散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

2010-06-30 10:10:54 | 自然観察
先ほどから私の小指の爪ほどに大きな蝿とにらみ合っている。
大きな蝿の羽音は全く五月蝿い。
台所に飛び込んだ隙にドアを閉め狂ったように飛び回る蝿を部屋の中央に緑色のハエ叩きを右手に持って仁王立ちとなり目で追う。
それは"こいつは完全に気が狂っている。。。”としか思えない飛び回り方で、ぶつかったら私だって痛いだろうという速度で飛んでいる。
絶え間ない羽音は私をいらいらさせるのでつい暴力的な気分になっている。緑の蝿叩きは蜘蛛の巣を模っておまけに蜘蛛らしきものも描かれているが、
実に頼りない代物で振り回した時の手ごたえが今ひとつなのだ。
ドアを開けて、窓を開けて外に追いやろうと試みても平和に戦いを終焉させる気は無いらしいので、膝元あたりを通過するその瞬間緑の蜘蛛の巣型蝿叩きを振ると、
命中して落ちた。
命中はしたが頼りない蝿叩きの威力は弱かったらしくふらふらと飛んで静かになった。
ところがどこを探しても姿が見えない。
とりあえず静かになったのでほっとして本を読み始めるが、3ページほど読み進むと同じ蝿なのかまた別の蝿なのか更に一匹増えて頭上に飛び回っている。
先ほど頂点に達していた戦意を失った私は緑の蝿叩きをほうり捨てヘッドフォーンを頭に被って知らん顔を決め込んで本を読みつづける。
すると今度は手や腕に止まってこそこそ歩き回ったり頭上すれすれに飛びまわって煩わしいといったらないのだ。
こいつらはわざと私をからかっているのだろうか? 
一度捨てた緑色の武器を再び握り締めてむちゃくちゃにふりまわす。
蝿がますます増えているような気がして仕方ない。
この蝿たちは先ほどから私の頭の中で行ったり来たりしている"迷い"なのではないかという気もして来た。
ひょっとして私の頭の中から出てくるってわけでもなかろうけれど、ちょっと不安な気分でもある。
私はとりあえず部屋を出る事にしよう。
帰って来た時にもまだ、蝿たちは飛び回っているだろうか?




6月28日のテラス

2010-06-28 08:33:47 | 自然観察


Maria Theresia

何故だかいつもより花の色が濃い。



Louise Odier

甘い濃厚な香。



Lavandula angustifolia Hidcote Pink

遠目にはほとんど白く色褪せたピンク。



昨日のドイツ対イギリス戦でのドイツチームの勝利祝いか、どうでもいいけれど騒ごうという輩か、多分野天で飲み明かしたのだろうか今朝は6時頃から酔っ払いが騒いでいた。いきなりやってきた夏日が祭り騒ぎを更に熱くする。




オレンジ国

2010-06-27 20:28:57 | 移動記録
土曜日は用事で知人の住むオランダのVenloに出かけた。
我が家からVenloには電車なら一時間強、自動車で行けば30分と少しで到着してしまう。
ドイツの国境から間もなく、Venloの街がある。市内中心を歩いていると半分方、あるいはそれ以上がドイツ人のようだ。
EU統合後国境の遮断機がなくなってからは取り立てて買い物に出かける理由もないほど物価は似たりよったりになったが、昔は珈琲、煙草はもとより物価が安かったのでわざわざ週末にはVenloへ買い物に出かける人が多かった。またはいわゆるCoffie Shopを求めて出かける人も大勢いたはずだ。
物凄く魅力的な街とも思えないし他に特に面白い物もない。。。というか極普通の街だ。
以前に比べれば買い物客は減ったのだろうが、今だに週末はドライブがてらのドイツ客は多いようだった。
オランダの市場は元気が良い。"トマトが1キロで2ユーロ~"だの”甘い真っ赤な苺だよ~~”とだみ声の売り声が飛び交うアーチの下をくぐっていると台の上に今朝採れたてのきゅうりがビニール袋に2キロはいって2ユーロが並んでおり、炎天下を歩いて喉が渇いていた所為もあったかもしれないが、ぴちぴち水水しい胡瓜はいかにも美味しそうで、皮を剥かれた若いとうもろこしもクリーム色の粒粒がパールの様に光って美味しそうだ。
思わず一山ずつ買い、他にチーズとドイツには無いふかふかやわらかい白パンを買った。
多くのドイツ人はこの白いパンを、こんなパンはパンじゃない、こんなものばかり食べていると虫歯になったり胃が悪くなると言って疑い深そうに見る。
パンの味としてはドイツのパンは美味しいと思う。噛むほどに味わいもある。
だけれど、日本で子供の頃に食べなれていたふかふかの白いパンは時たま食べるとなぜか嬉しい気分になる。
思わず袋の上からパンを人差し指で押してみると指がめり込む。この場合味より食感、触感がポイントなのだ。
オランダの小麦粉でパンを焼いたら違いが出るかどうか?と小麦粉を買いたかったがなぜか入った店の中では見つからず、他を探す元気もしおれて帰る事にした。


