住宅の省エネ診断を行う「住まいる匠」

 先日、自立循環型住宅の設計手法の講習を受けたのですが、その講習を受けた人の中から静岡県地球温暖化防止活動推進センターが行う(住宅の省エネ診断)を行う専門家「住まいる匠」を養成する講座がありましたので受講してきました。

 (住宅の省エネ診断)は無料で行われ「住まいる匠」もボランティアです。1時間程度の現地調査を行い、省エネを考える上での問題点を住まい手にアドバイスします。内容としては住まい手が困っている、結露、カビ、風通しが悪い、寒い、暑い、暗いといった住宅の問題の原因を整理して、解決策を導き出し提示することになります。

 これから始まる事業なのでどのような様子になるのか分かりません。しかし、耐震診断を行う耐震補強相談士の仕事もそうでしたが、普段の設計業務に生かすことのできる経験ができると考えています。危なくて住めない建物も困りますが、温暖化で住めない地球になってしまわないように、建築の省エネ性能のこともしっかり考えないといけない時代になってきました。
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サンプル品のリサイクル


 25日・26日に静岡市のツインメッセで産業フェアが開催され、そこに建築士会静岡支部も青年委員会がブースを出展しました。これまでも建築士会のPRと共に建築相談、ペーパークラフトなどを行ってきたのですが、今年はリサイクルアート体験ということで我々がサンプルで取り寄せ、不要になったものを使って工作をしてもらうことにしました。

 お客さんに10cm程度に切ったベニヤ板を渡し、そこにタイルや、化粧合板、ビニールクロスの切れっぱしなどを貼って作品を作ってもらいます。我々は作り方のアドバイスや接着の手伝いで大忙しでした。なかでもモザイクタイルは張りやすく仕上がりも綺麗だったので人気がありました。その他、割ったタイルや小さな木片で絵や文字を描いたりする方が多かったですね。

 特に子供たちが作るものはなかなか面白く、几帳面に並べる子、大胆に並べる子、明るい色を好む子、たくさん色を使う子などいろんな個性がありました。また、平面で考えがちなところをタイルを積み重ねて接着したり、木片を使ってアーチを造ったりと立体造形になっているものもあり、感心しながら手伝っていました。
 
 あっという間に1日が終わりました。我々が建築士だということが分かっていた人はどれくらいいたのかは何ともいえないところですが、これまでの出展のなかでなは一番人と話をしたし、充実していたと思います。眠っていたサンプル達も多くの人の手に渡っていきました。
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くさびを打ち込んでいます。


 「新月伐採与作ツアー」で木を倒す為のくさびを打ち込んでいる私です。
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「新月伐採与作ツアー」に参加しました。


 土曜日に「新月伐採与作ツアー」に参加しました。木は新月の時期に切ることでかびにくかったり、虫に食われにくかったりすると言う説があります。今回はそれを実践し、さらに葉がついたまま山で3ヶ月ほど乾燥させ、製材した後も製剤所のストックヤードで天然乾燥をおこなうことで木材の本来の性能を引き出そうという商品を扱っているTSドライグループの伐採現場の様子と製材所の見学です。

 伐採現場は天竜川の上流浜松市水窪の山です。未舗装の林道をかなり登りやっとの思いで現場に着きました。車を降りて少し歩くと小さな広場があります。そこから見下ろすと右手は既に伐採が終了し切株がぽつりぽつりとある状態の斜面がひろがり、左手には切り倒され葉枯らし中の木々が置かれている山が広がっていました。そこから斜面をしばらく降りていき今回伐採を行う木のある場所まで行きました。

 これまで参加してきた伐採見学会はプロの方が切るのを見ているというものでしたが、今回は参加者も木を切る作業の一部を体験させてもらいました。参加者は前もって倒れる側を半分切ってくれてある木を、チェーンソーで切っていきます。交代である程度の段階まで切り、その切り口にくさびを打ち込んでいきます。くさびを打っていくと徐々に木が傾きはじめ、ある程度のところまで行くとバキバキという音を立てながらゆっくり倒れそれが地面につく瞬間にはドンッという衝撃音とともに足元がゆれます。

 木を倒した後の切り株をさわると思ったより水気があるように感じました。この段階の含水率は100%程度、これでも今の時期(10月~1月)は「切り旬」と呼ばれ木が水を吸い上げていないので木を切るのに適した時期とされています。なので水気がそれほど多いわけではないとのことですが、切ったばかりの木は以外と水っぽいと感じました。水を吸い上げている時期に切られた木は含水率300%にもなるそうで、かなり水っぽいことが想像できます。

