散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

秋の色

2008-09-30 10:39:40 | 植物、平行植物





友人が去年の私の誕生日に贈ってくれたムラサキシキブに沢山の実が付いた。
さびしくなりはじめた景色に映る美しい紫の点描。

空は
灰色
楓は

そして
赤紫

寒々と冷雨に濡れて鮮やかに色引き締まる。



















牛のような馬を見た

2008-09-16 02:47:04 | 思考錯誤
昨日はちょっと太陽も顔をのぞかせた。
作業場からの帰り道は相棒と共に少し寄り道する。
ライン川の渡し を使って対岸のKeiserswerthという街にゆらゆらと出かけた。
小さな町なのに、知らない道がまだあったり思いのほか面白く散歩。
この街に以前は歯医者を訪ねて半年に一度は来ていたし、極近所の街の中では一番可愛らしいヨーロッパ的情緒の在る街なのでたびたび来ているのにいつも同じ道しか歩かなかったようだ。
とはいえ、すぐに隅々探検してしまえる規模だ。




ホルシュタイン牛みたいな模様の馬がのんびり草を食む。

久しぶりにおいしそうなFederweißer(発酵中のぶどう酒で、まだジュースのように甘い)を見つけたので一本購入。この飲み物は飲みやすいのだ。
ということは飲みすぎに注意しなければならない。
たまねぎのキッシュがお決まりの組み合わせでおいしい。


虫嫌いの人はここからスクロールしないで閉じること。






























 Lindenschwaermer  
木肌とのコントラストも鮮やかできれいな色だよね。おしゃれだなあ。


歌うものたち

2008-09-14 01:51:56 | 思考錯誤
ちょっと面白かったのでメモ。

DOG Beat 歌う犬

CERN RAP 歌う科学者

1)
今日は昼時に仕事場の近所のベトナム食堂に行った。
(鴨肉の乗った麺3,5ユーロ、生春巻き一本1,5ユーロ)
生春巻きがおいしかったので、早速ベトナム春巻きの皮、香菜などを購入。
(豆腐も発見)
夕飯は生春巻き(海老、鶏肉入り)

2)
作業をすれどもすれども終わらない。とりあえずこれまで。。。ということもない。このまま搬入日に突入の予感もあり。来週水曜日搬入展示。




ドルトムンド、コンサートホールの窓から街をながむる。


見当

2008-09-11 19:08:22 | 思考錯誤
例えば。。。
沢山の点が目の前に見えるとして、それを見当で大体の量を直感的に見て取れる人間は数学能力があるのだそうだ。
。。。というニュースを読んだ。
私は少しばかり検討をつけることができるほうじゃないかと思っていたけれど、数学世界にあこがれることはあっても、残念ながら数学が得意ではない。
やはりどこにでも例外はある。



9月11日
7年前の今日私は街で買い物をしていた。
店で品を物色中、近所の店から人が飛び込んできて「大変なことがアメリカで起こっているわよTVつけて御覧なさいよTVある?」と言った。
あのアメリカで起こったテロは多かれ少なかれ世界中に影響を残した。
陰謀説はいまだ後を絶たないようだけれど、いまだ決着の付かない後味の悪い事件だ。


CERN LHCのファーストビーム

2008-09-10 16:42:28 | 思考錯誤
CERN(欧州原子核研究施設)は今日LHC(Large Hadron Collider)の運転を開始する。




陽子対陽子の衝突で生まれた粒子の中に「ヒッグス粒子」は見つかるか?観測できれば宇宙の謎が解明されるだろうと期待されている。

しかしこれによって人工ブラックホールがもし発生したら、予想外に暴れたりしないのだろうか?と想像力をたくましくしてしまう人は多いと思う。私もその一人だけれど。。。
高エネルギーの宇宙線が地球にぶつかることは自然に起こっていることで、それでも地球は存在しているわけだから問題はないということ。
とりあえず実験の成果が楽しみだ。

ところで私たちが日頃利用しているWorld Wide Webはこの研究所で始まった。
世界中の物理学者たちが情報を瞬時に共有できるようにと開発されたのだ。
知らないうちにCERNの恩恵にあずかっているわけです。


LHC, eine Zeitmaschine (1998)
LHC, die supraleitenden Magnete (2000)



LHC Game




夜中まで美術館、画廊めぐり。。。

2008-09-07 14:18:47 | 美術関係


これは街角の暴動現場写真というわけではない。



昨日、ミュンスター市は夕方から美術館、画廊が夜中まで開いているという祭りだった。その一環で私も某画廊で個展を開いたわけですが、さすがにそのような催し物の流れで客が多い。多少の波はあるものの夜中まで客足の退くことなく一日総計800人位は入ったような感じ。中には2度も3度も来て眺めて行く人もいる。
ところで写真の状況についてなのだけれど、これは多分ミュンスター大学の学生たちがにぎやかなことをして回っている現場なのです。遠くから声だけが聞こえた時にはいったい何事があったのか?フーリガンたちが襲ってくるのか?と少し不安になりましたが、さにあらず。。。。