当然オランダもワールドカップで盛り上がっている。店頭の飾り物はオレンジ色尽くめだ。オレンジ色はオランダのロイヤルカラーだ。 
(余談だけれど知人の住む家はOranje Straat)




 車椅子に乗った人や子供も届くように一つは低位置に設置されたポスト。


 かんかんでりの公園にオレンジ色の風船が風に舞う。



 店の中にはオレンジ色のボール型ケーキも並んでいた。




6月27日はSiebenschläfertag (Glis glis)
気象伝承によればこの日の天気がその後7週間続くという。
今日の天気はかんかんでりで32度。つい最近朝方は10度以下の涼しさだったのにいきなりこれだ。珍しくドイツ中が晴れマークで埋まっている。






WM 

2010-06-24 19:52:42 | 思考錯誤


日本の選手も良く頑張ったね。次は対ウルグアイだそうだ。
力を入れて見てはいなかったけれどやはりここは一つ応援をしようと決めて時計を見ていたのに
ちょっとお風呂に入ってからTVをつけると、試合はもう始まっていて、なんと日本が得点しているので驚いた。
20年くらい昔の話だけれど、知り合いにサッカー好きがいてスタジアムに試合を何度か足を運んだ事がある。
寒くて足踏みするような日もあったのを思い出す。
やはり現場に居ると楽しくもあったが、もともとファンであったわけではないのでそれきりだった。

そういえば、ファンはファンでも全く関係無しで"コンピューターのファン”の具合が悪くなってきた。
ガリガリゴリゴリと音がする。先日新しいファンを取り付けてもらったが、ファン自体がやかましくて返品した。
早く静かなファンをつけてもらわねば。。。ブブゼラの音ほどに感に障る。

明日も天気は良さそうだ。




追記
スポーツといえば
Wimbledon、John Isner と Nicolas Mahutの試合11時間5分って、一体どういう体力を持っているのだろう。
このところ体力が限りなく減退し地を這いずり回っているような私だから、うらやましい。






メモ

2010-06-24 11:49:32 | 映画の話





中古のDVDを4本
-Everzthing is illuminated
-District 9
-The Box
-The Bird People in China
を購入。
どれも知らない映画だし、面白かったといった人が居たようないなかったような。。。
という曖昧な記憶で購入。
(「The Box」は「Donnie darko」を作った監督で、期待はずれだったそうだが「District 9」はちょっと期待)

本は一冊、井上靖Das Jagdgewehr(猟銃)
96セントで送料が3ユーロじゃ高すぎる気もするけど、これは仕事用に読まねばならないのでよしとする。
フェルナンド・ペソアの不穏の書の朗読CD。これは仕事場へ行くときに聴く楽しみ。
亀の餌。我が家の亀、次郎ちゃんの飯。
さくらんぼの種入り小さなクッション。これは寒い時にオーブンで温めて疲れたところに当てておくもので気持ちが良い。懐炉のようなものだ。
冬に買うつもりだったが今頃になった。

今日も昨日に引き続き天気良好。
今朝(6時半)起きて寒暖計を見ると14度だったが今(9時半)はすでに22度。今日は27度まで上がるらしい。
洗濯物が良く乾くのでそれだけでも嬉しい。
今朝は掃除洗濯、昨日漬しておいた豆の料理(ヒヨコマメで豆腐とオカラの煮付けとクッキーだ!)、写真撮影、メイルチェック、返信を9時までに終了。
いつもこんな風にてきぱきとできたら、さぞ沢山の事が片付いて気持ちよいに違いない。
天気の良い明るい日は気分が良いから色々捗るのだ。
また顔写真を送らなければいけないというので今朝セルフタイマーで自画像を撮影。
この間撮ったのだから、何処かにデーターが残っているはずだと思うのだが見つからない。何処をほじってもデーターが見つからない。捨ててしまったのかもしれない。
ぼやぼや探しているよりもう一度撮ったほうが早いので撮る事にしたのだった。
若い頃から髪や肌の手入れなどにはさほど頓着しない私だ。だから"ぼさぼさのボバサバサ”で写真に撮るとその結果をはっきり突きつけられてしまいうんざりするが、仕方ない。
ほぼ後ろを向いた瞬間の写真を提出してみたが駄目だった。充分だと思うのだけれど。

外気温温度急上昇中。植物に水をやらねばいけないか? 





