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Blog ~建築的日常生活&RUN~

静岡にある建築設計事務所、業務とそれ以外の活動、趣味の話、ちょっと考えたことなどを記録しています。

「街弁」見学&神楽坂

2014年05月21日 | 木造塾


 17日の土曜日もしずおか木造塾の有志で東京方面に行きいろいろと見学してきました。まず、横浜でパッシブ技術を活用した街のお弁当屋さんの店舗併用住宅「街弁」と「街弁Ⅱ」を設計者のお話を聞きながら体感しました。断熱性能を上げることで空間をつなげ建物の中を一体の空間とすることを可能にし、縦方向の風の通りを確保することで通風を活用した省エネルギーで快適な住空間をつくっていました。北側の地窓から入ってくるひんやり心地よい風が印象的でした。



 次に日暮里の浅倉彫塑館、閉館40分ほど前に到着して駆け足で内部を回りました。大空間のアトリエ、本棚が天井まである書斎、中庭に面した廊下、茶室、和の空間が続いた後2階へ上がって白く明るいテラス、そして再び立派な床の間のある座敷、外に出て屋上庭園、次々と質の異なる空間が展開します。そしてどの空間も質が高く時間があればもっとゆっくりしたかったです。



 最後は神楽坂のアユミギャラリーで南雄三さんのスケッチ展を南さんのお話を聞きながら拝見。その後に南さんの指導の下豆本作り。普通に用意できる材料から南さんのアイデアと工夫で部品が用意されていて、それらを組み立てていくときれいな豆本が出来上がり。その後は軽く懇親会ということで、くつろぎながらいろいろなお話を。電車移動、徒歩とかなりの運動量でしたがその分いろいろなものを見ることができました。

木造ドミノ見学

2014年05月12日 | 木造塾

 土曜日はしずおか木造塾の有志で行く木造ドミノの見学ツアーに参加しました。木造ドミノ住宅は、柱や梁といった「スケルトン(構造体)」と、内装や間仕切り、設備といった「インフィル」を分離できるように考えられたシステムで、家を支える柱や壁を外周部に集中させ、間仕切りは構造の制約を受けずに自由に配置できるのが特徴です。今回は木造ドミノ住宅を数多く手がける相場建設株式会社の迎川さんのご厚意で府中のゼロエネタイプ、多摩湖の薪ストーブのあるタイプ、青葉のリノベーションを行ったタイプ、そしてi-worksモデルハウスを見学し、途中「あいばこ」で木造ドミノで使われる家具などもいろいろ見せていただきました。

 今回見学した建物すべてについて迎川さんが説明をしてくださったので、コンセプト、使われていく中での評価、特に考えられている部分などがよく分かりました。そして、木造ドミノの考え方である構造の整理、可変性、優しい素材、コミュニティと環境を考慮した配置計画など、これまで写真や図で見ていたものを実際に体感することができました。一方で、いろいろなタイプを見ることができたので、共通事項ではない部分についても比較することもでき、半日でしたが盛り沢山とても充実した見学ツアーでした。

 木造ドミノそのものはすべての住宅に当てはめることはできませんが、その考え方は木造のいろいろな場合についても応用できるものがあり、参考にしたい部分が沢山ありました。お忙しい中私達とご一緒してくださった迎川さんに感謝いたします。そして、同じ興味を持ったメンバーでの建築見学はいろんな疑問や意見を交換することができすごくよかったです。

見てわかる

2014年04月01日 | 木造塾

 日曜日にしずおか木造塾に参加されている建築士が設計した施設の見学会があったので参加してきました。この建物は建築家の丸谷博男さんの提唱する「そらどまの家」の考え方を実践しています。壁に調湿と蓄熱の機能を持たせたうえで、太陽熱を屋根面で集めて床下に送り込み基礎に蓄熱します。また、樹脂をで作られた輻射冷暖房設備を備えて柔らかな心地よい環境を生み出すように考慮されています。その他、静岡県産材を中心とした木構造となっていて、屋根のトラスは大工さん達のの苦労と技術を感じることができます。

 これまで、勉強会などで知った材料や設備が実際に使われている現場ということで、いつもの建物見学とは違う視点で見させていただきました。この材料ってこんな感触なんだとか、この設備を使うためにこういった設えが必要なんだとか。また、実物を見ると疑問がわくものですが、そういったことにも設計者が丁寧に答えてくださったので、いろんなことが分かりました。今日のことはまた自分の中で整理して活かしていけそうです。見学の機会をつくってくださった、オーナー、設計者、しずおか木造塾に感謝です、ありがとうございました。

