@古い小説から歴史的背景はもちろん現代でも必須とされる「組織のメカニズム」、「説得法」、「ノウハウ」が詰まっている、というこの書籍。おすすめは「戦争と平和」「マクベス」「聖書」だ。ネット情報以上に興味分野超えたものを選ぶのも「新たな術」を学べる。
『だから古典は面白い』野口悠紀雄
ネットなどからの情報源には「フィルター」が施されていて本人の思考に合わせた情報が主となっており、その思考分野を超えた情報は「レコメンデーション」もこない。「古典に新しい情報はない」と思うのは早計。著者のお勧めの現代でも役に立つ書籍(古書)
・組織のメカニズムを知りたければトルストイの『戦争と平和』
ビジネス書より価値が高い(登場人物・歴史的背景・戦争と人間の行動)
老いぼれクツーゾフ総司令官・将軍の歴史法則からみた洞察
大量情報からではなく背後の運動法則を把握(人や組織)
日本の1980~90年バブル崩壊(いつまでもいいことは続かない)
日本の構造社会・組織は改革を受け入れる構造になっていない
人間の徳行「勤勉と知識」人間の悪徳「怠惰と迷信」(ニコライ・ボルコンスキイ公爵)
・人を説得する術を知りたければシェイクスピアの『マクベス』
人間操縦法の教科書(人間関係や人間心理の微妙さを理解)
魔女は収集した情報を予言の様に言っただけ
知りたいと思っていた情報、直球を受けたマクベスは行動する(実現可能な目標)
「あなたは、本当は実力があるのに、正当に認められていない」(殺し文句)
周到に調査した情報を提供することで信頼を得る(予言)
・説得法等のハウツウは『聖書』
ドラッカーよりも豊富な法が多い
文学や絵画を理解するための書
秘密は比喩にある
「大事なものや新奇な発想はそれにふさわしい環境におけ」
「金持ちが天国に迎えられるのは、ラクダが針の穴を通るより難しい」
「種を撒く人」「路の傍に落ちた種は、鳥が食べてしまう。石の地に落ちた種は、芽が出るけれども枯れる。良い土地に落ちた種は、実って何十倍にもなる」
・アンチエイジングでなくゲーテの『ファウスト』
「悪魔は年寄り、歳を取らないと悪魔の言葉はわからない」(世の中の仕組)
歳を取るほど知的能力は高まる、だが能力を使い切るだけの時間的余裕が減っていく(ゲーテは74歳で19歳のフォン・レヴェエッフの求婚を申し出る)
学問の心得・財政難への事業(金融緩和)~開拓事業(構造改革政策)
ゲーテ「人間は努力する限り迷うものだ」
・歴史が伝えるもの
日本で最も有能な指導者・東郷平八郎(日本海海戦・バルチック艦隊撃破)
香辛料ビジネスで金儲けを企んだマゼラン(人類最初の地球周航)
マゼランの3つの発見
「地球を周航・1日ずれる・マゼラン雲(銀河系の河・南半球)」
北米ゴールドラッシュで金持ちになりここねたジョン・サッター
ドイツ生、31歳で北米に逃れメキシコ領(カルフォルニア)で農業開拓
1848年黄金を発見、全米に噂が広がりゴールドラッシュ
1849年世界から殺到「フォーティーナイナー49年の人々」が誕生
二人いた兄弟が殺され財産は暴徒によって略奪、破壊されてしまう
残った財産で合衆国を訴え利権を得たが、1855年三人の息子が殺害
1880年国会議事堂の階段の上で請願書を持ったまま死亡
採掘者の多くは破綻、設けたのは周りで商売をした人間
生活必需品販売をしたブラナン
乾物商売、その後ジーンズを販売したリーバイス
送金・輸送・郵便を手掛けたウイリアム・ファーゴ(銀行家)