散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

絵のような Nr.01

2008-01-31 18:40:08 | 写真


街はカーニヴァルで不思議な格好をしたものたちが彷徨しはじめている。
私はまったくその気が無いので普段どうりだし、今の時期飲み屋に入るつもりもないから実感も無い。
ただ時々妙な格好で堂々あるいている者たちが平常空間に移転してきたのが少々シュールでもある。
買い物にスーパーマーケットに行くと、パン屋のお姉さんはピエロの格好で接客し、レジのおばさんのほっぺたには真っ赤なハートが浮き出だし、中に流れる音楽はカーニヴァルソング。
かといって浮き立つ感じは無くちょっと疲れた空気が流れている。
カーニヴァルの賑やかな曲がまったくそぐわない。なんだかミステリーゾーンまで後数歩。。。といった感じがしたのは私だけなんだろう。




(画像)

+足拭きマット
+アルコールの中で浮遊するボケの種
+板に書いた絵の部分



まじない

2008-01-30 09:40:48 | 写真


『おはようございます、今日はいかがですか?』
『はい、まだ順調です。』
『そう、それは良かった。』 コツ、コツ、コツ。
歯医者に行った。
今回はコントロールだけだが、先々週の事、被せ物が外れてしまった。何とかもう一度修繕してもらったが、このつぎ取れてしまったら抜かねばならないだろうという話だから”まだ順調”と答えたわけだ。

最後のコツコツコツは机を叩く音である。

これには災厄から身を守る意味がある。コツコツコツと叩きながらToi,Toi,Toiといったりもする。
叩くのは木なら何でも良い。木の机、木の椅子、木のドア、木のドア枠だって良いし、木ならお盆だって箱だって何だっていいのだろう。
何かが巧くいくように、無事に事が済むように祈りながら木を三回叩く。

昔、抗夫たちが木材で支えられた坑道にはいる前に、その木枠組みがしっかりしているかを確かめる意味で叩く習慣があった。乾いた高い音はよし、くぐもった音がしたら問題ありということになる。そこからこのまじないが始まったという説がある。

またToi Toi Toi と三回唱えるのは、もともと悪霊の嫉妬を避ける護身のまじないだったそうだ。
巧くいった話、幸運を口に出してしまったとき、耳ざとい悪魔はそれを聞きつけて意地悪を仕掛けにやってくる。だからすぐにToi toi toiと唱えて防ぐ。または木を叩く。
Teufel(トイフェル)=悪魔という言葉からTeu(トイ)=Toi(トイ)となったという説があるが、また以前は同じ意味合いで三回つばを吐いたらしく、後にそれが見苦しいということで擬音に変えられたという説もあり、Toiはつばを吐く音なのである。

唾液には災厄払いの効果があるという。裏返して運を呼ぶ。
なるほど、だからカジノでサイコロを振る前につばを吐きかけたり、吐きかけるまねをしたりしているのだ!

今ではToi Toi Toi や木を三回叩くまじないは、試験の前やら、大きな仕事の前やらに"成功を祈る”という時などに行う。

この危うい歯がこのまま巧く長持ちしますようにと医者は机を叩いてくれたというお話。
ところであの机は木製だったかな?

あり得ることだとおもうけれど机もドアもスチール製だったりしたらいったい何を叩けばいいのか? 
外に出ても木が一本も生えていないって状況だってあるかもしれない。
フム、これはひょっとして"携帯まじない木”という物を考案したらいいんじゃないか?
どこでもどんな時にも災厄払いの板を持っていれば安心です。
おひとついかがでしょう?ご注文お受けいたします。。。。。。



なんてね?