地盤のはなし

2012年06月25日 | 木造塾

 土曜日に袋井で行われたしずおか木造塾番外編、「体験型地盤セミナー」に参加してきました。これは昨年の木造塾でも地盤についての話をしていただいたグランド・ワークス㈱さんの協力で行われました。

 前半は屋外で、標準貫入試験、スウェーデン式サウンディング試験、液状化対策の一つといわれる砕石パイルの施工の様子を見学しました。砕石パイルの施工についてはこれまで見たことがなかったのでその原理、作業により発生する音や振動それに使う重機のサイズなど参考になりました。

 後半は事務所に戻り液状化簡易判定試験の方法について実際にその作業を行っている場所で説明を聞きました。どういったことが判定のポイントになるのかなどの話とともに、粒径によって分けられた土を実際に触ってみることで、文字や数字だけで考えていた部分も感触としてのイメージをもつことができました。

 最後にまとめの講義、これまであまり考えていなかった、地盤補強とともに考えなければならない問題や液状化の実態など。新しい事例が起こり、研究が進み、一歩進んだ考え方が生まれる。今回の話、新しい知識になりました。

2009しずおか木造塾第6講座のこと

2010年02月15日 | 木造塾

 土曜日は2009しずおか木造塾第6講座でした。今回は岩手県立大学盛岡短期大学部准教授の内田信平先生による「住宅の建材・設備の源流を訪ねて」と㈱オプコード研究所所長の野辺公一先生による「地域で必要とされる担い手とは」の二つの講義が行われました。

「住宅の建材・設備の源流を訪ねて」では内田先生が自宅を建設する際にその住宅に使われる材料が、どんな原料から、どんな工場でつくられているかを取材し、そこから見えてきたことをお話してくださいました。この仕事にたずさわっていてもなかなかそこまで知ろうとしないことなので、意外と知らなかった情報が参考になりました。

 「地域で必要とされる担い手とは」近年、建築業界を取り巻く状況は非常に厳しくなっています。そのなかで、これからどのような事が起こるのかということをよく理解し、その変化に対応していく方法について話をしていただきました。どのような家づくりを仕事としてやっていきたいのかという考えをしっかりもち、そのそれを実現していくための手段をきちんとこなしていくことが大切だと感じました。

 これで今年度の木造塾は終了です。僕はスタッフとして参加させてもらいましたが、仕事をしながらも新しいことを学び、知っていることを整理する、大切なことだと思っています。2010しずおか木造塾は今年の秋からになります。

2009しずおか木造塾第3講座のこと

2009年11月22日 | 木造塾

 昨日は2009静岡木造塾第3講座でした。今回の講座は住宅技術評論家の南雄三さんの「断熱気密を生理整頓」「省エネ施策を理解」でした。最近、エコや省エネがさけばれていろいろな言葉が出てきている分野の話です。僕達がなんとなく分かっているけどはっきりは理解していないといった部分の説明とともに、これまでいろいろなことを調べてこられたうえでのご自分の考えを切れ味良くお話していただき、最近良く聞く言葉を税制、義務、補助、評価ということで整理することができました。

 そして、設計事務所や中小工務店が苦手としている部分。自分がつくる建物の評価を示すということ。しかし、これらを積極的に示していこうといううごきが現実に始まっているというお話。「いいものはいい。」では済まされない時代になってくるし、みんなができないのならちゃんと説明できることが力になる。評価方法自体も断熱性能だけではなくて設備的な部分も考慮する方向になっているということで、トータル的なバランスを考えてまとめる知識が必要であることを感じました。南先生ありがとうございました。

2009しずおか木造塾第2講座のこと

2009年11月02日 | 木造塾

 土曜日は2009静岡木造塾第2講座でした。今回の講座は前半が和歌山で林業から製材プレカットまでを行う株式会社山長商店の榎本嵩秀さんによる「木材の品質管理」。後半が東京ドミノなどを手がけている相場建設の迎川利夫さんによる「住宅の現場管理」の講義でした。

