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Blog ~建築的日常生活&RUN~

静岡にある建築設計事務所、業務とそれ以外の活動、趣味の話、ちょっと考えたことなどを記録しています。

森とまの家見学会

2016年10月01日 | 設計監理業務

清水建築設計室の設計監理で「しずおか森と学ぶ家づくりの会」から材料の供給を受けて造られた住宅の見学会を行います。ひとつは新築、もうひとつは耐震補強改修の事例(杉山智之建築事務所との協働)です。2年間暮らした後の木材の風合い、メンテナンスの様子などもご覧になって下さい。

森とまの家見学会「森とま材でつくった住宅」
10月16日[日] 10:00 – 15:00 ※2組限定

・木の手触りを感じる高性能住宅(建築後2年経過)
・現代の生活に再構成した築150年の民家(改修後2年経過)

「静岡市のスギ・ヒノキの天然乾燥材を使った住宅2例を見学します。2年間実際に暮
らした後の様子を見学していただきます。自然の木材を内装に使った空間を体験して
ください。木材の変化も観察してください。木の家の良さを確認してください。」

(申込み/問合せ)
しずおか森と学ぶ家づくりの会事務局 TEL: 054-251-7410


小さな居住空間

2016年04月28日 | 設計監理業務

最近、「タイニーハウス」という言葉をよく耳にします。タイニーハウスとは小さな居住空間、最小限の家といった感じでしょうか。本当に小さく作られた家の場合もありますが、コンテナハウス、ツリーハウス、なども含んでそう呼んだりします。無駄を省いて、シンプルに暮らす、複雑な世の中だからこそそういったイメージに魅かれるのか、それともこれからはそういう時代になっていくのか。いずれにしても注目が集まっているのは事実です。

そんななか現在トレーラーハウスを制作する計画に関わっています。トレーラーハウスとはトレーラーの箱の中を居住空間にして店舗や離れなどに利用するといったものですが、車両扱いで車検を受けてナンバープレートが付きます。なので、いつでも移動できる状態にある必要があるのですが、逆を言えばいつでも自家用車で引っ張って移動できる居住空間でもあります。これまでは車両に窓を付けて簡単な内装仕上げをした感じのものが多いようでしたが、今回はそれを建築的に設計し、住宅並みの断熱性能、静岡県産木材を使った内装で造り、最終的にはオフグリットを視野に入れた設備を備えるというコンセプトでプロジェクトが進められています。

昨年からいろいろと検討を重ねてきました。まずはできるだけ小さいけどしっかり快適に過ごせる住居となるよう考えた001。もっとコンパクトでコストを抑えることを重視した002。店舗としての使用を想定した003。そしてこれから試作車両「TH003」の制作のための調整と準備が始まります。小さな空間ですがしっかり造ればいろいろな可能性があるのではないかと思っています。






中新田の家

2016年02月05日 | 設計監理業務

 先日完成した「中新田の家」の写真を清水建築設計室のホームページに掲載させていただきました。築41年の木造住宅に耐震補強と断熱補強を行い設備を一新、生活空間も一新しています。新築と同様に図面を描いていますので、内観はそれに近い仕上がりになっています。ただし、既存の骨組み、建具高さなどを尊重している部分もあるので、以前の面影がところどころに見られます、改修なのだからそれもまた良いのです。性能に関しても今回は耐震補強だけではなく断熱補強も行っているので見た目だけではない、快適な生活ができます。今回は設計を始める前に住まい手さんに私の自宅を見ていただいたのですが、その時に「この感じでつくってください。」と言っていただいたので、その感じでできあがりました。ウチとちがって1階のリビングで南の広い庭に面しているのですごくいいです。

古民家の調査

2015年06月17日 | 設計監理業務

 改修工事または補修工事を検討するうえでは既存建物の調査がとても大切になってきます。これまでも設計事務所がそれぞれのスタイルで設計に必要な情報を収集するために調査を行ってきていました。しかし、ここ数年中古住宅の流通活性化や空き家の問題もあり、既存建物の調査の方法のガイドラインがつくられ、それに沿った既存調査を行うことができるという資格がいくつかつくられています。住宅医もそのなかの一つと言えるかもしれません。

 私も一般的な方法としてどのような調査を行っているのか理解しておく必要があると思い、いくつか取得してきましが、今回は古民家鑑定士1級を取得しました。これは上記のガイドラインでカバーできない年代の建築物である築50年以上の古民家を独自の調査項目により目視鑑定するという資格です。その調査結果から、古民家鑑定書(古民家の鑑定結果を書面にしたもの)が発行されます。

 最初に書いた通りこれまで設計事務所が当然行ってきた業務ではありますが、現況把握に徹した調査方法を採用したり、広く全体の状況を診断する方法として、住まい手に対してわかりやすく説明することができるツールが用意されています。また、古民家に特化した調査、改修を進めているグループの活動や技術が見えるようになり、繋がりもできたことで、古民家といわれる建物の調査方法や改修のための検討の幅を広げることができました。

お堀をながめる家

2015年03月25日 | 設計監理業務

 駿府城公園のお堀をながめる場所に建つ住宅の耐震補強改修工事が間もなく終わります。築79年の木造住宅、最初に訪問した時は雨戸が閉められていたので暗く、各所が傷み非常に厳しい状態でした。しかし、そこには最近の建築で作られない、間取り、造り、素材があり、思わず「いいですね。」という言葉が出ました。その後、オーナーの判断で耐震補強改修を行うこととなり、耐震診断、補強設計、補強工事となり、それに伴いこれからの使い方に合わせた間取りの変更、設備の改修、断熱付加を行いここまできました。当初0.55だった耐震評点も1.26まで向上しています。水回りを中心に手を入れていますが、小さいながらも庭に面する南側の縁側、8帖の和室と2階にある2つの和室はクリーニングと建具や仕上げの補修に留めています。