 また、このグループでは切った木の情報をすべて記録しているとのことです。立っていた緯度経度、切った日、天候、切った人の情報が記録されたバーコードが伐採された木の小口に張られます。ものすごく手間のかかる作業なのですが、きちんとした製品をだしていることが証明できるというわけです。その努力はすごいことです。

 伐採作業の後広場に戻り昼食をいただきました。おむすびと猪鍋、焼きたてのサンマとシイタケをおいしくいただきました。その後再び長い林道を走り製材所に行きました。製材所には板材、梁材それぞれのサイズに製材された材料が山積みされ天然乾燥が行われています。人工乾燥を行えば早く出荷することができるのですが、材を傷める可能性があるので出荷まで時間がかかっても天然乾燥にこだわっているそうです。さらにこの製材された材の小口にもバーコードが張られていてこの段階でもその材の経歴が分かるようになっていました。

 そして、新月の木の良さを確かめる実験ということで、新月の木と満月の木を埋めておいたところ満月の木はシロアリにひどく傷められていたけど、新月の木はほとんど被害を受けていないという結果の品を見せていただきました。一本はシロアリに食われた満月に伐採した木、もう一本はほとんど無傷の新月期に伐採した木です。これだけではどうだろうかという気持ちをだれもが持つと思います。そこで、第三者立ち会いのもとで新たな証明実験が進められているとのことです。私もその結果が出るのを興味深く待ちたいと思います。今回のツアーを企画してくださった自然素材工房株式会社のみなさま、現場を見せてくださったTSドライグループのみなさまありがとうございました。良い経験をすることができました。
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2006しずおか木造塾 第2講座 のこと

 今年度もしずおか木造塾にスタッフとして参加しています。第1講座は別の予定があり欠席しましたので今回が今年度初参加となりました。今年も顔なじみの参加者が多く、いつもの皆さんと一緒に勉強していくことになります。

 今回は「デザイン」がキーワードです。前半は浜松の設計事務所「アトリエ樫」の坂田さんによる「家族・住まいのデザイン」という講座でした。自己紹介から始り、これまでの作品が写真で紹介されました。私は以前、木造塾で坂田さんの工事中の現場を見学させていただきましたが、天井が低く抑えられてた空間と、工事中の土塗り壁が印象に残っています。建物の外観もシンプルなかにプロポーションに対する意思が感じられ美しくまとまっていました。今回の話の中にはそういった建物が生まれてくる思考の過程などが紹介されていて興味深く聞くことができました。住宅を設計していくなかで寸法やスケール感に対する感覚をとても大切にされている姿勢が伝わってくる話でした。

 後半は東京の「野沢正光建築工房」の野沢さんによる「住み続ける家と環境デザイン」という講座です。野沢さんはOM研究所の所長もされていて建築と環境に関する本も書かれています。そういったことから建築と環境の関係についての話、住空間を環境性能という視点からアプローチし、設計していく手法の話などをしていただきました。住空間の環境性能を考える際に設備機械にたよるのではなく、建築自身も環境性能を備えていることが大切。それは難しいことではなく、自然の力や、先人の知恵を見直すと言う視点から生まれてくる。なんとなくイメージしていても実行に移すのは大変そうなことをですが、野沢さんはそういったことを実践されてきています。実際に屋根の上に草の生えている建物や、地面に穴を掘ってコンクリートの壁を作っただけの地下室の話など、その効果と苦労話など聞かせていただき、環境に対する建築のありかたを常に考えているのが伝わってきました。

 二人の建築士の設計という作業に対するそれぞれ異なる切り口を知ることができました。坂田さん、野沢さんありがとうございました。次回は12月、森林や木材のことについての勉強です。
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富士山が白くなりました


 今日は「庭と繋がる家」の現場定例打ち合わせの日でした。打ち合わせに行こうと外に出ると、真っ白な富士山が見えました。昨夜の雨が雪になったようです。風も強く冷たく寒いと感じました。そろそろ冬が来ます。

 現場は瓦工事が終わり、各部接合部の金物取り付け、外壁合板張りの作業が進んでいます。柱と梁の状態から屋根や壁が取り付いてくるとボリュームを感じるようになってきます。周りの建物より少し低いですが、全体のバランスに気を配った結果です。いい形になってきたと思います。
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