散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

新型コロナ禍

2020-04-20 22:20:24 | 散歩絵

ウィーンの歩行者用信号機 男性カップル バージョン (女性同士カップル バージョンもあるらしいが見つからず)

世の中が新型ウイルスに大きく搔き乱されている。

今年は三月にいくつかの展覧会の予定があって、二月下旬には冷や汗をかきながら齷齪していたが、5件も中止または延期になってしまった。 
二月九日に始まった二人展のオープニングはまだ新型コロナ禍はの話題よりも接近中の嵐の方が問題だった。 二月二十九日ギャラリーに顔を出すと、そろそろ新型コロナ禍の話題で持ちきりになり始め、挨拶のハグや握手を遠慮する向きがあらわれ始めていた。
三月五日から始まるブックアート展示会に参加するために四日ウィーンへ向かった。 飛行機の機内では少し緊張してしまう自分が居たものの、まだ暢気なものだった。
五日のオープニングは滞りなく行われ、三日間たっぷり近距離でのコミュニケーションが行われたが、私を含めて人々は気楽に構えていた。
カフェでクリームたっぷりのコーヒーと濃厚で甘いケーキを毎日一つ楽しみもした。
ウィーンには一週間滞在したが、最終日に航空会社から混雑しているので手荷物はなるべく預けて欲しい旨SMSが入った。ふうむドイツから飛んだ日はかなり空いていたけれど、ひょっとして皆帰宅を急いでいるのかな? と思いながらある美術館に向かった。入口で美術館関係者が今日は閉館だと人々に告げている。 新型コロナで閉鎖ということだった。
ウィーンは何度か訪れているので、街を散歩する程度で充分満足して、三月十日デュッセルドルフに帰着。 
三月十五日から三人展が予定されていたので、私の作品の設置はウィーンに飛ぶ前に既に済ませてあった。 しかし残念ながら延期となって、今後が不明なまま、展示は今もひっそりと画廊の中で待機している。 
十六日オーストリア、フランス、スイスなど隣接国との国境封鎖措置がとられ、保育園や幼稚園、学校はドイツの多くの地域で休校となった。 ウィーンの展示会が無事開催されて無事に終えら帰宅できた事に改めて安堵した。 
三月二十二日ロックダウン。 
その頃から、毎朝のニュースで流れる新型コロナ対策はめまぐるしく状況を変えていった。 
全ての飲食店は閉鎖(のちにテイクアウトは場合によって認められる)
公共の場で2名以下で出歩くこと。(基本的に1人だが家族以外の1名、または家族の同伴は認められる)
同居の家族以外との接触は可能な限り避け、 他人との距離は最低でも1.5mから2mとる。
イベントやグループによるパーティーは自宅・公共の場所問わず全て禁止。
スポーツジム、美術館、コンサートホール、映画館、アウトレット、レジャー施設、売春宿、美容院やマッサージ、子供の遊び場などの営業禁止。
食料品日常必需品を買い物に出る事、適度な散歩については認められていたので、 普段から家に、またはアトリエにこもりがちな私としては通常とあまり変わりのない毎日を送っている。 鉛筆と紙があれば退屈はしない。
とはいえそれも長くなってくると、やはり息苦しさを少しばかり感じてくるが、晴天続きで散歩を楽しむことができたのは幸いだ。 
買い物に行くたびに内心、感染の確率などを思い浮かべているし、 狭い道の先方から歩いてくる人との擦れ違いのタイミングはお互いに意識的になっているのがわかる。
普段はマスクをかけるなどということがないドイツでも、だんだんにマスク姿を見かけるようになった。
新型コロナ禍が中国から発生ということからアジア人差別問題も聞かれたが、幸い私はそのような目に合わずにすんでいる。
隣人とEメールで状況確認をしたり、イースターには隣人から小さなチョコレートがドアノブに下げられていた。 今までこんなことはなかったので、面白い。
飛行機もほぼ飛ばなくなって、静かだ。 飛行機雲のない青空や静寂をいつまで楽しめるのか、とも思ってしまう。 

四月二十日。今日から徐々にロックダウンの規制が緩められたせいか、駐車場に活気が少し戻っている。 
今後は緩和しては感染者数が増え、ロックダウンを再開するというように寄せては引く波のように進んでいくのだろうか。 ワクチンの完成は一年後か二年後か、 少なくともそれまでの間、私たちの生活は変わる。 

満員の映画館やコンサートホール、ひしめき合う満員のレストランや飲み屋に出かける日はまだまだ遠い。
展覧会の在り方も、しばらくは試行錯誤だろう。 
いや、すべてが試行錯誤だ。
そして新しい発想の展開が必要だ。








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2 コメント

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ご無沙汰しています。 (オバタケイコ)
2020-05-18 22:41:34
お元気そうで安心しました。
欧米に比べたら日本はまだまだマシですが、
生活が大きく変わりました。3月に老人病院に入った母には面会禁止で会えないので、毎週手紙を書いています。それにしても、メルケル首相のリーダーシップは大したものだと思いました。
fbで繋がっている乾さんと、最近【7daysブックカヴァーチャレンジ】で交流がありました。早く収束することを願って止みません。
お身体大切になさって下さい!
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オバタ 様 (seedsbook)
2020-05-24 20:21:54
これからいろいろなことが試行錯誤ですね。

体に気を付けて、早くお母さまに面会できますよう。
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