今日の庭報告

2008-01-28 09:40:48 | 植物、平行植物
一月二十七日日曜日




箱庭の土を替えなければといいながら2,3年たってしまった。
もちろん肥やしを足したり、新しい土をほんの少し混ぜ込んだりはしているが、多分足りないのかも知れない。それでも毎年沢山の白い粒をゆらゆらと躍らせる"マツユキソウ”は仲間を増やしながら期待どおりに現れる。
純白の雫が美しい。
この蕾を観るたびに私はアーモンドドラジェのすべすべと冷たい肌の砂糖衣を思い出す。
花が一回り小さくなった様子なので、今年こそは栄養たっぷりの土を入れるつもりだ。





待つ雪草の後ろには白花の菫の株が一叢立ち上がって、小さな蕾が根元に沢山見え隠れしている。 
ところが紫の菫の株が見えない。
匂い菫は好きでたびたび植えるのだが彼女は実に気まぐれだ。
いっぺんに5倍にも6倍にも増えて隙間を埋め尽くすかと思えば、翌年すっかり姿を見せないこともある。
何が気に入らなかったのかまったくわからない。
まあ、思い通りに行かない気質って言うのも気に入っているかもしれない。
其のたび驚いたり、悔しがったりするのも楽しい。

アケビの花芽もほぐれてきた。今年はもう一株買い足してアケビの実を手に入れたい。毎年山ほど花は咲くけれど、それでは足りないらしいのだ。どうやら多株必要らしい。
杏のまん丸の蕾はまだ硬いとはいえ、先端は紅を挿したように赤い。早く咲かないかなあ。
山茶花の蕾は色づきながらも長いこと気をもたせる。
土佐ミズキは今年は花付が悪いようだけれども、花芽は宝珠のような形に膨らんでいて、クリーム色の大きな雫が殺風景な枝の先にあしらわれているのが心楽しい。


 
 

 

2種類のヘレボレスが咲き始めた。
花の無い時期に咲くこの花はうなだれて葉陰にうずもれているので、時には見過ごしがちだが、覗き込めば品の良い姿に惚れ惚れとする。
花びらと見えるのは実はがく片であるそうだが、だからこそ長い間美しい姿で私達を楽しませてくれるわけだ。


昨日はちょっと顔を見せた太陽も今日はまた隠れて、一日中空は白灰色で固まっていた。もっとも作業場で仕事をしていたので空がどうだろうと関係ないってわけだが、それでも太陽が出ると一気にパワーが出る。ウルトラマンじゃなくとも太陽電池は有効だ。
今日はガラスの箱を4つ完成。
ガラスをきったり磨いたりしていると手や腕に極細かい見えないようなガラス片が刺さるのでちくちくとい痛痒い。

さて、友人から送ってもらったお茶を頂きながら、もう一仕事。。。。

BlurBlur

2008-01-27 17:30:36 | 写真
絵のような写真
これじゃ何が移っているのかわからない。





                                                              ね?

BlurBlur

2008-01-23 10:32:33 | 写真
     
 


頭の中がこんな風になってしまっている感じがする。別に酔っ払っているわけではない。色々な事が重なっていて頭を整理しないとうまく片付けられないかもしれない。壁に頭をぶつけても元に戻らず。

そういえば今朝、美味しい夢を見た。
私はある酒瓶の並ぶ店で試飲させてもらっている。
なんだかそれぞれ美味しい。
最後に白ワインがあった。
すんなりとした首の緑色の壜のエチケットにはチューリップの花が一輪描かれておりなかなか良い感じだ。
そのワインがまた実に美味しい。
どういうわけかチューリップラベルのワインはかわずに、他の酒を数本買いその店の外に出ると、そこはガラス張りのホールでまだ屋根がかかっている。天気も良くて暖かいので、そのガラス張りの壁の際で地面に横になって休んだ。ワインのほかの荷物は数冊の本で、ワインの本全6巻というのもあり、なかなか素敵な装丁の本であった。
すると先ほどのワイン屋の店主がやってきて
『なんだ、まだこんなところで休んでいたんですか。あ、その本ねえ、それは古いワインの事を勉強する本ですよ。あなたは新しいワインのことを学ばねば。。。』というのであった。チューリップラベルが美味しかったというと、店から奥方までもが出てきて
『これはあのワインを造るときに出来る副産物なのよ。どうぞ』
と差し出すジャムの広口壜には林檎の砂糖煮のようなものが入っている。(なぜ林檎なのか?)ひとかけらもらって口に入れるとなかなか美味しいので、もうひとかけら頂いた。(このあたりかなり食いしん坊の地が夢の中にも現れる)
そのあたりで夢は終わった。