先頭にたいまつをかかげて金の冠を戴き白い衣装をまとうはシーザーで、この夜開いている画廊や美術館などの入り口でシーザーが祝福を与えて(つまり、”Galerie XXXに祝福を!栄えるように!”とか何とかね。)はシーザーのお付のもの達が歌ったりする。
なんだかよくわからない若者たちでしたが、それはそれでなんだかかなり可笑しく
素っ頓狂な行為は走る車も止めて。。。。



やがて走り去るのでした。



これはその画廊の状況、夜11時半。。。


さすがに仕舞いには舌ももつれて何を話しているのかわからなくなってくるし、目の周りが茹でた輪切りの玉ねぎ状態になってしまったのであります。



音楽鑑賞など。。。。または。。。

2008-09-06 13:27:05 | 思考錯誤


昨日の晩はDortmundのコンサートハウスのシーズン開幕でダニエル・ハーディングがロンドン・シンフォニー オーケストラを率いてブーレーズ、メシアン、ブルックナーを披露した。
ドルトムンドのコンサートホールが数年前にできてから一度出かけて見たいと思っていたのに忘れていたりなかなか行く事ができなかった。

このホールは街の中心にあるため、外壁は40cmの鉄筋コンクリート壁で騒音を防いでいる。内壁は音響工学設計者の言うとおり厳密に施工されて理想的な響きであるということだった。

内装デザイン的に華やかさはないが確かに音がよく聞こえるホールだ。
(残響2秒。ケルンのコンサートホールより良いな。。と思う。)

私達は舞台に向かって右側の2階バルコニー(写真右上の席)に席を取っていたのだが、開演直前にバルコニー正面にかなり空席があったのを見ていた。多分端に座っていた多くの客がそれを同時に見ていたのだ。一人二人と移動を始め結局私たちを含めて近所に座っていたほとんどが正面に移動。普通に買うと倍以上はする席なのである。それにしてもそれ以外はかなり良い客入りだった。

ブーレーズの曲が始まってホールの響きがいいのに感心。音が空間に昇ってゆくさまが見えるような、そんな感じだ。
イギリス訛りのブーレーズという感じだったがなかなか好調。
生誕100年で今年はメシアンの曲の演奏がおおいのもうれしい。
彼らの演奏はなんだかブルックナーが別人になったように聞こえた。好みで言えばちょっと管楽器が煩かったなあ。もっともこの曲は少し元気なときに聞かないと私にはつらいのだった。ブーレーズとメシアンだけで充分という気分。

曲目
○Pierre Boulez ' „Livre pour cordes“,
○Olivier Messiaens „Poème pour Mi“
○Bruckners 4. Sinfonie, „Romantische“.

来年はまたなかなか面白いプログラムなのだけれど、相棒は事務所から近いので具合が良いのだが私にはちょっとドルとムンドまでは遠いのが残念。

さて今夕は16時からミュンスターに出動。
ミュンスターの美術館、ギャラリーが夜中まで開いている日、その関連で一昨日某ギャラリーに展示をしてきた。
ちょっとくたびれてしまったので、出かけるのはそれほど気が進まないけれども仕方ない。



ここ数日夜中の帰宅が続いているので眠いです。

そういえば最近Karlheinz Stockhausenの"Stimmung”を買ったのだけれど、ちょっと気に入って聞いている。

チャペル

2008-09-05 01:34:40 | 思考錯誤


スイス人建築家Peter・Zumtorの作品であるチャペルを見学に行った。
アイフェル地方のMechernich-Wachendorfの野原に立っている。いや建っている。。。
でも。。立っているといってもおかしくない風情だな。

農業家Hermann-Josef Scheidtweiler は信奉する15世紀のスイスの聖人Nikolaus von der Flüeにチャペルを捧げたのである。
彼はZumtorがケルンのKolumbaを手がけるという話を新聞で読み感銘を受け、チャペル建造計画を打ち明け相談をする手紙をすぐさま書いたという。
ZumtorとScheidtweilerはまもなく会見し、意気投合して話は着々と進んだ。

そのチャペルは大きなものではない。
地元周辺の木材、土、金属(鉛)のみを使って立ち上げることにこだわった。
近所の森から伐採したトウヒ(常緑針葉樹)の丸太をティピーの様に円錐形に並べ立て周囲をセメントで囲った後で中に立っている木材を燃やした。それゆえ内壁は波トタンを内側から眺めたような具合になる。焼け焦げた色合いが美しい。
壁面には直径5cmほどの幾つもの透明ガラス球がはめ込まれてひとつの明り取りとなっている。それはまるで夜空の星星のようだ。屋根が無いので雪が降れば降り込み、雨が降れば濡れる。

自然に出来上がったレリーフを下から見上げて行くと空が見える。
まるで深い針葉樹の森の中に立っているかのような印象を覚える。黒い森の中を透明な珠が信仰を乗せてゆっくり天に昇ってゆくかのようだ。

