四角い塔


 今日は浜松へ行ってきました。午前は少し仕事の話しを、午後は家族との時間です。元浜名湖花博の会場の浜名湖ガーデンパークへ行ってきました。浜名湖に面した総面積56ヘクタールな巨大公園、広場や庭園が点在しています。

 隈研吾氏設計の花博開催時のメインゲートはもうありませんが、現存する園内の建築物にもきれいなものがいくつかあります。公園の中心のシンボルタワーは四角い塔、素っ気ない感じもしますが、緑や花がたくさんあるのだから、主張しすぎないといえばそれもまた良く、一つの答えだと感じられました。そんなことを思いつつ、子供と遊びながら、とにかく広い園内をぐるっとひとまわり、かなり良い運動でした。
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庭が戻りました


 「庭と繋がる家」が竣工から一ヶ月ほどが過ぎました。植栽工事が終わったら外観の写真を撮ろうと思っていたのですが、天気の状態と予定がなかなか合わなくて撮影に行くことが出来ませんでした。今日は朝から久しぶりの青空、カメラを持っておじゃましてきました。

 工事中は工事車両が乗り込んでいた庭でしたが、建て替え中に移植していた木々も帰ってきました。それらは新しい庭に見栄えのするように配置されています。また、池を少し縮小し新たに出来たスペースには青々とした芝が植えられました。出来るだけ元の状態を保存するかたちで計画した庭は、形や住空間とのつながりの関係が少し変わりましたが、落ち着いた良い庭として戻ってきました。

 緑に囲まれると建物も活きてきます。緑が見えると室内空間も活きてきます。これから気持ちのいい季節になるので、天気の良い日はサッシを全開にしてこの家を楽しんでもらえるのではないかと思います。
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視線のトラブル


 設計の仕事をやっていて時々話題になるのが視線のトラブルです。例えば、隣の家が敷地境界ぎりぎりに3階建てを建て、こちらを向いている窓がいくつかある。上からのぞかれるようで気分が悪い。または、自分の家より後に建ったマンションの通路が自分の敷地に面していて不特定多数の人が通り、敷地内を見られるのが不安だ、などなど。最近のプライバシーの問題や治安の悪化も手伝ってこれまで以上に気になる要素になってきているようです。

 視線に対する感覚は人それぞれだと思いますが、やっぱり見られて気になる方の方が多いと思います。また、相手は覗いているのではないけど、人影がちらつくと覗かれているように感じるということもあるでしょう。その一方で見えたくない物が見えてしまうのもあまり気持ちのいいものではありません。

 目隠しの手法は植栽や格子などいろいろと考えられますが、程度の判断がなかなか難しいです。季節による葉の密度の変化、格子の太さやピッチによって感じ方が変わります。視線の問題については一度気になるとずっと気になってしまう問題なので、慎重に計画する必要があります。でもやっぱり近隣の家々とお互いに気を使って計画をすすめるというのがとても大切なことだと感じます。
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測量もします


 久しぶりに測量をするために外に出ました。おととい雨の中、測量のポイントを確認し、昨日は季節はずれの寒さの中、朝から実際に測る作業を行いました。

 建物を計画するのに一番最初に必要なのは敷地のデータです。分譲地のようにしっかりとした境界が示されていれば簡単です。しかし、建て替えや農地のようにそれまで建物がなかったところに建てるとなると敷地の形を確認する為に測量が必要です。昔の図面や公図と言われるものはあまりあてにならないことが多いです。また、月日が経つと隣の方と境界の認識にずれが生じている場合もあります。場合によっては思いもよらない手続きが必要になる場合もあるのです。頼れる資料が無くて、住宅くらいの規模であれば自分で測ります。

 昔は巻き尺を引っ張って距離をはかっていましたが、現在は光波で距離やレベルを測ることができるのでかなり楽になりました。しかし、草のいっぱい生えたところに入っていったり、厳しい体勢で測る場所もあるので、普段ディスプレイに向かって仕事をしていることの多い私には楽な作業ではありません。それでも、事務所に帰りデータを整理し、測ってきた敷地の形状が図面になったときは何とも言えない充実感があります。天気がよければ、たまに外で仕事をするというのもいいものです。意外と好きだったりします。
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ANS勉強会その2(免震住宅見学)


 昨日はANS(archinest shizuoka)の仲間と免震住宅の勉強会を行いました。免震住宅とは建物の基礎と上部構造の間が地震時に自由に動くようにしておくことで、地震の揺れが建物に伝わりにくくするというものです。耐震は地震力に耐えるように建物自体の強度を増すわけですが、免震はは建物が地震の揺れを受けないシステムです。耐震性能が優れていて建物が壊れなくても室内は激しく揺れることが予想されますが、免震されていれば建物が壊れることもないし室内が激しく揺れることさえも起こらないというわけです。

 まずは免震部材のメーカーの事務所でシステムの内容、設計方法などの説明を受け、いくつかの質問にも答えていただきました。縦揺れにはだいじょうぶなのか、強い風によって揺れることは無いのか、メンテナンスは?などなど。一番気になるコストについては…やっぱりそれぐらいかかるのかという感想です。免震部材だけではなくそれに絡んで必要になる構造部材、地盤調査量、設計料などを含めれば400~500万、それ以上はかかるイメージです。

 その後現在建設中の現場の見学に行きました。2階建ての木造住宅、建前が終わり外壁を造っている段階でした。床がまだ張られていないので、床下の免震部材を見ることができました。外から見て普通の家と違うのは、玄関ポーチ、勝手口などが片持ちで、地面と分離されている、エアコンの室外機が地上でなくて建物本体にくっついている、雨どいの下部が地中管に固定されていない、といった程度です。しかし、床下をのぞいてみるとスライドする部材やダンパー、復元ゴムといった免震部材が20個以上が設置され、建物を支える土台部分も通常のものに比べてかなり剛性の高いものになっています。上部のつくりに対して、足元がかなり重装備といった印象です。

 コストがかかるのでなかなか採用されにくい技術ですが、実際に施工されている実績もあるなかで知識としてはもっていたい分野だったので、今回の勉強会は有意義でした。実物を見ることができたのがよかったです。
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かわる風景


 事務所の近くにあった平屋の二軒長屋が解体されることになりました。この長屋は私が生まれる前からありました。かなり年月が経っているのでそれなりの外観になっていましたが、私が小さなころからずっと変わることがなかった見慣れた風景でした。全部で6棟あるので全て解体されるまではすこし時間がかかりそうです。今、建具が取り外されているところです。全てが解体された後、今度はどんな風景になるのでしょうか。
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