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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

影を堀る

2005-07-17 20:19:28 | 思考錯誤
K-esさんの“影“にふれた記事を読んでいて思い出した事がある。


エッセンという街の外れにMeteorit という名のいわゆるエネルギー科学館のようなものがあって、その中に一つ円形の部屋がある。
中に入って数秒後に目のくらむようなフラッシュがたかれ、その時にとった自分のポーズが壁面に焼き付けられて30秒ほど残るのだ。
つまり壁に塗られた特殊塗料が光を励起する。壁面全体にフラッシュがたかれた瞬間に私が作った影部分だけが反応せずに壁に残るというわけだ。その影は私から切り離されてまとわりつかない。これは頭ではわかっていてもなんとも妙な気持ちにさせる。両手を上げて凍りついた影に私は右手をピストルの形にして近づいて行く。こうなってくると私の影なのに、私の物では無くなってしまうのだ。
私はこの部屋がいたく気に入って、何度も自分の影を壁に焼き付けて遊んだ。

それにしても影は実体よりも存在感を持つ時がある。
だから私は影が気になって仕方ないのでそれを写真に撮って見る。
昨日も撮った、今日も撮った。
私は写真が上手でないので思うように撮れず、後で見るたびに“なあ~んだ、ただの影だった。。。”と毎回思わなければいけない

影に思いを馳せていたら、私はふいに“影を掘る”という作業をしている自分を想像してしまった。
その影は、水を含んだ真綿の様にしっとりと重たくて、掘っているうちに私はその影の重みで引きずられてしまい掘った穴の中にはまってしまう。
妄想は八方に向かって繰り広がって行くのだけれど、私に文才はないから、是非”影堀の話”を誰か書いてくれないものかと思う。そしてそれをよんで確認してみたい。
影が何故そんなにおしゃべりなのかを。

掘り起こした影を引き取ってくれる人募集中!

過去記事"影狩り” :影についてのメモ書き。)