ほんとにチューリップラベルの白ワインないものか?
あれは美味しかったなあ。


 



Helleborus

2008-01-23 00:00:07 | 植物、平行植物


Hellenorus orientalisが咲いた。

たおやかな冬の花






アケビの蔓にも薄き緑の小さな握りこぶし

サンザシの枝先には開いた小さな緑の手の平





今日は昨日に比べて寒い。
妙に生ぬるい空気がこの2,3日停滞していたから
余計にそう感じる。
去年の一月の今頃には酷い嵐が来てあちらこちらの大木が倒れた。
ここしばらく風が強く雨がよく降るので、また嵐なぞこなければいいがと空を睨む。





ローズマリー

2008-01-21 08:53:46 | 植物、平行植物
このごろ私が拝見しているブログでも、ローズマリーの花が咲いているという報告を良く目にする。 かなり寒い時期にも花をつけるのでうれしくなってしまう。



Ros 露 marinus 海 ローズマリーは海の露。

血行の循環を促し体の温まる香草である。また消化腺の働きを促進するため食欲不振に用いると効果があるというが、確かにローズマリーの香りを嗅ぐと食欲が出てくる。
しかし私の場合、単に条件反射か? 
私はこの香草を料理に良く使うのだ。この香りを嗅ぐと新ジャガイモとにんにくのオーブン焼きやらラム肉の香味焼きなどが瞼の裏に浮かんできてしまう。
友人の庭に大きなローズマリーの茂みがあって、その脇に座ってときに枝葉を撫で回しては、思い切り息を吸い込むと気分が良い。
我家のローズマリーはもう8年ほど同じ箱の中に植え放しで、そろそろ植え替えてやろうと思いつつなかなか実行していない。
それでもまだ元気そうにしている。 
少しずつ挿し木で増やして、私もローズマリーの茂みを作りたいと思う。

植物に取り付く菌の退治にはこの香草のお茶を使うと良いと言うから、剪定した枝葉も煎じて使う。煎じ液を風呂に入れてつかると身体も温まる。

香草は全体に興味があるので集めているが、中でも特に気に入っている香草だ。

ローズマリーの象徴は愛、忠実。オフェリアは忠実を誓ってハムレットにこの枝の冠を編んだ。
昔ドイツでは花嫁花婿はローズマリーの輪を冠ったそうである。
また死者への追悼の象徴もでもある。

そろそろ花便りが少しずつ増えてくるだろうか?


取り立てて書くことがない昨日今日のこと。

2008-01-17 17:30:03 | 思考錯誤




冬の寒い間は芯まで凍ってしまった雑草のように体がギクシャクしているわけで、何かの拍子にポキッと音がして折れるのじゃないかと思う。肩も腰もバリバリぽきぽき音がしてとても賑やかだ。
筒井康隆の小説の中で異星人が『関節話法』でコミュニケートしている場面があった筈だけれど、この調子では私は多分その異星人と会話が可能だろう。
寒いときには動きが鈍るようだ。半冬眠状態。

昨日夕方にお客様が来ることになっており、小さな作品を早急に仕上げた。
そういうことはあわててやるものじゃない。金槌で指を打った。といっても作業に差障りのあるようなことではないのでよいのだが、最近細かい怪我が多い。色々やることが増えているというのもあるけれど、多分集中力が低下しているに違いない。
集中力といえば作業中に朗読のCDを聴いているというのもいけない。
話が始まる。。。鑿槌でガンガン。。。聞こえない。。。戻す。。。朗読。。。ドリルがギュンギュン。。。聞こえない。。。戻す。。。朗読を聞くのも、作業も集中できなくなる。それで指を金槌で叩いたり、指先を切ったりしているんだから自業自得。
結局何を聞いているのかわからなくなってしまうので、ラジオに切り替えた。
(聞いていた朗読はライナー・マリア・リルケのマルテの手記だが、しかしこのCDは朗読の仕方が気に入らないのだった。なんだか不満だ。
私は時々"この本”をパラパラと開いては目に飛び込んだ箇所から一ページほど読むということを時々している。)


