住宅にも火災警報装置

 今年の6月1日から平成16年6月の消防法改正によって定められた条例基準に基づいて住宅にも火災警報装置を取り付けることになります。また、既存の住宅も平成21年5月31日までに設置しなければなりません。取り付ける場所は寝室と階段になります。これから高齢者世帯が増える中で、早めに火災を知ることができれば被害を減らすことができるのではないかということです。

 常時換気設備にひきつづきまた住宅に設置される設備が増えました。性能を理解して取り付け方をきちんとまもることが必要になってきます。また、換気設備もそうですが、なかなか和室や木を使った空間にはなじみにくいところがあるので、違和感無く取り付ける工夫もしていきたいところです
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

しずおか木造塾(基礎編)第2講座[東部編]


 先週末木造塾[基礎編]東部見学授業に参加しました。この見学会では歴史的木造建築物を学ぶということで東海館(伊東市)・起雲閣(熱海市)・旧日向邸(熱海市)を見学してきました。

 東海館は昭和初期に建てられた木造3階建旅館で平成9年に廃館されますが、現在は伊東市が所有し観光施設として保存されています。それほど広くない道に面して正面玄関があり、風格がある破風に彫り物が施された立派なものです。また、木造であるにもかかわらず、かなり幅のある建物である上に3階建のためあまり見たことの無い外観をしています。内部は客室や広間などが見学できるようになっていて、昭和の温泉旅館の雰囲気を感じることができます。

 今回の見学では一般のお客さんがご覧になる見学部分の他に構造の補強をした部分も見せていただくことができました。この建物は木造の3階なので普通このような状態ではこの地域に建てることは出来ませんし構造計算も必要です。観光施設として利用しているわけですが、いろいろな打ち合わせを行い特別の許可のもとに使用できる状態になっているのです。間取りや開口部をできるだけ残すことを考えた結果、補強のみに使う部屋を設定しその部屋を耐震のコアとして考え他の部分をもたせています。その為補強を重点的に行った部屋の中はすじ筋かいだらけで部屋の向こう側まで行くことができません。そのほか、小屋裏に補強がされていたり、壁に合板が張られていたりと、補強したのが分からないように補強されています。多くの方々が知恵を絞り、苦労されてこの建物が保存されているのが良く分かりました。


 起雲閣は大正8年に別荘として建設された後、昭和22年からは旅館として使われ平成12年から熱海市の所有となり一般公開されています。美しい庭の周囲にいろいろな時代に建てられた建物が並んでいます。

 見学の際にはじめに入るのが麒麟の間です。ここは青い壁が特徴的な座敷で庭を一望することができます。2階の座敷からの眺めは建物の周囲の様子からは想像できない緑豊かで美しいものです。この建物も耐震補強がされていて、木製の格子を耐力壁として新たに設置してあったり、基礎周りを鉄筋コンクリートで補強している部分を見ることができます。また、つづく玉姫・玉渓は建物自体は洋館といった感じの外観です。内部は玉姫のアールデコ調の光天井がとても美しく床のタイルとあわせて軽くきらびやかな空間となっています。一方玉渓は中華風のような北欧風のような装飾が施された部屋で力強さを感じる衣装になっています。その後展示室やローマ風浴室などを見て周り最後に庭に出ます。建物全体としてはいろいろな時代のいろいろな意匠が取り込まれていて統一感という点では評価しにくいですが、それぞれはさすがに手の込んだ仕事がしてあり見ていて楽しいものでした。


 旧日向邸は昭和9年に建てられました。日向氏の死後長い期間、民間企業の保養所として利用されていましたが平成16年に熱海市の所有となりました。現在見学は予約制となっています。この建物の庭園の下の地下室に作られた離れはドイツ人建築家ブルーノタウトの設計によるもので、日本的なのものと洋が独自の手法で表現されていると言われています。

