務

日時:3月4日(日) 9:30~16:00
場所:静岡市葵区緑町

 間もなく完成する「さくらの木の家」を住まい手さんのご厚意でご覧になっていただく時間をつくることができます。「さくらの木の家」は「おおきなはしらの家」「ひろまの家」につづき「しずおか森と学ぶ家づくりの会」の専門家会員が育てた静岡市産材を使っています。今回は構造として見える部分は少ないですが天井などの仕上材としても使われていますのでその質感をご覧になっていただけます。居間・食堂からさくらの木のある庭を望み一体として使うことを考えたプラン、穏やかな外観に植栽が植えられた状態での見学になります。見学希望の方は清水建築設計室までご連絡ください。詳細な場所のご案内をさせていただきます。

(清水建築設計室)
e-mail:shimizu@work.email.ne.jp
tel:054-245-3448

資格更新

2012年01月30日 | 設計監理業務

 今日は「静岡県耐震補強相談士」の資格の更新のための講習会に行ってきました。内容は間もなく耐震診断方法が改正されるということ、その他県や市町村からのお知らせや補助金申請の際の注意事項などでした。実は昨年の12月からこういった資格を持ち続けるための講習をあと2つ受けてきました。12月には「応急危険度判定士」の更新のための講習、1月に入って「一級建築士」資格に関して、建築士事務所に所属する建築士に義務づけられ3年に1回受ける必要のあるの定期講習です。どちらもそれほど難しいわけではないのですが、実務の中で改めて確認する機会がなく、ぼんやりした記憶になっている資格に関する基本の話に最新の情報を付け加えて整理するといった感じです。時間を作るのは忙しい時と重なると大変ですが、自分の持っている資格を再認識するために、たまにはそんな時間があってもいいのかなとも思います。

さっそく

2012年01月05日 | 設計監理業務

 本年もよろしくお願いいたします。

 仕事始めの今日は午前に仕事の整理をして午後から本川根へ行き「かわねの家」の建物位置と工事の基準となる地盤の高さ確認をしてきました。「かわねの家」は大井川中流、川沿いの敷地での建て替えです。そこは山から離れているので一日じゅう陽が当たり、川沿いとなる南西から西にかけては視界が開け、見えるのは河原と対岸の山という恵まれた環境。おおらかな切妻屋根で台所・食堂・居間を南側に並べた素直なプランです。現場に行くのに少し時間がかかりますが、市街地とは違い自然に囲まれた良い場所で、行き帰りの長距離ドライブも気持ちの良い風景の中を走ることになるのでそれもまた良しです。年が明けて、さっそく着工です。

「ひろまの家」

2011年12月28日 | 設計監理業務

 ご夫婦と小さなお子様3人での生活を考え、ご自分達の生活スタイルに合ったできるだけシンプルで無駄のない間取りとし、その分構造を支える材料や肌に触れる部分の材料を大切に考えて計画された家です。

 1階は家族の生活の中心となる広間と水廻り、2階は襖で仕切られる広間と収納スペースとなっています。引戸や欄間を開放することで暖かい季節は全体がつながり、風が行き渡ります。また、駐車スペースを1台としたことで南に小さな庭を設けることができました。それによって、1階広間南側の大きな開口部から濡れ縁、庭へと繋がる視線は植栽によって小さな季節を感じられるものになります。

 構造材は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給する静岡市産のヒノキ。切り旬を守り天然乾燥で管理された材は強度、見た目において材料の本来の良さが引き出されています。内装は合板類を極力省いてつくられ、ヒノキの構造材、スギの天井材、西洋漆喰の壁、ヒノキ床と畳でスッキリとしていながらも豊かなし質感のある空間となっています。

建物周囲にも各所に植栽ができるスペースをつくっていますので、これから家族の生活と共に緑が成長し、住む人にとっても、道行く人にとっても、より豊かな住まいになっていきます。竣工写真を清水建築設計室ホームページgalleryにまとめました。

オープンハウスと隙間の時間

2011年12月19日 | 設計監理業務

 昨日は青空のすばらしい天気の中「ひろまの家」のオープンハウスを行いました。今回もいろいろな方々にご覧になっていただきました。外構工事が途中の状態なので外部も含めた空間のイメージは見ていただくことができませんでしたが、材料を選んで良いものを使った家の良さは感じていただけたかと思います。

 そんななかお昼後の少し余裕がある時間にいつものとおり竣工写真を何枚か撮っていました。朝から夕方まで、図面に描いた建物のなかで過ごすといろいろと気が付きます。明るさや時間によって変わる影、窓から入る陽の温かさ、風通し。そうしていて気がついた「いい場所」の写真を撮ります。とくに天気のいい日はそれらを素直に感じることができるので、昨日は最高でした。今回のこの機会をつくっていただきました住まい手のNさん、ありがとうございました。

木のいい色

2011年12月10日 | 設計監理業務

 「ひろまの家」の工事も12月に入り大詰めになってきました。この家の内装は木の色と西洋漆喰の白い色、そしてこれから入る畳の色。キッチンや洗面といった設備機器も壁に合わせて白です。一見そっけない感じがしますが、柱も梁も乾燥後の色合いに気を使って天然乾燥させた材料です。木のいい色をしています。工事中に汚れが付かないようにシート覆われていた床が姿を現すと一段と空間が引き締まりました。一言で言うと「すごく木」ですね、でも「木だらけ」ではない、ほどよい感じに仕上がったと思います。これから建具や機器を取り付ける最後の仕上げをしています。外回りの工事がまとまれば完成です。

秋空の下

2011年11月25日 | 設計監理業務

今日は空が青く澄み渡り気持ちの良い秋空でした。そんな穏やかな天候の中「さくらの木の家」が上棟しました。東西に切妻となるシンプルなかたちですが1階の食堂・居間が南面しデッキを介して庭と並行します。その真ん中に住まい手さんの希望でマメザクラの木を植える予定です。そのほか葉の色が変わる木、実のなる木などを植る予定で、庭の自然を楽しむプランになっています。また、今回も「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が扱う「森とま材」を使用しています。やさしく落ち付いた雰囲気の家は来年3月に完成予定です。

青空の下

2011年09月14日 | 設計監理業務

 昨日はかなり暑かったですが、気持ちいい青空の下「ひろまの家」が上棟しました。「おおきなはしらの家」につづき「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が扱う「森とま材」の家です。今回は柱、梁など構造材を中心に森とまのヒノキを使います。4寸の柱とヒノキの梁で組みあがっていく様子を見ていると材料のしっかり、かっちりしている様子が伝わってきます。そして、作業中周囲にヒノキの香りが漂っていたのが印象的でした。1階が広間のシンプルなプランの家、12月に完成です。