今日はまた陶製の額を6個成形した。




I am Legend

2008-01-11 09:36:48 | 映画の話
昨日は友人とひさしぶりに劇場で映画を見た。このごろ映画館で観ようと思いながらなんとなく見そびれてDVDを借りてくることが多い。さすがに映画館で観る映像はそれだけで迫力だ。我家のポータブルな14インチ画面では細部が見えていないことが多い。

特に何を見たいという希望があったわけではなかったので、ちょうど昨日始まったばかりの『I am Legend』を観てみようということになった。
この映画の予告で廃墟化したマンハッタンに鹿の群れが風のように走り抜けるシーンがあって、そのおかげで私はこの映画を観る気になった。あの一場面だけでなんだか想像が勝手に膨らんでしまったのだ。
この映画は1954年にリチャード・マチスンが書いたSF小説が原作で、この原作からこれまで2本映画化されている。最近リメイクがやたら多いのはハリウッドもネタ切れなのか?
それはともかくこの映画書き込みが足りない。映像も隅々まで丁寧に作りこんでいない、脚本も今ひとつペラペラだ。勢いで見せられてしまって後に何も残らず。勢いで見せるだけでも、まあ、すごいことではあるけれどね。
余談だが主人公が連れて歩いていた犬は賢そうで可愛かった。
とはいえ大きな画面で映像を見るということ自体が快感でストレス解消でもあるのでまた何か観に行きたいものだ。



ところで春はちゃんとやってくる。
鳥の囀り方も少し変わってきたようだし、地中は春の準備に忙しいらしい。
あちこちに球根の芽が出始めている。クリスマスローズ(オリエンタリス)の花の蕾がいくつか少し寒そうに身を寄せ合ってうずくまっている。
早く春にならないかな。





今日の話

2008-01-09 23:44:40 | 思考錯誤




今日は"先生の卵”たちに一日セミナー。私のアトリエは15人も入ったらぎっしりなので、うら若き女達(そういえばなぜか女性ばかりだった)の熱気で息苦しくなったほどだ。年末にひいた風邪はほとんど治ったとはいえ30分ほども話し続けていると喉の調子が悪くなってくる。仕舞いに喉を取り出してごしごし洗いたいような空咳の発作に襲われてあわてて水を取りに走る始末であった。
やはり何をするにも健康第一をひしひし感じる今日この頃なのに何も対処していない。
その上年末から食べ過ぎて身体はずしりと重いし、何とかしなくちゃね。といいながら昨日作ったお菓子を食べる。
紫ジャガイモをピューレにしてバター、生クリーム、砂糖を混ぜ合わせて小さなパイ生地の器の中に絞りだして焼いてみたんだけれど、これがわりあい美味しい。
この紫ジャガイモというのはジャガイモ臭さの無い芋で面白いのだ。

どうも最近食べ物の話につい走ってしまう傾向がある。





さて明日は何を食べようか?


クヌート

2008-01-08 08:59:33 | 写真


この写真は我家の階下にある実に地味な田舎くさいブティックのマネキンの頭部である。前を通り過ぎるたびに、良くこんな風なセンスで店が継続するものだと思い、そしてその後"しかし人の趣味は十人十色、、、”と思い直すのが毎回である。


今日は写真とはまったく関係ない話。


先日のTV番組の話。
去年ベルリン動物園で白熊の赤ちゃんが生まれクヌートと名づけられた。母親が育児放棄したため人間の飼育係が育てている白熊である。世界中にファンが居るのだそうだ。
クヌートに会うためにベネズエラから、ブラジルから、カナダから来たとインタヴューに答えている人もあるくらいで、毎週クヌート参りをしている人も少なくないのだそうだ。もっともそろそろ愛らしい小熊の時期は過ぎて立派な若熊になりつつあるから、だんだん熱も冷めていくだろう事は目に見えている。
クヌートが飼育係と現れると待っていた見物客側はまるで流行のボーイズグループかなんかの登場のごとき賑やかさで黄色い歓声が止まないのだ。こういう光景は今までこの国ではあまり見かけないものだったように思う。
いったいこの現象って何なんだ? 
人は共通の場で連帯を持ちながら喜びを共有することを欲しているのだ、とある人は言った。
いずれにせよ暗い、痛い、怖い、悲しい事件や政情に関した報道が次々に押し寄せてくるこの頃の事だ、楽しいとか、かわいいとか単純に無心に心を奪われる対象になる存在は大歓迎ということなんだろう。
そうはいっても、この世界的な熱狂現象には目を見張ってしまう。
首をかしげながらも、小熊が飼育係の養父に甘え、じゃれついて居る映像を観ると、やはり私の顔もすっかり緩んで崩れてニヤニヤしながら見入っているのに気がつくのだった。