少しおしゃれについて考えていたら、今日のDie Zeit オンラインの中で紹介されていたブログがあった。

ベルリンのファッションブログStil in Berlin

私には参考にならなそうだけれど写真を眺めて楽しい。









道草草子

2010-06-23 14:43:26 | 思考錯誤




私はリュックサックを背負ってカメラを片手に歩いていた。

「あの人も三輪車を持っているね」

小さな女の子は言った。

付き添うおばあさんは
まあ、おかしなことを。あの人は三輪車なんか持っていないでしょう?と笑って私を見た。

女のこの足元には三輪の付いたキックボードが横たわっている。

あの子は何を見たのだろう?















  
 
友人の庭の花たち。昨日花束を貰って帰ってきた。
美しいね。


馬とスペースシャトル

2010-06-22 16:51:04 | 思考錯誤


昨日は用事を済ませてからカメラを持って自宅からアトリエまでの路線各駅の線路、電停に生えている植物をドキュメントすると決めていた。
4月半ばの草が青味を増してくる頃に電車を待ちながら電停の敷石の隙間に生えている植物を眺めて、そのたくましさを感心しそしてその種類の多様さに驚いていたのだ。
そんなわけで一駅ずつ線路際の一平米を切り取ってみたらどんなものが見えてくるのかを確認したかった。
例えば私がいつもアトリエに行く為に降りる駅では目に付く限りの植物を数えると20種ほどあった。
Capsella bursa-pastoris
Fallopia convolvulus
Polygonum lapathifolium
Polygonum aviculare
Strellaria media
Conyza canadensis
Galinsoga parviflora
Chelidonum majus
Ranunculus auricomus
Potentilla anserina
Tragopogon pratensis
Traxacum officinale
Sonchus oleraceus
Rumex acetosella
Chenopodium album
Plantago major
Polygonum lapathifolium
他にもまだあった。

建物の際だの歩道の敷石の隙間だの、僅かな隙あらばたくましく発芽し成長し子孫存続の為に精を出している姿はしたたかだ。
ルール工業地帯の廃墟があっという間にジャングルに戻るのも良くわかる。

。。ところが駅に立って周りを見ると何か違う。今頃茂った草はたけ高くなって、多くは刈られたり、枯れたりしてしまっていたのだ。
やはり思いついたらすぐに行動をとらねばならないと目論見が外れて一人悔しがっていた私だが、またぞろ草は復活する。
しばらく様子を見て出かける事にしよう。

駅で電車を待ちながら、先日知人が読んだ記事の話していたことを思い出した。
線路の軌間は色々だが標準幅として良く使われているのが1,435mmで馬車の車輪幅と同じなのだそうだ。
当時馬車を作る職人が馬車鉄道用の車輪を作り、同じゲージを使った。
このゲージはどこから出てきたかというとかつてローマ帝国がイギリスに遠距離道を作り馬車を走らせて轍ができ、その轍が後々影響してゆく。
ところで馬車の轍の幅を決めたのは馬2頭のお尻の幅だった。
そして後にイギリス人はその轍の後にあわせて鉄道を建設したのだそうだ。
ローマ帝国時代から現在までの道のりは長くまた頑丈だ。
さて、突然スペースシャトルがそこに現われる。
スペースシャトルが造られ、移動させなければならず、その手段は鉄道であり、トンネルをくぐる事ができなければなかった。
トンネル幅は当然鉄道線路の幅を元に設計されている。馬車の車輪幅だ。
スペースシャトルの設計者はブースターロケット部分をもう少し大きく造りたかったそうだが、この輸送事情ではそれもかなわず、
どうしても馬2頭のお尻幅に収めなければならなかったのだそうだ。

宇宙に飛び出すスペースシャトルに馬のお尻が2つ並んでいるのを想像してしまう。
ちゃんと物事はどこかで連綿と続いているというわけだね。



可愛い守り神たち

2010-06-21 21:59:13 | 写真





友人の家に届け物をする為に出かけた。気持ちのよい庭でカフェオレを一杯飲みながら雑談し、暇を告げて
駅までの道を歩く途中に動物達を見つけた。
玄関のドアの上に嵌め込んである。守り神たちか?
(ハリネズミとリス。。。)

私も一つ欲しいなあ。私ならどんなモティーフを選ぶだろう?
動物なら。。。植物なら。。。

さてあなたは何を選びますか?



