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Blog ~建築的日常生活&RUN~

静岡にある建築設計事務所、業務とそれ以外の活動、趣味の話、ちょっと考えたことなどを記録しています。

黒と白

2014年01月21日 | 設計監理業務

 今日は古民家の耐震補強改修工事の現場定例会議でした。今月末に完成予定で工事が大詰めを迎えています。既存の柱、梁は148年を経た黒い色のまま、新しく造られる壁は白いドイツ漆喰仕上げです。改修前は壁面も黒くなった板や黒くなった建具だったので空間としてかなり明るい雰囲気になりました。白の中に黒い柱梁が浮かび上がり長年そこにあった構造をあらためて意識させます。

よりよく

2013年12月17日 | 設計監理業務

 10月から始まった築148年の民家の耐震補強改修工事が大詰めを迎えています。今の生活スタイルに合わせて気持ちよく住めるための間取りの変更を行うとともに、耐震補強工事を行っています。事前に調査を行って図面を作成していますが、解体してみてわかること、実際に施工してみて考えること、いろいろと出てきます。そしてきれいに、きちんと仕上げるために想像していたよりも時間がかかるようなこともあります。その都度、住まい手、設計者、施工者で話し合い、検討し、よいかたちを確認しながらここまで進んできました。すべてを新しくつくる場合と異なりそういった部分は十分に時間をかける必要があるし、時間をかける価値があると思います。少し完成の日が先に行くことになりましたが、より良いものになっていく予感がしています。

築148年の改修

2013年09月26日 | 設計監理業務


 築148年という民家、最初の調査から1年が経ち、この10月から改修・耐震補強工事が始まります。今回の仕事は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」の林業家のお宅ということもあり、専門家会員の建築士「杉山智之建築事務所 + 清水建築設計室」というスタイルで取り組んでいます。設計作業を進めるなかでも、いろんな可能性を感じさせてもらっています。今日は仕上がりの様子、これからまだ検討する必要がありそうなこと、歴史ある建物に手を加えることの重み、などを考えながら工事前の写真を撮りました。12月末の完成をめざします。

「むかえる土間の家」

2012年08月11日 | 設計監理業務

 地元の企業の活動などをサポートするお仕事をされているご夫婦の住宅です。人をむかえて話をすることがあるために、玄関が打ち合わせのできる土間になっています。中からも外からも開放的な雰囲気をつくりたかったので大きな窓、白いタイルの空間です。また、隣には資料をストックしておくための書庫スペースをもっています。

 1階の南側に居室が配置され、台所、食堂、居間がつながっています。隣地が近い中でできるだけ明るさを確保したいので壁、天井は白ですが、一面に杉板を張ることで空間のアクセントとし、柔らかさ、温かさが生まれました。構造的に必要な柱は部屋の領域を緩やかに分けています。

 2階は2つの個室が明るい階段室を介して配置されます。主寝室は天井に「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給する杉板を張っています。畳、障子、杉板によって和の雰囲気を持つ空間となっています。その南側には板の間がつながり大きな窓からは山の緑と空を眺めることができます。窓を開けて畳に座っているとスーッと風が抜ける気持ちのいい場所です。

 写真を清水建築設計室ホームページgalleryにまとめました。

判断材料

2012年07月30日 | 設計監理業務

 今日は市街地から少し山のほうへ行った集落の中にある住宅を調査してきました。先日住まい手さんのお考えになっていることはお聞きしてあるので、今日は改めてそれらを検証するための情報を集めます。耐震補強工事と外部の傷んだ部分や水回りを改修し住み続けるのか、建て替えるのか。いろいろな条件や状況を整理して道筋を考える必要があります。今日の現地では間取りや周囲の状況、建物の劣化状況などを調べてきました。そして、市街地と違う趣のある家々の風景、静かで穏やかな環境、それもいろいろなことの判断材料の一つとして。これから少し検討してみます。