MANGA

2008-01-07 18:20:20 | 思考錯誤


上の写真は友人の子供が持っていた"MANGA”である。
"INU YASHA” というタイトルだ。 
最近ドイツの本屋にもMANGAが急増している。ほとんどが日本の漫画を翻訳したものであるけれど、最近ではMANGA世代が徐々に育ってドイツ人のMANGA作家も増えているらしい。
フランクフルトの本見本市にあったというカタログを見せてもらうと、山ほど漫画家が紹介されていた。そういったドイツの漫画家の絵はアメリカのコミックとは明らかに違う。それは日本の漫画タッチなのだ。
この翻訳マンガ本は日本と同じ開き方になっていて、こちらの本は普通日本と逆だから、友人は最初戸惑ったらしいが子供達は平気ですぐに慣れてしまう。
友人の話では、"この漫画はもう読まない”と息子(14歳)が言うので、それなら捨てるにはもったいないから友達にあげたらどうかと促すと
『トンでもないよ!これは女の子向けの漫画だから、こんなの僕が読んだなんていいたくないよ!』と言うのだそうだ。
私の周りに漫画を読む子供が他に居ない所為でその辺のところは良くわからないんだけれど、確かに昔は少女漫画、少年漫画というカテゴリーがあったっけ。
(でもこの"INU YASHA"なんてどっちともつかないように思えるけれど。)
面白いと思ったのは、どこでどういう風にそういう区別が表示されているのか知らないけれど、ドイツ人の子供がそんな事を言ったことだ。驚いた。

こちらのTVでも日本のアニメはずいぶん流れているが一体こんなもの(。。といってはまずいのかな)ドイツの子供が見るんだろうか?と思っていたが、当然乍、視聴率があるからいろいろ流れているんだろうね。
『擬音が多いし読むところが少ないけれど、画面がごちゃごちゃしていて読み辛いからうまく読めない』と友人は苦笑していた。
漫画が普及し、もしもこのまま発展してゆくならドイツ人の物の考えか方捉え方に変化が起こるのではないかと思うのだけれど。。。どうなることやら。
暴力的な場面の描き方も日本の方がハードなことが多い。

そういえば、先週末DVDで"Pan´s Labirinth"を観た。映画館で観るつもりが観損ねてDVDを待っていたのだがやっと観ることが出来た。
残酷で美しい映像はきめ細かい作り方で隅々までのこだわりが感じられる。色も美しい、音も実に効果的でなかなか良く出来上がっていたし、役者もなかなか良かった。
見終わった後に長く後を引く映画だ。話の内容は多分ここで私が繰り返すこともないので省略するが、少女が主人公のファンタジー映画とは言え子供向きの話ではない。映像も子供向きではない。
日本では年齢制限12歳未満は保護者同伴、だったそうだけれど、かなりきついのじゃないかと思う。ちなみにドイツではこの映画は年齢制限16歳以上となっていた。
日本の映倫の方が残酷なシーン、暴力シーンについて点数が甘いようだ。

色々考え始めたら話がまとまらなくなってきた。。。
この話はまたの機会に続けることにして、この辺でさっと店終いとする。








初夢

2008-01-04 00:03:25 | 写真
夜空を見ていた。
満天の星空を見ていた。
彗星だって長い尾を引いて走っている。
ふと後ろを振り向いてしばらくしてから
また空を眺めると
星は空の中央にギュッと集まっていた。



