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切らない治療の画期的な最先端技術を、精美スキンケアクリニックの山本博意院長がお届けします。

(3-4)乾癬の最新レーザー療法と複合レーザ-療法

2009年07月27日 | 3、乾癬という皮フ病と治療法
今回は、乾癬の最新レーザー療法と複合レーザー療法についてお話します。

乾癬治療においても、体質的な原因や重症例や広範囲に病変が及ぶ場合などで、PUVA(プーバ)療法やナローバンドUVB療法でも望ましい治療結果を得られない患者さんもいらっしゃいます。

しかし、そんな難治の症例であっても、ハーバード大学皮フ科のウェルマン研究所で乾癬治療用に開発された最新のスキンリカバリーレーザー治療で治る場合が少なくありません。スキンリカバリーレーザーとは、最も治療効果が高く安全性もあるという308nmの波長を持っています。

レーザーなので、ナローバンドUVBを広範囲に照射するライトとは違って病変部だけに光線を照射することができます。また、ナローバンドUVBのライトと比較して百数十倍のピークパワーがあるため、短期間で治療効果が上がるケースが多いのです。

乾癬の複合レーザー療法

乾癬は合併症などを起こすケースや、症状が良くなったり悪くなったりするケースも多い皮フ疾患です。基本治療は、先ほど紹介したスキンリカバリーレーザーが適応する場合が多いのですが、合併症を起こしている場合や小康状態を保っている場合には、傷の治癒を促進する効果があるUVA1療法や低出力のナローバンドUVB療法などを併用することもあります。

私が10年以上、美容皮フ科の専門医として最先端の医療レーザーにたずさわってきた経験では次のような例がよくあります。

それはレーザー治療や光線療法では、一つの治療機器で治療効果が上がっても、ある段階で効果が出にくくなるときの治療です。そんな場合に、症状に合わせて別の種類のレーザーや光線療法、外用剤や内服剤を用いると最初に使ったレーザーとの相乗効果が出ることが少なくありません。

乾癬治療についても、この複合レーザー治療は高い治療実績を上げています。もちろん、レーザーや光線療法だけでなく、外用の軟こうや内服薬を併用することもあります。

ナローバンドUVBのライト療法だけでは、ほとんど効果が出なかった患者さんでもこの複合レーザー療法で治ることもあります。

次回は、光線療法の免疫強化による健康維持についてお話します。


(3-3)従来の乾癬の治療法

2009年07月21日 | 3、乾癬という皮フ病と治療法
今回は、従来の乾癬の治療法についてお話します。

乾癬ができる部位と範囲は様々です。また、掻いたことなどが原因となって、感染症を起こすなど合併症が起きている場合もあります。また、外用剤・内服剤といった薬を使う場合は、薬による副作用を起こさない体質かどうかを確認する必要もあります。

乾癬にはこの治療が最適というものはなく、患者さんの年齢や生活環境、どのぐらいの頻度で通院が可能かなどによっても治療方法が変わる場合もあるので、それらを医師とよく相談してベストの治療計画を立てるのが良いでしょう。

一般的な治療法としては、つぎのようになります。

・外用薬
乾癬治療に使われる外用剤(軟こう)は、かつてはステロイドが多かったのですが、最近ではビタミンD3外用剤が、効果と副作用の少なさのバランスがいいことから主流になっています。

・内服薬
乾癬治療の内服薬では、免疫抑制作用を持つシクロスポリンという内服薬が効果をあげる場合があります。

シクロスポリンは臓器移植手術後に、体内の免疫システムが他人の臓器を異物として拒絶反応を起すのを抑える目的で使われ始めた薬剤です。この免疫抑制作用を持つ薬剤の開発によって、臓器移植手術の成功率が格段によくなりました。シクロスポリンは主にT細胞と呼ばれるリンパ球(免疫細胞)の働きを抑える作用を持っています。

乾癬への適応は、乾癬の患者さんが肝臓移植手術を受け、手術後にシクロスポリンを飲むと乾癬が良くなった症例が注目を集めたという偶然が幸いして認知されるようになってきました。

・紫外線照射治療
白斑と同じように、乾癬に対しても紫外線を照射する光線治療は有効です。
光線療法は、白斑治療のところで紹介したように、全身または皮フ炎と周囲に少量の紫外線を繰り返し照射する治療法です。