木の天井

2012年07月05日 | 設計監理業務

 雨が多いこの頃ですが「むかえる土間の家」の工事は順調に進んで、大工さんの仕事がもうすぐ終わります。ほとんど空間のカタチは出来上がって、これから仕上や設備の取り付けの工程に移っていきます。今回は柱や梁といった構造材として木をあらわす部分は無く、床と一部の壁、天井に無垢の木を使っています。床はカバザクラ、壁と天井には「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給する杉を使っています。壁、天井はこれから塗装していくのですが今の段階でも木目が空間に存在するだけであたたかみのある雰囲気になるのを感じられます。各種性能が要求されるフローリングと違い天井は木の優しいイメージをそのまま使うことができるのでより印象的なのかもしれないです。木の天井、いいです。

気になっていたこと

2012年06月16日 | 設計監理業務


 静岡県地震防災センターで行われた「ふじのくに防災学講座」にいってきました。業務の中で耐震診断や補強設計をしながら気になっていたことがあります。これまでそれらの目安にしていた東海地震における被害の想定が東日本大震災を受けて見直されることになったということです。現在静岡県は第3次地震被害想定に代わり第4次地震被害想定の策定を進めています。今日はその考え方の説明がありました。

 そのなかで注目していたのは予想される地震動の大きさの想定が変わるのかということでしたが、これまで最大震度7を想定してきた静岡県では大きな見直しはないが、長い継続時間の地震動の影響を考慮する必要があるということでした。これを受けて建築物の設計や補強方法にどのような対応が求められるようになるのかわかりませんが、建物の設計にかかわる立場としてとても重要なことですので、今後も情報を集めていきます。

 そのほか、南海、東南海地震との連動、富士山の噴火などの連続災害が起こった場合の想定。これまであまり考えられていなかった1000年から数1000年に一度まれに発生する超巨大地震への対応の考え方など。仕事の中でも考えたり話すことがある内容をいろいろと聞くことができました。

今日は大丈夫

2012年05月30日 | 設計監理業務


 昨日、一昨日は午後からひどい雨でした。雨の予報ではなかったんですが雷が鳴ったり、雹が降ったりでしたね。今日は「むかえる土間の家」の建前でした。午前中、順調に作業が進み、みるみるうちにカタチが出来上がっていきます。午後に入って涼しくなったり雲があったりで心配しましたが、今日は大丈夫、無事作業が終了しました。夏の完成に向けて工事が進んでいきます。

自転車で3分

2012年05月12日 | 設計監理業務

 「むかえるどまの家」の工事が始まりました。お客さんを迎え入れて話をすることができる少し大きめのの玄関土間をもつ住宅です。現場は事務所から600mの住宅地。工事監理の仕事はバッグに図面をいれて自転車で3分です。気になることがあったら、確認したいことがあったらすぐに実物を見ることができます。

「かわねの家」

2012年04月09日 | 設計監理業務

 「かわねの家」が完成しました。大井川の土手を登ったところにある敷地の古い家を壊して、これから子育てが始まるご夫婦が住む家を建てました。敷地に余裕があるので基本的に1階だけで生活できるプラン、コンパクトな2階は将来子供たちが使うであろう個室があります。また、非常に日当たりのよい敷地であることを活かし太陽光パネルを載せることを考慮した建物形状となっていて、40枚の太陽光パネルを装備しています。その形と連動して天井を屋根なりに上げてある居間は開放感があり窓から大井川の流れを望むことができます。今回は奥様が屋根・外壁といった外装材や床・建具といった内装部材、電気設備、換気設備、キッチンやユニットバスといった住宅設備、太陽光パネルまで取り扱うメーカーのショールームにお勤めということで、それらについてはご自分でご検討されました。僕は全体の計画の整理と建物本体の間取りや形状、構造といった部分の設計をお手伝いしています。都市部とは違ったかたちで周囲の環境に対応したおおらかな家ができあがりました。