散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

今年のシロップ

2016-06-10 17:06:06 | 野草を食べる



まだ白いエルダーの花が咲き残っているのを見て少しだけ収穫した。
夏の清涼飲料水を作るためのシロップを作るためだ。花の時期に留守をするから、今年は諦めていたのだ。でも、間に合った。
檸檬が手元に無かったのでテラスで育っているLimequatとCalamondinという柑橘類の実が色づいているので幾つか放り込み、ついでに苺も入れた。
うまくいくかどうかは賭けで、それがまた楽しい。

シロップを仕込み終えて、窓の外に沢山のポプラの綿毛が空中遊泳をしているのを見る。
それぞれがまるで意志を持って飛び回っているかのようで、眺め続けていると私の頭の中にも舞い込んできて真っ白にみっしりと降り積もる。


(昨日は霧で、今日は綿毛で一杯)







霧の中

2016-06-08 17:19:15 | 思考錯誤



朝、窓の外に霧がたゆたゆと湧いていた。
見慣れた景色に霧が足されるだけなのに、何故こんなにもわくわくするのだろう?
見えない場所には想像の余地があるからなのか?
此の地には珍しいほど強い湿気のせいか呼吸が重い。

カッコウカッコウと鳴き声が遠くから近づいてくるのに気がついて見上げると一羽の郭公がまっしぐらに飛んで来た。鳴きがやけにせわしない。
頭上を通り過ぎてその姿が見えなくなっても鳴き声は聞こえ続けた。
郭公が飛びながら鳴くとは知らなかった事で、ちょっと面白く思った。



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もう梅雨に入ったと日本から知らせが入った。
つい数日前に見ていた場所をまだハッキリと思い浮かべられる。
朝自分が何処に居るのか不確かで、目を開けば違う景色が見える筈だと思えて、奇妙な気分になる。

時差で狂ったリズムを無理に取り戻す努力は放棄したのだけれど、お陰で夕方如何にもコントロール不能な睡魔に襲われる。
絵を描きながらふうっと意識が消える。
鼻の頭にグラファイトの粉が付いている。

頭の中にも濃い重たい霧が湧いている。