紫外線とは、ある範囲の波長の光線を指す言葉ですが、実際の治療では長波長紫外線のUVA波、中波長紫外線のUVB波が使われます。

UVA波の治療では、照射前にメトキサレンという薬を塗布するか服用して吸収を良くする必要があります。この療法は、PUVA(プーバ)療法と呼ばれています。
 
UVB波を使う療法では、白斑治療のところで紹介した311nm(=ナノメートル)の波長のみを選択的に照射するナローバンドUVB療法が効果を上げています。それもそのはずで、もともとナローバンドUVB療法は乾癬治療のために開発されたものです。

しかし、これらのライトによる紫外線照射療法では、乾癬ができている部位の周囲にある健康な皮フにも紫外線が照射されることがあるので、副作用を防ぐため専門医の適切な治療・指導が必要です。

また、副作用を抑えるために照射のピークパワーが非常に小さく抑えられていて、長期間にわたる治療を続けないと効果がなかなか表れにくいという問題点もあります。

次回は、乾癬の最新レーザー療法についてお話します。

(3-2)乾癬の原因

2009年07月13日 | 3、乾癬という皮フ病と治療法
今回は、乾癬の原因についてお話します。

残念なことですが、乾癬という疾患は、白斑よりもさらに原因が解明されていません。私自身は、自己免疫の異常ではないかという説に近い考えを持っています。

はっきりした原因はわかりませんが、次のようなことがあると症状が悪化しやすいので、発症している人は、気をつけたほうが良いでしょう。

・過労やストレス
これは、どんな病気にもいえることですが、疲れがたまったり、ストレスを感じ続けたりしていると乾癬は悪化します。疲れをためないような生活を心がけたほうが良いでしょう。

また、長期間治りにくく、良くなったり悪くなったりを繰り返す乾癬やアトピー性皮フ炎といった皮フ疾患では、ストレスがかかると症状が悪化しやすい傾向にあります。

特に疾患そのものがストレスになると症状が悪くなる悪循環が起こりがちです。こうした悪循環を断ち切るには、正しい治療を続けるしかないと思います。

・食事・アルコール
肉類や脂肪分の多い食事の摂り過ぎは、乾癬の皮疹を悪化させます。植物繊維やたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをきちんと取るバランスのよい食事を心がけましょう。

また、アルコールの摂り過ぎも乾癬の皮疹を悪化させます。飲み過ぎないように注意してください。

・感染
風邪やインフルエンザ、虫歯などの感染症にかかると、乾癬が悪化することがあります。うがいや手洗いの励行など風邪やインフルエンザの予防や、虫歯の治療など感染対策を心がけ、できるだけ健康的な生活習慣を心がけましょう。

・薬物
薬剤の使用後に乾癬が悪化することがあります。生活習慣病などの薬を服用中の人は、使用前に悪化することがないか医師と相談したほうが良いでしょう。万が一悪化した場合は、そのことを医師に伝え速やかに他の薬に変更してもらいましょう。

・皮フへの刺激
乾癬では皮フのかゆみが出たり、皮疹の表面がぽろぽろとはがれ落ちたりするので、それを気に病んで洗いすぎることがあります。

しかし石鹸などでごしごしと擦りすぎると、症状を悪化させたり感染症を引き起こしてしまうことがあるので、清潔さを保つ程度でよく、あまり刺激が強い石鹸やボディーソープは使わないほうが良いでしょう。

次回は、従来の乾癬の治療法についてお話します。

(3-1)乾癬の症状

2009年07月06日 | 3、乾癬という皮フ病と治療法
今回は、乾癬の症状についてお話します。

乾癬も白斑と同じように、これまで治りにくいといわれてきた皮フ疾患です。
 
皮フが赤みを帯びて腫れたように盛り上がり、皮疹と呼ばれる状態になります。皮疹の表面が、ぽろぽろとはがれ落ち、垢が出ているように見えます。しかし、これはあくまでも不潔なせいではなく病変だから起こる症状です。

乾癬はいろんな部位にできますが、ひじやひざ、頭、手首や足首、手や足の甲など擦れやすい部位にできることが多いようです。
 
また、乾癬にはかゆみがあり、症状が悪化するとかゆみが強くなる傾向にあります。しかし、かゆみに負けて掻いてしまうと、症状がさらに悪化したり皮疹の周囲や別の部位に広がってしまうために、かゆくても掻くのは厳禁です。

患者さんも掻いてはいけないと知っている場合でも、つい無意識に掻いてしまったり寝ている間に掻いてしまったりすることがあります。乾癬は目に見えるところに出やすいので患者さんにとって大きな問題となりますが、かゆみという問題もあるやっかいな皮フ疾患といえるでしょう。

しかし、他人に感染したり遺伝したりする病気でないことは確かなので、心ない人からそのようなことを言われても気にする必要はありません。

次回は、乾癬の原因についてお話します。