血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

13年クラシックロード(牝馬)

2013-04-26 18:42:38 | 雑記・その他
 今回の血統徒然草は、13年クラシックロードの有力馬達の血統構成を、簡単にではありますが考察してみたいと思います、お付き合い頂ければ幸いです。


アユサン(ディープインパクト×バイザキャット-Storm Cat)牝・10生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=233501

主:7 結:4 土:3 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:3 SP:3 ST:3
合計:34点 クラス:3B 芝:8~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 主導は、Northern Dancer5×4の中間断絶クロス。その中のAlmahmoud5・7×6の系列クロスで実質的に血統をリード。前面に他の影響の強いクロスが存在しない事も幸いして、比較的明瞭な主導だとは言えるが、Northern Dancerに対するAlmahmoudの位置が悪いのが若干惜しまれる。加えて、主導たるNorthern Dancerが母系に強い米系をまとめられなかったのが残念であり、父のスピードの源であったTurn-toや、Court Martialが欠落したのも惜しまれる。ここが、当馬の血統から見た限界点であると言える。しかしながら、Somethingroyal~Princequilloのスタミナをかろうじて主導と結合させているのは評価に値する点で、ある程度の距離延長に対する適性を秘めているのは指摘しておきたい。更に、7代目ではあるがTetratemaの決め手も隠し味的に生きている為に、瞬発力も悪く無いと考えられる。

レッドオーヴァル(ディープインパクト×コートアウト-Smart Strike)牝・10生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=231981

主:6 結:5 土:3 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:4
合計:35点 クラス:3B 芝:7~11F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 主導は、Northern Dancer5×4の中間断絶クロス。その中のAlmahmoud5・7×6の系列クロスで血統をリードしている。しかしながら、Turn-to5・7×6の中間断絶の影響も強く、若干だが主導の明確性に影を落としている。重ねて、似たような血統を持つアユサンと同様に、Court Martialが欠落したのも惜しまれる。しかしながら、生かされたスピード・スタミナはかなり強靭で、力強い血統構成だあると言えるだろう。従って、本質的には中距離馬であるが、距離の融通性はかなり高く、重ねて成長力も期待できるだろう。また、父の決め手の源となったTurn-toが前述したように主導の明確性を乱しているものの、再度の継続クロスを重ねた為に、決め手を秘めた血統と言う事ができるだろう。

プリンセスジャック(ダイワメジャー×ゴールデンジャック-アフリート)牝・10生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=232882

主:8 結:5 土:3 弱:4 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:34点 クラス:3B 芝:7~10F ダ:6~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 主導は、Northern Dancer4×4の中間断絶クロス。その中の、Almahmoud5・6×6及びLady Angela5・6×6の系列クロスで全体をリードしている。この両者が存在しないBMSアフリートが全体から離反しているものの、それ以外の3ブロックにおいては、非常に強力に血統全体をリードしている。また、父がNasrullahを、母がRoyal Chargerを持たない為に、この両者がクロスせず、そのスピード源だけを抽出しながら、Gainsboroughの流れを強固に保っている。近年では珍しいシンプルな配合で、それだけに豊かなスピードに恵まれた、血統構成となっている。惜しむらくは、これといったスタミナの核の確保に失敗している点で、距離延長は不利だと推測されるが、芝・ダートや重馬場を問わない全天候型の血統構成と言えるだろう。

ラトーナ(Dansili×レトⅡ-Diesis)牝・10生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=231962

主:8 結:5 土:3 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:4
合計:39点 クラス:1A 芝:9~15F ダ:8~11F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 主導はNatalmaを伴うNorthern Dancer4・6×4。Almahmoudが欠落するものの、ほぼ系列クロスを形成し、非常に強力に血統をリードしている。反面、近親度がかなり強いものの、各系列はしっかりと結合をはたしている。従って、仕上がった際はかなりの破壊力を秘めていると言えるだろう。また、生かされたスピード・スタミナは非常に強靭で、特にスタミナ面はCrepello・Princequilloがクロスし、しっかりと結合を果たしている。これは、かなりのレベルで、NasrullahやTudor Minstrel等のスピード要素も強いため、本質的なステイヤーとは言い難いものの、15F克服は十分に可能。切れる脚はあまり期待できないものの、7代目のクロスを勘案するに、長く脚を使える可能性は高い。是非とも無事の開花を目指し、長い眼で鍛えて欲しい好配合である。

トーセンソレイユ(ネオユニヴァース×ウインドインハーヘアー-Alzao)牝・10生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=234006

主:6 結:5 土:3 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:5
合計:39点 クラス:1A 芝:8~15F ダ:8~12F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 主導はAlmahmoud5×6の系列クロス。次いでHyperion6・7・7・8・9×6・7・7で血統をリードしている。この両者は強力に結合を果たし、一般レベルでは優秀だと考えて良いものの、半兄であるディープインパクトほどの明確性は保てなかったのが惜しまれる。また、父の世代が一世代後退した為に、その結合力も若干低下してしまっている。従って、兄ほどの軽快さは無いと考えてよい。しかしながら、母父のポインテッドパスが、母ウインドインハーヘアーと呼応し、その重厚なスタミナを上手く引き出しているのは大きなセールスポイントで、この部分では兄を上回ると考えて良い。また、父父サンデーサイレンスのスピードを上手く引き出しているのも兄と同様で、完全開花した際には重厚かつ反応の良いスピードを見せる事ができるだろう。また、血統全体でこれといった弱点や欠陥は存在せず、非常に安定感のある血統構成。開花には相当の鍛錬が必要だと考えられるが、ウインドインハーヘアーの血を繋ぐ意味でも、是非とも無事に開花をして欲しい。


 今回は13年の牝馬クラシックロードにおいて血統的に見所がある配合と、桜花賞の上位馬を取り上げてみました。簡単にではありますが、今回はこんなところで。