四葉のクローバー

2010-06-21 09:54:48 | 自然観察
昨日の朝。



 La Rose du petit prince

 Madam Figaro

 Niagara Fall

 Clematis alba luxurians






今朝8度、ただいま13度(午前10時)寒い。

昨日も散歩中、ふと立ち止まった足元のクローバーの茂みを見て「この間は四葉が3つも見つかったっけなあ。。。今日は。。。」
などと独り言すると

「あ、 あった。。。。」

一つだけ見つかった。

欲を出してみたがそれきりだった。






駅舎

2010-06-20 12:04:23 | 思考錯誤


昨日は駅舎の画廊へ。。


ふらりと立ち寄る人あり。
いかにも学者然とした年配の長身黒づくめの男性がゆっくり一回りして私にうなずきかけ、
思いがけなくこのような展覧会を見ることができて驚きましたと話しかけてきた。
使い古した黒い手提げ鞄を提げていた。
ケルン行きの電車を待つ間の短い時間だったのでゆっくり話しをする時間なく残念だったが、哲学、美学をテーマに"書く"人だったようだ。
黒い鞄の中にあるインフォメーションを探す為に開くと、何年も昔からそこに折りたたまれてあるかのように黄ばんだ新聞紙が大事そうにはいっているのがチラリと見えた。
「ゆっくりできなくて残念ですが」といいながら黒い電信柱のような"もの書き”氏は、体の一部のような鞄を提げて駅に消えた。

この展覧会をこんな田舎ではなくケルンなどの"街中”に持っていったほうがいいのに。。。といって下さる方々もあったが、
私はこの場所で散歩に来た人々や、たまに行き交う電車待ちの人々が日常の中に小さな泡の様に浮かんだ時間の隙間を利用して立ち寄ってくれる状況にとても満足している。
それになかなか居心地が良く寛ぐ事ができるのだ。
街の中の画廊で展覧会をする事が嫌なわけではないし、それはそれで必要だろうが、こういうのも悪くない。それに私としてはちょっとした休暇気分でもある。
















この時期(6月半ばから下旬)に気温が10度ほどに下がる時「Schafskälte」(羊寒)という。
丁度今時期羊の毛皮が刈られる時期で毛を刈られた羊はこの寒さで気の毒だ。
今朝は10度以下だった。


WM2010

2010-06-18 22:54:27 | 思考錯誤
「ご乗車の皆様に通達です。 ただいま終了したギリシャ対ナイジェリア戦は2対1でギリシャ勝利。以上」

たとえばこんな風に路面電車の運転手が気を利かせて報告をしていたりする。

道路に旗をひらめかせた車が走る。にぎやかな街もしばし閑散。店内に人少なく、店員もTVの前で頭を集める。
きっと重要な場面で声をかけたら憎まれるだろうね。

普段興味のないサッカーだけれどワールドカップとなると、少し気になるのでテレビをつけて見る。本日はドイツ敗北。
しかしあのブブゼラの音はどうも感に障る。現場に居たら聴覚障害になりそうだ。

今回はしきりにパブリック ビューイングが流行らしく、マツリ騒ぎを裏で操る糸が何処からか伸びているのが見える。
サッカーのワールドカップも最近では派手な開会式、テーマソングやマスコットやらと私はますます白ける一方だなあ。






今年はクレマチス アルバ ルクジュリアンスが沢山咲いている。


色実験の材料収集、またはあれやこれや独り言

2010-06-17 23:28:13 | 製作記録


蓼藍が育っている。
今年蓼藍の種を日本から送っていただいた。(T.Nさん感謝)
生葉の叩き染めをやってみよう。

今草木染の材料を集めている。集めているといっても何かそれで大きなものを企んでいるわけではなく単なる実験の為で、
せいぜいハンカチ大の布を染めるか、糸を一かせ染める程度。