いつか秋も深まった頃、枯れた風景の中のチャペルを見てみたい。
雪の振る日に悴みながら降り込む雪を眺めて見たいと思う。





残念ながら外観写真しか撮ることができなかったが、下のリンク先で内部の写真も見ることができる。

ところで、このチャペルの駐車場でドイツ人男性と日本人女性に出会った。
話せば男性のほうはエッセン・デュイスブルグ大学の地学の教授で日本女性は実業家だという。後にわかったことだが著名な方だったようだ。たくさんの本を書いておられる。78歳ということだったがしゃきっとして頼もしい女性であった。

それはともかく、実は月曜日はチャペル休館で戸は閉まっていたのだが、かの教授は果敢に近所の家を聞き歩きチャペルの持ち主であるScheidtweiler家を探しあて、渋る相手を泣き落としてとうとう鍵を借り出してしまった。
おかげで私達もその恩恵をこうむることができたので、大変ありがたかったのだが、反面休日昼時も客に煩わされる目にあう人々には気の毒なことであった。
すばらしいチャペルを建造する事ができたが、それがあだとなって、信仰巡礼だけではなく建築物巡礼者が次々に押しかけ、特にお金の落としようもない農家以外は何もない村であるから巡礼者はチャペルの周りをうろついては帰って行くばかりで村の人々は迷惑をこうむるばかりだと文句が出ているという話もある。もっとも町も援助はしているらしい。いずれにせよ当分巡礼は後を絶たないことだろう。

聖人Nikolaus von der Flüeは家族(女房と子供10人)を捨てて信仰の道に入り隠遁生活をしたという話である。

チャペルの写真

日曜日の散歩

2008-09-01 03:11:36 | 美術関係
デュッセルドルフ市内にペンペルフォルトという地区があって、この数年間で町が変わった。もともとアル中の溜ったりとあまり柄のよくなかったのが、町の努力の甲斐あってなかなかおしゃれな街に変身しつつある。古い店を上手に改装してのブティックが増え、”Perlfisch"と名付けてオープンドアーが年に一回行なわれている。
Perlfischとはちなみに鯉。
知り合いのグラフィカーが作品を鞄作りのアトリエに展示するという案内をくれたので見に行くことにした。
幸い天気もよくまるで(!)夏のような一日であったし、相棒と連れ立って散歩がてら出かけたのだが、思ったよりも街になかなか洒落たレストランやカフェも並んで楽しげだ。
歩いていると突然私の名前を呼ぶ者があるのでよく見れば友人のAと彼女の友人のDがカフェの日向で暑そうに座っていた。急遽我々も喉の渇きを癒し、ついでに昼ごはんを注文して、しばし歓談。

店を出て彼女らと別れ、再び歩く。。。


写真左側に並ぶ板札はこの建物内に入っている事務所、店のロゴ。素材統一でお洒落だ。

 

 
知り合いのグラフィカー(右)とこの店の店主であり職人でもある女性(左)。
職人の彼女と彼女のチームの作る鞄はとても楽しい。写真には撮らなかったのは残念だが、動物の形をうまく作った、オブジェのような鞄なのだ。値段は高めだが、それは当然の値段と納得するほどよくできていた。着なくなった毛皮や皮のコートなどを持ってゆくとそれを利用してリフォームもしてくれる。


よい感じに改装している。手前の赤い鞄もしっかりとした技術でよく作られていた。もともと彼女は馬具を作る修行をした人だ。


かばん屋を出るとその隣は洒落たレストラン。これは店先にあった椅子。
その脇にはジュエリーデザイナーの工房。


自動販売機。極たまにだけれど、こんな古い自動販売機に卵や野菜などが入って街角にあるのを見ることがある。この自動販売機が何を売っているのかというと。。。


いわばトラッシュを組み合わせて作ったアクセサリー箱つき。左側4ユーロ、右側6ユーロ也。ちょっといたずら心のある楽しい作品。
この自動販売機欲しいなあ。


最後に回ったのは一度展覧会で会ったことがあるジュエリーデザイナーとその仲間の店。これは作業場の一角。実に魅力的だ。こんなところで仕事できたら素敵だ。
(彼女の作品は2つ持っている)


古いパン屋を改装したのだそうだ。天井が美しいので聞くと白く塗られていたのを丁寧にはがしたということだった。 






私のバス電車の定期券は19時以降と週末は同伴者一人が無料になる。天気はよいし荷物もないことだし車を動かす必要のないときには利用すると都合がよい。

結局、10キロほどもぐるぐると歩いただろうか。

一件オープニングが反対側の街であって友人が2人参加しているので行くつもりだったのが、思わずPerlfischに誘われてあちこちしているうちにすっかり遅くなり断念した。


この数日かなり一生懸命に作業をし、頭がいっぱいだったのだけれど、とてもよい気分転換になって気持ちよく疲れて帰宅したのだった。



明日からまた天気は崩れるようだ。
今日の夏日は贈り物のようだ。