これが1月3日の夢。初夢の一部。







初夢とは関係ないラナンキュラス




ラナンキュラス(Ranunculus asiaticus)キンポウゲ科キンポウゲ属
原生地:トルコ, キプロス, シリア, イラン, イラク, 北アフリカ

十字軍がヨーロッパにこの植物をもたらしたという話だが、詳しいことはわからない。

私は以前ラナンキュラスにそれほど興味が無かった。
この植物、確か昔は現在のように様々な色は無かったように記憶している。
黄色、オレンジ、白、赤くらいだったはずだ。
最近では黒味がかった臙脂色やほんのり淡いオレンジに緑の目だの美しい色が私達の視線を引き止める。茎の曲がり具合などもなかなか良い。
そんなわけで大晦日の市場の花屋で5本4ユーロを握り締めて帰って来た。


Ranunculusの頭Ranaはラテン語の蛙。


ラナンキュラスという言葉の響きが何とはなしに好きだ。


暗闇

2008-01-03 06:10:26 | 写真
写真:大晦日晩餐前のテーブル周辺



テーブルの上が見えないって?

そういえば真っ暗闇の中で食事をするレストランがケルンにある。
いや、今でもあるのかどうだか知らない。
レストランの入り口でメニューを調べて決め、店の者に手を引かれてテーブルに着くという趣向だ。
最初から最後まで真っ暗だから、ほとんど手探りで食事は進行するということだ。
私は体験していないのだけど料理は先ず目でも味わい食べるのであるから真っ暗では楽しみ半減してしまうのではないかと想像する。
しかし、そうすることでいつもは味わえない"何か”を味わえると言うこともあるかも知れない。
そのうち我家でも暗闇晩餐会を催してみようか。。。
参加したい方は遠慮なく手を挙げてください。

。。。。。。。

ひょっとしてそこでどなたか手を挙げているのですか。。。?


暗くて見えないな。

。。。。。。。


残念でした。







大晦日晩餐会後記

2008-01-02 12:58:32 | 飲食後記
大晦日
朝8時過ぎ薄明るくなった頃、街の市場に出向き食材を求める。


  


