散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

延長。。。。日々雑感

2021-03-25 15:18:34 | 散歩絵


分厚く垂れ込めた雲から時折雨が落ちる。風が冷たい。しかし天気予報図に来週辺りから気温が上がる様子が見える。

4月18日までロックダウン延長。今まで余裕で構えていた隣人Bもだんだん大きく溜息をつきながら泣き言を吐く。 遊び盛りの若者のエネルギーのやり場が無いのは気の毒だし、不安定な状況の中で行く先の不安を抱えている人もたくさんあるのはわかっている。アジア人に向けたヘイトクライムも増え始めたようだ。幸い私の住む周辺では少なくとも表立ってそういう話は無い。

私は明日という日が当然の如く、来る、明日も生きている、と信じている。だけどどこにそんな保証があるだろうか? 私たちの時間は一つの終点に向かって粛々と流れている。私たちの持ち時間は火のともったろうそくの様に少しずつ溶けてゆく、それを憎しみで満たしたりするなど、なんて勿体ない無い事だろう。

明日は晴れる。

紫蘇の種を蒔く。

2021-03-15 23:07:58 | 散歩絵




窓の外でパラパラと賑やかな音がするので見に行くと、直径5ミリほどの霰が降っていた。あっという間に小さな金平糖様の氷粒がテラスの床に積もって行くのを見て、美味しそうだなと思ってしまったのは、喉が渇いていたのか、お腹が減っていたのか。
滅茶苦茶な天気のお陰で、気分も磨り減ったり、弾んだり忙しい。
昨日も今日も霰が降ったり、
雨が降ったり、
晴れたり、
曇ったり。

ところで、種を蒔く夢を見た。
種は空から降って来た。霰の様にバラバラと降って来た。それを掻き集めて、袋に詰めた。
種は土に埋めるまえに、発酵させなければいけないので、干し草で編んだ籠の中に種を入れて土を被せ、発酵を促すのだという事だった。残念ながら夢の記憶はそのあたりで切れてしまったので、その種の行く末が確認できない。残念だ。一体どんな植物なのだろうか?出来れば続きを見たい。
(発酵食品作りの実験を続けていたから、夢の中でも発酵が課題になっていたのだろう、降る種も霰が降る景色の残像に違いない。すこぶる単純なのだ)

今朝、青じその種の入った新しい袋を開けた。上手く発芽してくれるだろうか?
最近では園芸店でも、紫蘇の苗を売っているが、私の希望する青じそではない。だからなんとしてでも発芽して欲しい。
紫蘇は日本の代表的ハーブ、と思っていたら中国原産だった。
「紫蘇」という字が示す通り紫色の葉で死の淵から蘇みがえったという言い伝えがあるらしい。青じそより赤じその薬効が強いのかどうか、いずれにせよ防腐・細菌の増殖抑制・殺虫効果があるそうだ。縄文時代には既に日本に存在していたらしいので、日本古来のハーブと言っても良いのかもしれない。

日本といえば、現在日本からドイツへの渡航は感染危険情報レベル3。(渡航はやめてください、渡航中止勧告)
ドイツから日本に渡航する場合、出国前72時間以内にコロナ検査を受け(当然自己負担)、陰性証明と誓約書を提出できなければならない。入国後の3日間は,検疫所の確保する宿泊施設等で隔離、その後二週間の自主隔離(宿泊施設あるいは自宅)、公共交通機関の使用禁止。二週間のホテル代は大きい。かなりの出費になる事と時間を失う事がはっきりしている今、里帰りは無理だ。
気楽に日本へ飛ぶことができる様になるのは、いつのことだろうか?


そろそろ種まきの季節がやって来た

2021-03-10 03:59:56 | 散歩絵

その昔、大変日当たりの良い部屋に住んでいた。勾配天井で長いベランダ側に大きなガラスの引き戸があった。南向だったので暑い夏はかなり辛い部屋だった。もっともそこに住んでいた頃は猛暑なんて稀で、鉛色の雲が何層も重なって頭上に覆いかぶさってくる様な空がドイツの空なんだと了解していた。そこには8年間住んでいたけれど、暑くてヘトヘトになった夏が一度だけあった。スイカを食べるだけが暑さ凌ぎで、スイカは一瞬体を冷やしてくれる。映画館に行けばクーラーがあるだろうと勝手に思い込み街に出かけ、涼しさを期待して映画館に飛び込んだ。
しかし、進めど進めど暑さは外と変わらず、むしろ息苦く、大きなコーラを抱えて汗を滲ませながら映画を観ることになった。
昔の話だ。(今ではドイツの映画館もクーラーが入っている)
日当たりの良いその部屋で毎年二月下旬になると種を蒔いた。
トマトの鉢を十鉢程作って、それぞれが二メートル程に育ち程よい緑のカーテンになった。溜息で吹き飛ぶ様に細かなペチュニアの種なども播いて育てたし、苗を作るのは楽しかった。
土の湿り気に触れて発動する種、吹けば飛ぶ小さな粒の中で細胞増殖が始まる。そんな事を想像しながら苗の世話をするのは楽しかった。
今年は種蒔きよりも土作りに励みたい。
実験中。







街の顔

2021-03-03 21:26:56 | 散歩絵




久しぶりに晴天が続いている。街を歩く。スーパーマーケットは賑わっているし、パン屋や肉屋の前には幾人もが並んでいる。だけれど、よく見れば店の中はガランとして4人しかいない、ドアの外は人々の間にある空間が行列をのばしているだけだ。
一方小さなブティックのショーウィンドウが空っぽになっていた、いや、荷物がはみ出た段ボール箱が一つ、空になった棚が一つ置かれている。そこには使い古しの棚の値段を書いたメモが貼られていた。レストランや小さなホテルの窓はまるで死んでしまったように火の消えている。積み上げられた椅子にチリが積もり始めているのが見えた。小さな黒板に「テイクアウトしています。電話番号XXXXXX」という文字も消えかかっている。
職種によって打撃幅が大きく変わるのが、なんとも悩ましい。
3月半ばにロックダウンは解除される予定だったが、多少の緩和はあるものの3月末まで延期になる。ワクチンという武器はなかなかいきわたらないばかりか、新コロナウィルスの変異種に効果がどれだけあるのかがわからないのが現実。
ヤドカリの様に部屋に籠って、時々ドアを開けてはちょろちょろと動く様な毎日はいつまで続くのだろうか?
臨機応変に動いていくしか無い。今年末には少し落ち着いて来るだろうという意見も聞こえているがその頃、街の顔はどうなっているのだろう?

(もう、美しいスミレが其処此処に咲いている)