 前半は株式会社山長商店が育てている紀州の杉・ひのきの特徴を活かしそれを使ってもらえる製品に仕上げる過程の努力や工夫などの話をしていただきました。こちらでは国産材で初めて梁などに使うスギ材のJASを取得されています。これにより、強度などが明確になるので構造計算が必要な場合にも使うことができるようになります。これまで国産材の欠点であった、製品性能の分かりにくさが解消されるのです。僕も「しずおか森と学ぶ家づくりの会」で林業や製材所の皆さんと活動しているのでとても参考になりました。

 後半は地域の工務店がこれからも生き残っていくためのひとつの方向性として、現場の省力化があるという話です。構造や基礎から内装にいたるまでさまざまな工夫と新しい作業方法を考案し実現している様子を写真と共に紹介していただきました。ユーザーの要求や時代の流れを考えて新しい工法を浸透させていくプロセスの話では、これからの住宅の建築にかかわる仕事をしている者にとって考えていくべきことのヒントを教えていただいたと思います。

 今回の講座は自分の活動や仕事の中ですぐに考えられる内容があり充実した内容でした。特に製材の話は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」の仲間にも伝えようと思います。二人の先生ありがとうございました。

2009しずおか木造塾第1講座のこと

2009年09月27日 | 木造塾

 木造塾の季節がやってきました。今年は9月から2月まで毎月1回の6講座です。僕はこれまでどおりスタッフとして参加です。今回の講座は伊礼智先生による「伊礼智の住宅設計作法」でした。

 最初は沖縄の住宅における外から内に繋がる空間の構成の話です。緩やかに段階的に繋がることが大きな特徴、それを東京の住宅に取り入れてみる。外部空間をしっかり考える、床のレベル、窓の配置の仕方、家具のありかたを大切にする、そして街と家の良い関係ができるように考える。

 そういった考え方と共に「標準化」ということにも取りくんでいて、それらの事例を写真で紹介していただきました。「標準化」という手法を使いながらも設計の基本になる部分をしっかり考えていられるのが良く分かりました。

 講座の後は恒例の講師の先生を囲んでの懇親会、久しぶりにお会いする塾生の方々もいてついついお酒も進んでしまいます。いろいろな考え方を吸収して情報を交換する大切な時間、今年もいろいろ学びます

2008しずおか木造塾第6講座のこと

2009年02月16日 | 木造塾

 土曜日はしずおか木造塾でした。今回は株式会社オプコート研究所の野辺公一先生による「激動の時代、住宅生産者が生き残るために」でした。主に工務店を対象とした話ではありますが、設計事務所としても知っておきたい内容でした。

 最近の市場の分析、住宅生産現場で今後どのような現象が予想されるか、新しい法律や制度への対応、元気の良い工務店の様子など。最近いろいろなことが起こっている中でのこれらの話をお聞きしたことで、自分の活動の方向性なども含めて考える機会となりました。

 これで今年度の木造塾は修了です。今年もスタッフとして参加したわけですが、講義もいろんな先生の話を聞くことができ勉強になりましたが、そのあとの懇親会においてもいろいろな方とお会いして話をすることができて良かったです。皆様ありがとうございました。

2008しずおか木造塾第5講座のこと

2009年01月18日 | 木造塾

 今年最初の木造塾は1月17日(土)に行われました。今回は以前にも講義をしていただいた伊礼建築設計室の伊礼智先生による「魅力ある建築物について」と雑誌”住宅建築”編集顧問の植久哲男先生による「住宅について考える」の二人の先生に講義をしていただきました。

 伊礼先生は以前はご自身が展開しているI-worksという標準化を考えた設計手法の話をしていただきました、。今回は旅先で出会った心地よい空間、美しい建物を実測スケッチと共に紹介していただきました。先生がどのような空間や寸法に興味をもたれたのかが良く分かり、自分とは異なる着眼点など勉強になりました。

 植久先生はいろいろな建築に触れるお仕事の中で、木造建築物が時代の中でどのように扱われてきて、いろいろな建築家がどのように表現してきたか、鋭い意見も交えながら分かりやすくお話してくださいました。木造に対するスタンスをいろいろと考えることができました。

 今回は意匠の話が中心でした。やはり設計の仕事をしている中でもっともウエイトを置きたい部分の話であり、一番おもしろい部分でもあり、イメージをめぐらす楽しい時間でした。伊礼先生、植久先生ありがとうございました。