 改修しても新築に追いつかないものがありますが、新築では手に入らないものもあり、埋もれてしまっていたそれが蘇りました。解体ではなくて、改修をしたことに意味があったと思える仕上がりです。2階の和室の畳に足を延ばして座り桜を眺めていたいです。


模型のとおり

2014年09月23日 | 設計監理業務

「小さくつくる家」の外部の足場がとれました。重なり合う多面体のかたまりを切り欠いたり、くり抜いたようなかたちが姿を現しました。当たり前のことですが以前に紹介した模型のとおりに出来上がっています。「小さいというより大きく見える」という声もありますが。シンプルな形をした濃いグレー建物はこれから取り付けられる木製の玄関建具や外部の塀、敷地の隙間に植えられる木などによって、温かみを加えて周囲の風景になじんでいく計画です。10月の中旬に完成予定、見学会を計画しています。詳細は後日お知らせいたします。

耐震補強の季節

2014年04月28日 | 設計監理業務

 静岡県内の各市町では耐震補強工事または耐震補強計画作成に対する補助事業が行われていますが、これらは年度単位で実行されています。新年度が始まり、だいたい今頃から今年度分の受け付けが始まります。一方で昨年度の事業に関しては2月の末までに完了という自治体が多く、3月、4月というのは申請の受け付けが行われていない時期になるのです。また、住みながらの工事の場合はやはり暖かくなる季節のほうが住んでいる方にとっての負担は少いので、暖かくなるこれからの時期に補強工事を検討される方が多いような気がします。そうするとだいたいこれから5月にかけて工事準備、補助金の申請を行い、それが決定されたら工事開始というスケジュールになります。ということで、今年も静岡、焼津、藤枝と耐震補強工事とリフォームの工事の準備が進んでいます。最近ではリフォーム工事も長く住み続けるために構造、断熱、設備まで手を加える事例が多く設計事務所が果たす役割も重要で大きなものになってきているのです。今回もボリュームのある工事が行われる予定です。そういうことで耐震補強の季節、今週は5月から始まるいくつかの工事の準備です。

おもしろかったです 森のリアル RPG

2014年04月16日 | 設計監理業務


日曜日に しずおか森と学ぶ家づくりの会 春のイベント「森のリアル RPG ~山神様 からの招待状~」が行われました。今回は森とまスタッフの中でも林業家の皆さんの企画で、私はゲームの内容については知らされないで参加しました。それが、とても面白く楽しかったのです。



当日は天気も良く、小さなお子さんから中学生まで、家族連れでのご参加もあり、にぎやかで楽しいイベントとなりました。まずはルール説明を受けます。このゲームは早くゴールするのが目的ではなく、どのように行動したかでポイントが決まり、それによって順位が決まる仕組みです。ゲームが始まるともらった地図を頼りに林道の中のアイテムを探して歩きます。木々に囲まれた林道は気持ちが良いですがけっこう上り下りがあります。アイテムが集まってくると、次にどこに行けばよいのかやポイントの集め方が分かってきます。大人も子供も楽しみながら山歩きをしました。



運動の後はアウトドア料理体験、豆乳を使ったグラタンを各自で作ってみます。ペレットを使ったロケットストーブ「きりんさん」も大活躍、お皿に好きな具を入れて、「きりんさん」の背中に乗せてしばらく待っています。ぐつぐついったところで、とろみをつけて、チーズをかけて、それが溶けたらおいしいグラタンの出来上がりです。じーっとながめて出来上がりを待っている時間がいいですね。



食事の後は四年前の森とまイベントで植林した場所へ行ってみました。あの時は小さな枝のようだった苗木も四年が過ぎた今は大人の背丈を上回るほど成長していました。ネットを張ってシカなどの動物に食べられないようにするなど、やはりこれまでしっかり手を入れてきたからこそ、このようなきれいな緑がまた広がっていくのですね。山の時間の経過を見ることができる貴重な体験でした。今回のイベントはすごくいろんな遊びが盛りだくさんであっという間に時間が過ぎた楽しい一日でした。


切ったり貼ったり

2014年04月05日 | 設計監理業務

 現在計画中の住宅の模型です、こういった模型はイメージしている形の確認のために作ります。最初は素直にイメージする通り作るのですが、できたものを眺めていたり、図面を描き進めて、構造、法規、設備、室内側からの見え方などを考えていくとそうはいかない部分が出てきます。そうしたら、サクッとカッターを入れて切り取り、新しい部分を貼り付けます。木を植えてみたり、鉛筆での描きこみもありです。そうしていくうちに、いろんなことの整合性がとれた現実的な形になっていきます。そして最初のイメージにどれだけ忠実でいられるか、また新たなイメージが膨らんでそうしたくなってきたり、いろいろ迷って、また検討します。いい形になってきたと思います。

要の壁

2014年02月07日 | 設計監理業務

 古民家耐震補強改修工事の現場、畳の間に置かれていた荷物や道具が片付いてすっきりしました。今日は片付いた部分の写真撮影と工事が終了している部分の確認をしてきました。写真に写っている廊下の壁は今回の計画の要、新たに挿入した耐力壁であり断熱境界、田の字プランに廊下と個室をつくりだしました。仕上げはスギの源平、ヒノキ、ヤマザクラの25mm厚板を色合いランダムに積み上げています。製材所と大工さんのおかげでとても美しく仕上がっています。来週には工事完了、あともう少しです。