内閣改造。政治家は「命がけでやります」と言う。そんな言葉を誰が信じようか。
本当に命がけでやっている人は、もくもくと、既に身をすり減らしてやっている。
これから頑張るみたいな言葉に聞こえてがっかりだ。
地べたを這うような努力を政治家がしているか?
閣僚の何人かは野党時代からよく知る人がいるが、ポーズポーズ。真面目に政策提案したり問題提起しても「それじゃあ分かりづらい」つまり「選挙で目立たない」からスルー。人によっては、女性スキャンダルもあり、お金の問題も抱える。が、今まで注目されていないから、なかなか大衆紙や一般紙も気づかないままスルーされている。そういう人ほど「命がけでやっている」と言うものだ。
しかし、そんな政治家を野放しにしている一番の原因は有権者にある。選挙にも行かず、行っても適当に有名人に投票したしっぺ返しは自分に回ってくる。
政権交代の直後、非公式の勉強会で雇用関連のレクチャーを頼まれ、その後、大臣になったり重要ポストについた議員に聞かれた。「10年後、20年後の日本のビジョンをどう描いたらいいか」。
「それは、あなたたちの仕事だろう」と怒ってやりたかった。私は「私たちの世代は10年後、20年後、生きていたいと思っていない人もいる。きっと、健康で自給自足できる土地があれば幸せな世の中になっているのではないか」と言ってみた。きっと、「そんなことはない。私たちは頑張っている」と私に怒るのではないかと期待したが、大臣級の議員から「そうだよねぇ。そんな日本に誰がしたのだろう」とため息をつかれた。また、ある旧大蔵省出身の50代の議員は「そんなことでは、納得させられない」と言った。また、話のなかで、私が「医療、福祉、介護や保育の分野の労働を改善しないと共倒れになる」と、医師会が試算した投資効果も引用しながら力説すると、大蔵出身の議員は「それが大事なのはわかるけど、医療費上がっちゃうからね。その分、どこの分野の経済を引っ張ればいいの?」と私に質問した。また、ある外務系の議員は「やっぱり、規制緩和だよね」と聞いてきた。その議員は、規制緩和で恩恵を受ける会社の社長と懇意にしていた。
上記の内容を残るものに綴る気はなかったが、もう、書くに十分だろう。民主党には呆れ果ててしまった。
政治家よりずっと、医療や介護、福祉の現場の者が命がけで、国民の命を救っている。