同じ毛の本数であっても、20代のはじめまで太く硬かった髪が、年齢を経ていくにつれて細く柔らかくなっていくことがあります。さらに、薄毛が進んで細い毛が産毛のように頼りなく見えにくい毛となっていくこともあります。
太い毛と同じ本数の細い毛や産毛が生えていても、頭髪全体のボリュームはとても少なく見えるのです。特に男性型脱毛症(AGA)では、この傾向があります。こうした症状は、先ほど説明したように、成長期間が短くなることが原因となって起こります。
男性型脱毛症では、成長期が数ヶ月、一年ぐらいと、通常の2.7年と比べると端に短くなるため、本数自体は多くても、細い毛や産毛のような毛がほとんどとなってしまい、いわゆる禿げた状態に見えるのです。また薄毛は、ヘアサイクルが短くなることとともに、加齢による老化や男性ホルモンによって新陳代謝が悪くなり、栄養が十分いきわたらなくなることにも起因します。
毛の成長が阻害されていくと、退行期・休止期のあとに抜け毛があっても次の成長期が訪れない――つまり新しい毛が生えてこなくなってしまい、毛髪の数が少なくなってきます。