風邪の具合もだいぶ良くなって咳も"ほぼ”止まってきたので順調に大晦日晩餐会準備が進んだ。

いつも申し合わせた時間には現れないことで有名な友人達が約束の”夜9時”を5分ほど回ったころに到着したのは、すっかりお腹が空いていた所為なのかもしれない。
ドイツ人のM,ポーランド人のA、相棒と私の4人はシャンペンを開けてまず乾杯をしてから台所に突入した。
大きな荷物を抱えて鍋まで持参して来た友人Mは早速前菜を作り始めた。(Mは前菜一品とデザート担当)
豚フィレステーキのチョコレートソースかけと付け合わせはかぼちゃとサツマイモのピューレだ。
『これって前菜だよね?』と私が目を丸くして聞いてしまうほど厚切りフィレ肉がこってりとしたチョコレートソースの中で転がっている。
なんにしろもうすでに時計の針は10時に近付いている。お腹の虫は大声で鳴き喚いて暴れていたので、出来上がると早速パクパク平らげてしまった。
少し人心地がついて、今度は帆立貝のバター焼きという順である。
付け合せは湯がいたマンゴールドと紫のジャガイモに人参とジャガイモのピューレだ。紫ジャガイモがあんまり綺麗な色をしているので驚いた。この色ならば他に面白いことが出来そうであるな。。と私の実験魂が頭をもたげたのは言うまでも無いのだが、実験している暇は無いので今回は湯がいて飾りに使っただけだ。
久しぶりにこんなに新鮮な帆立貝を食べたのでそれだけでもう既に大満足だ。
後ろに控えるラム肉料理の前に口直しの"柿と白ワインのシャーベット”を舐めているともうすでに年明けまで後15分となった。
間もなく外が騒がしく花火が上がる音が聞こえ始めて新年に入ったのに気づくという、おっとりした私達は新たに開けたシャンパンの壜を抱え、互いに挨拶を述べて、周りの花火を眺めたり、友人が持参した花火をあげたり、飛んできたロケット花火の殻が私の頭に落ちてきて吃驚したりもした。これは危ない。来年はヘルメットをかぶるべきだと笑って済んだのは幸いで、毎年花火による火災や爆発事故も多く元旦のニュースでは早速花火事故の話題が流れている。家が燃えたり爆竹で手や指がちぎれたりという話がこの大晦日も会ったというから怖い。
そういえばベルギーはテロが怖いと今回花火禁止令、フランスも去年の若者達の騒動もあってやはり花火禁止だったらしい。花火が手に入らないといってベルギー、フランスからドイツに花火を買い付けに来た輩もいたようで、コントロールに遭い没収されたという。それまでしても花火をあげたいんだろうか?
さて、一通り儀式も済んでさて、主菜のラム腿肉である。
腿肉を骨からはずしてディジョンマスタードを塗り、古いパンと干し果物を混ぜ合わせた物を載せ、肉を巻いて糸で縛り数時間寝かせておく。それを程よく焼いて茸とマデイラ酒をベースにしたソースをかけるのだ。
ちょうど良く焼けたラム肉は下手な牛肉などよりずっと美味しいと私は思っている。
しかしこちらでたびたびラム肉(実はどんな肉にも言えることなんだけれど)がすっかりパサパサに料理されて出てくることが多い。そういう料理は一口目は美味しくともすぐに飽きてしまうのだ。
。。。と、そんなことを言いながらも結局は元旦料理となったラム肉料理に舌鼓を打った。
もうこれ以上食べられないよ、といいながらもデザートの入り場所はちゃんと空けて持っている私達だ。
友人Mは大きな焼きメレンゲを作って持ってきていたのだが、その上に梨の砂糖煮、泡立てた生クリーム、溶かしたチョコレートを重ねて行く。
これは何人分だ?
一目見るだけで完全にノックアウト負けしてしまいそうな強さなのだが、メレンゲは大好物でもあることだし、ここまで来たならとことん食い尽くす覚悟とばかりに(なんだか喜びの背後に悲壮感もうっすらと滲む)皿に大きな取り分け匙でドッテッと"それ”を積み上げた。
前菜にチョコレートソースを浴びたフィレ肉、締めにもチョコレートたっぷりデザートを選んだ友人Mの胃袋はいったいどうなってしまっているのか? と私はすでに言葉少なめになりながらも目の前に崩れ落ちかけている甘い山を食べ続けた。

結局9時から3時過ぎまで作ったり食べたり出来た私達は元気という他言葉無しである。これを読んで胸の悪くなった方もいるかもしれない。

いつもなら午前1時が最終電車だが、大晦日は朝まで一時間に2本出ているというので、4時頃外に出てみれば冷たい霧が怪しげにタユタユと忍び寄る。
霧の中では街灯や車のヘッドライトが前を歩く人のシルエットを浮かび上がらせる。影絵劇の様でなかなか面白く、しばらく眺めていて飽きないのだった。
停留所まで友人達を見送り辺りを見回すと、待合所の囲いガラスはすっかり壊され、ビール瓶の破片と共に通路に積もって惨憺たる有様だ。酔っ払った奴等の喧嘩の後なのか、見境無くなった酔っ払いがガラスにぶち当たったのか知らないが困ったものだね。
明け方の電車内はかなり酔っ払いの若者がクダ巻いて咆哮・彷徨していたようだった。

というような具合に2008年に滑り込んだのだった。





 

生グリーンペッパー、
青唐辛子の微塵切り入り
一口メレンゲ

 

フランスの山羊チーズ2種と
木瓜とマスタードの
自家製チャツネ



ビターチョコレート、
薔薇胡椒、
ブイヨン、
赤ワイン、
サワークリームからなるソース
をかけた豚フィレ肉と
カボチャサツマイモピューレ



帆立貝のバター焼き、
シェリー、
ブイヨン、
自家製ライム胡椒
バターと
少々の生クリームを
泡立てたソース。



口直しの
柿と白ワインの
シャーベット
しかし、柿の味が
しなかったので残念

 

ラム腿肉と茸(シメジ、アミガサダケ)ソース



食後の一品