 建物に入ると1階の広間がありそこでブルーノタウトのビデオが見られるようになっています。そこから地下への階段を下りてゆくと離れとなります。上屋の前にある海に向かった庭の下に離れがあるので、地上からは離れの存在が分かりません。離れは大きく分けると3部屋からなっていて手前から、社交室、洋間、日本間となっていて洋間と日本間には少し高くなった部分が隣接していて上段と表記がされていました。もっとも印象的なのは洋間の上段で真っ赤な壁が縦横の木縁で装飾され幾何学的でありながら和を感じる空間になっています。和室も太目の鴨居、回りぶちによって空間に均一間が生まれ独特なスッキリとした印象を受けます。そして、なによりも海に向かって開けられた開口部からの眺めはすばらしい。洋間についてはこの景色を眺める為の意匠にも感じられました。

 
今回の見学では3つの建築物を見てまわりましたが、普段建築雑誌などで新しいデザインや新しい素材を使った建物をよく目にしていたり、実務の中で性能や設備に重点が置かれがちな仕事をしている中で、時代が変わっても評価されるものの魅力に触れることができ、それについて考える時間をもてたことが良かったと思います。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

卒業制作作品展に行ってきました

「常葉学園大学造形学部卒業制作作品展」に行ってきました。以前から中間発表などを見せていただいていたものの完成品が展示されていました。

 先日の発表会から図や模型が追加されていて、イメージが伝わりやすくなっていました。全体的に建築的な視点よりデザインや発想にポイントが置かれているかんじで、自由な発想と理論の展開を興味深く拝見してきました。そんななかで自分の卒業制作のことをふと思い出したりもしました。

 また、今回の作品展では建築デザインだけではなく立体造形やメディアデザインといった分野の作品も展示されていて、現代美術のようなもの、かなり大きな彫刻のようななものなどもあり、よくできていて感心するものがいくつかありました。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「学生建築デザイン合同展」準備中

 建築士会の青年委員会では「学生建築デザイン合同展」の企画・準備を行っています。これは建築・デザインを学ぶ学生と実務に携わる青年建築士が合同で作品展示を行い交流することで、お互いの表現を見たり意見や情報を交換することを目的として行われます。これまで二回浜松で開催されていたのですが、今年度は静岡と浜松の二会場で開催され、静岡は静岡市役所本館1階市民ギャラリーにて3月18・19の二日間の開催となります。

 現在その準備の真っ最中で参加校との調整、会場の準備、広報の段取りなど青年委員会の仲間が仕事の合間をみて活動しています。いろいろ大変ですが、市民の皆さんにデザインと建築というものに触れていただくことと、建築士の仕事を知ってもおうということで動いています。また、学生さんたちの作品もどんなものが出展されるのかということも非常に興味があります。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「木づくり連絡会」に出席しました

 昨日、掛川で開かれた「木づくり連絡会」という会合に出席しました。昨年行われた「板倉工法セミナー」の参加された方々が20組ほど集まりました。私はそのセミナーには参加していませんが木造塾の関係の方に声をかけていただいたので参加させてもらいました。参加者は静岡から浜松の設計事務所・工務店・材木屋などのいろんな業種の方々でした。会の目的は木に関る仕事をしているなかで、もっと情報交換をしたり、広くPRしていく方法を探っていこうというものです。

 みんなでお金を出し合って広告を出したり小冊子を作って配ったらどうかという提案もありました。それに対してお金さえ出せば作れる広告ではなく、情報の交換や勉強会をこの仲間で行っていき個々が力を付けていくこと、見た目ではなく本当に知識と力のある設計者、施工者、生産者になることが大切なのではないかという意見も出ました。そのほか、自分の仕事のこれまでの状況やPR活動の失敗談からの提案などいろいろ出ましたが、今後この集まりが進んでいく方向性をしっかり出すまでは至りませんでした。

 しかし、それぞれいろんな立場でいい物を作っていきたいという思いがあることは確認できましたし、真剣に木造建築のことを考えている方々にお会いできたことはプラスになりました。今後どのような形になっていくのかは分かりませんが、良い形でつながっていけばいいなと思っています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )