散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

独り言

2017-06-27 13:01:16 | 思考錯誤





「年をとるということは。。。。まーったく。。。いやになっちゃう」

その人は笑う
気丈で常に肩肘張って生きてきたその人も
今では私の腕にすっと手を滑り込ませる

他人の世話にならずに生きることは出来ないのだなあ

私がその人の年になったら、腕を貸してくれる人があるだろうか?



頁を切り取られた本
まだ沢山の物語を語りつづけている。










カテドラル

2017-06-26 14:14:55 | 散歩絵




頭を思い切り後ろに傾けて見上げる。

カテドラル!と思わず声をあげた。

まるで大聖堂の様だ。


カテドラル

。。。と言えば

レイモンド カーヴァーの短編で「カテドラル」という作品がある。

私の好きな作品の一つだ。









夏日幻想

2017-06-24 10:08:47 | 思考錯誤



30度、31度、33度、34度、35度。。。。
この国としては珍しいような夏日が続いている。
土手を覆う野草もすっかり焼けて景色の中の配色が変わった。しかし枯れ草色を背景に淡い青紫のチコリの花とマーガレットの白い花がちりばめられているのもまた美しい。
太陽の日差しは尖っているので痛い。

日陰を探しながら道を歩く。

老人ホームの"絵の時間"を手伝いに向かう道すがらは影はほとんど無く、日差しに背中を突かれて思わず早足になった。体中から汗が噴出す。
午後の脳味噌も蒸しあがってしまいそうな一番暑い時間帯だった。

"絵の時間"が始まって半時ほどたった頃、F婦人は急に落ち着きが無くなり「もう帰るわ、家に。。。両親の家に帰らなきゃ、すぐそこにあるのよ」と言って描いていた蝶の絵を放り出して立ち上がった。
彼女はふと"過去のある時点"に帰ってしまっていたのだ。



「帰る場所」

私なら、どこに「帰る」。。。と言うだろうか?