↑ Schwarz Erle(Alnus glutinosa セイヨウヤマハンノキ)の木の皮と実 → 灰、または緑が勝った灰色

アボガドの種と皮も集めている。
これはなかなか美しい赤、海老茶といった感じらしい。
まだ種は2個しかないので実験はまだ先になりそうだが楽しみだ。




今朝今年初めての一輪が咲いていた。月見草 はグレー。

タンジーやセイタカアワダチソウなども散歩の途中で草を刈ってこようと思う。



金銀花は森にも自生するふてぶてしいほどに元気な植物で薬草である。干した花を煎じて飲めば、解熱、解毒薬になる。
1日量金銀花10~15グラムに水0.5リットルを加え、約半量まで煎じて3回に分けて食間に服用。
これは草木染とは関係がない。

やっておかねばならない事は沢山あるのに植物の事、食物の事ばかり考えている。
一日に”何をやらなければいけないのだったか?”という項目を何度も確認してみるが減らない。

昨日は白いんげんをなんとなく煮て、なんとなく砂糖をぶち込んで、なんとなく作った白餡風をどうしようかと途方に暮れていた私だが
結局きんつば風の饅頭を作った。
結構いける。。。と、思う。。。どうかな。

2,3週間前に商工会議所のインタヴューを受けた。商工会議所が出している月刊紙があって毎回アーティスト紹介のコーナーがある。
今日はカメラマンが写真を撮りに来た。私は昔から写真に写るのが大嫌いだ。

いったん家に戻ってから隣街に買い物に出たが、思った収穫が得られず足が棒になっただけだった。
(冷やし中華の材料は買い込んだ)

久しぶりに良い天気が続いて暖かだったので野菜山盛りの冷やし中華を食す。
食後のデザートは苺。




女ゲルマン戦士に弾き飛ばされる

2010-06-15 08:45:16 | 思考錯誤



友人のMとナースリーへ出かけた。
彼女の目的はMaibeere(Lonicera caerulia camptchatica)を入手する事だった。私は単なるお供だ。
(本当にそうだろうか?出かける前に財布の中身を珍しくも確認するという行動の持つ意味はどうだ?)

庭好きで大きな緑の親指を持っているMは肝っ玉母さんのようにおおらかで元気な女性で間もなく70になるがいつも活動的で驚く。
体が辛い時でもなにくそとばかりに活動する。私は見習わねばいけない。
そして常に新しいものを探索する好奇心が旺盛だ。
あなたのところはナメクジなんか出ないでしょ、というので、とんでもない毎朝コントロールをしているよと、私のナメクジパトロール状況説明をした。
「毎朝、ビニール袋を左手にもって、右手にはお箸(Stäbchen)をね。。。」と言いかけると
「あ、私もよ、私もStäbchenを持って出るわそれで串刺しにしちゃうのよ2,3匹串刺しにしては庭の端っこに投げ捨てるの」
「。。。さ、刺すのか。。。しかしあれで刺すの?刺せるもの?」
いやあ、串刺しか。。。しかし彼女の言うStäbchenはどうやら私の手に握られるStäbchenとは違うようだ。私のStäbchenは菜箸のお下がりなのである。つまむだけだ。
聞けば彼女のStäbchenとはバーベキューの時に肉を刺す長い金属の凶器だ。
彼女がStäbchenを持って庭をパトロールする勇姿を想像したら(ゲルマンの女戦士だ)なかなか愉快なのだが、ナメクジにとっては恐怖に違いない。

「マリーゴールドと金盞花の間にマンゴールドを植えちゃったのよ」いきなりナメクジ退治の話から移行した。
「それってナメクジよけになる?」何かナメクジと関係があるに違いないと思った私は聞いた。
「はは、笑っていい?。。。何言っているのよそれみんなナメクジの大好物よ」
そういえばまあ、そうだ。
マリーゴールドと金盞花とマンゴールドの組み合わせ効用はナメクジとは関係なく、ただ綺麗かな、と思ったのだそうだ。

そうしてナメクジの大好物を植えて彼らが大喜びしてお腹が一杯になった頃、MはStäbchenという剣で毎朝征伐に出かけるのだ。

ナースリーに到着して彼女の目的のものを探したが品切れだった。私なら入荷するかいつ来るかを聴いて終りにしてしまうところだ。
そういうときに彼女はすぐに引っ込みやしない。
カタログで見て、わざわざその植物のために来たのだという事を一くさり訴える。
一段落して彼女はブルーベリー2鉢とアロニア一鉢を買う事にした。

さて、薔薇のコーナーでマルハナバチのように花から花へ鼻を突っ込んではニヤニヤしている怪しげな東洋人と女ゲルマン戦士M。
「そうそう。。あなたのプレゼントしてくれた小さい薔薇ね、ほら2年前だったかしら。。。。(それはデルバール社のPierre Gagnaireだった)あれ、悪いけれど掘り起こさねばいけないのよ」といいだした。
何故かと問うと返ってきた答えが面白い。(同じ事を2年前にもつぶやいていたのを知っているし、その時私はそんなはずは無いと答えたのも覚えている。)
「あの薔薇の葉は7枚あるのよ、って事は原種の薔薇に先祖がえりしてるんだわ」
「それでね庭友達のEがいうには野生の薔薇を隣に植えると他の薔薇も先祖がえりしてみんな野生になっちゃうのよ!彼女の庭でも私の庭でも同じ事が起こったのよ!みんな野薔薇になったのよ」というのだ。
「何故そんな事が起こるの? 豚インフルエンザじゃあるまいし空気感染して野生化しちゃうなんて事はないよ、大体そんな事ならバラ園の薔薇はみんな野生化しちゃう。それは変だ」
と私が言っても首を振るばかりだ。
「だって花の花粉が混ざるでしょ。すると。。。なんていうか。。。」と言葉に詰まっている。
彼女は元学校の先生で普段とても理論的なのだが時々面白い考えにとらわれてしまう事がある。そして私は途方に暮れてしまうことがある。
そして譲らない。思い込みは結構激しい。
「受粉して花粉が混ざった種子を蒔いたら、そりゃあ何が出てくるかわからないけれど、隣に植えただけですぐさまその木自体が野生化するということはないよ」と言っても納得してはくれないのだ。
何しろそういうことが実際に起こったのだから、と彼女は言う。
何しろ彼女が腕の良い庭作りで一目置くEさんがそのように解説したのだ。私に全く勝ち目は無い。
「台木は野生の薔薇でしょ?それが強くてどんどん茂って買った筈の薔薇が弱って消えてしまったって事じゃないの?」といっても聴く耳は持たない。
「わからなくなってきたわ。。。でも、事実なんだから。。。兎に角様子を見てみましょう。ねえ、この薔薇綺麗じゃない?でも匂いがないの。。。駄目ね」
と言って、極短い論議は終わった。
私はどうやっても彼女には勝てないのだ。彼女の厚くて広い胸にぶつかっても私など弾き飛ばされる。

弾き飛ばされた先にイングリッシュローズのコーナーがあって、一番花が終わって切り詰められたFalstaffが半額になっているのを見つけ、『犬も歩けば棒にあたる』と言うことわざをなんとなく思い浮かべながら鉢を連れ帰ることに決めた。
丁度二鉢あったので、もちろん彼女も一鉢買ったのだが、

「植えるのはPierre Gagnaireを何処かに遠のけてからにしてね」と言った私の真意は彼女に伝わっていないのは明らかだ。

女ゲルマン戦士強し。





庭仕事

2010-06-14 22:29:05 | 自然観察


Madam Figaroは相変わらずふくよかで上品な婦人を思わせる。



ナイアガラの滝。。。。小花で愛らしい。



La Rose du petit princeの二つ目の花。



今日は天気が良かったので、苗の植え替えや土をほぐしたりして汗だくになった。
ヒソップを植え替えようと鉢を返してみたら蟻が無数に右往左往して大変な騒ぎになった。蟻の巣だ。
あんまり多いので少し移動してもらう事にして作業していると、蟻はちゃんと大敵である私を知っていてあちこちを咬む。
蟻に攻撃を受ける話を想像していたら、ちょっと怖くなった。

このところ台所の窓際に立つとやけに虫の羽音が聞こえくるのに気が付いていた。
べスパだと困るなと思って外を見てもどうも無いので首をかしげていたら窓際にあるアケビの茂みの下にどうやらマルハナバチが巣をしているらしく、数匹が暗闇と花の間を行ったりきたりしているようだ。
私がその近くに置いた散水ホースから水を汲んでいると、中でもとりわけ大きな図体のマルハナバチが私を脅かすつもりなのか付きまとう。(女王蜂?)
とはいえそれほどしつこいわけではなく、一歩さがれば帰ってゆく。
あの暗闇には巣ができているのだろうか?それともまだ準備中か。。。
マルハナバチはそれほど悪さをしないので、住んで貰っても全くかまわない。
ちなみに世界中にマルハナバチは250種類ほどいるようでドイツにはそのうちの36種が生存するらしい。