金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ムクゲ満開

2014年07月17日 | うんちく・小ネタ

気がつけば庭のムクゲが満開に咲いていた。

Mukuge2Mukuge

例年ムクゲの花が咲く頃には梅雨が空けていたと思うのだが、じっとりと湿った空気が澱んでいる。風がなく望遠レンズで花を撮るには向いているが何とも蒸し暑い7月の夕方である。

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世界は中国が米国を凌駕すると見ているか?

2014年07月17日 | 国際・政治

2日続けてPew Research Centerの調査から中国に関する見方の部分を紹介してきた。これらの記事に対するアクセスは結構多く、中国問題への関心の高さを改めて認識した次第。さて今日は「世界の国々は中国がやがては米国を凌駕するか/(あるいは)既に凌駕していると考えるか」China will eventually replace/ has replaced U.S. as superpower vs China will never replace U.S. as superpowerという調査についてポイントを紹介したい。

まず全世界の中央値を見ると、49%の人は「中国は将来スーパーパワーとして米国を凌駕するだろう/(あるいは)既に凌駕している」と見ていて、「中国が米国を凌駕することはない」と見ている人34%を超えている。

地域的には「中国が米国を凌駕する」と考えている人が多いのは欧州で、60%の人が中国が凌駕すると考え、凌駕しないと考える人は33%にとどまる。逆に中国が凌駕すると考える人が少ないのはアジアで、中国が凌駕すると考える人は42%にとどまり、凌駕しないと考える人は36%いる。

米国人の49%は中国が米国を凌駕すると考え、45%は中国が米国を凌駕することはないと考えている。

中国人自身がどう考えているかというと59%は中国が米国を凌駕すると考え、凌駕することはないと考える人は20%にとどまる。

アジアで中国が米国を凌駕することはないと考える人の割合が多いのは、離島の領有権を巡って緊張が高まっている日本、ベトナム、フィリッピンで「中国が米国を凌駕することはない」と考える人の割合が非常に高いからだ。

日本では69%の人が「凌駕することはない」と考え、「凌駕する」と考える人は26%にとどまる。ベトナムは「凌駕しない」69%「凌駕する」17%、フィリピンは「凌駕しない」74%「凌駕する」17%だ。

韓国では「凌駕する」49%「凌駕しない」49%が拮抗している。

インドでは「凌駕する」33%「凌駕しない」19%だがその隣のパキスタンでは「凌駕する」50%が「凌駕しない」9%を圧倒している。

アジア諸国の人々の「中国が米国を凌駕する/しない」の判断は、「中国を好意的に見るか・批判的に見るか」と相関関係が高い。たとえば日本では中国に批判的(unfavorable)な人が91%を占める。同様にベトナムでは78%、フィリピンでは58%の人が中国に批判的だ。インドは好意的39%、批判的31%が拮抗するが、その隣のパキスタンでは78%が中国に好意的で批判的な人は3%にとどまる。

Pewは言及していないが、私はアジア諸国の人々の「中国が米国を凌駕する・しない」の判断は「凌駕して欲しくない・欲しい」という願望に強く影響されていると判断している。

客観的に見ると為替レート基準では、中国のGDPは9.33兆ドルで米国の16.72兆ドルに較べるとかなり小さいが、購買力平価基準で見ると13.39兆ドルとかなり米国に迫っている(CIA factbookによる)。

仮に今後の中国の経済成長率7%、アメリカの成長率を2%とすると、単純計算では4.6年後に購買力平価ベースでは、中国と米国のGDPはそれぞれ18.3兆ドルと等しくなる。

また為替レートベースでも12.2年後には米中のGDPは拮抗するというのが単純計算だ。

12年先のことは分らないにしても、4-5年先に中国のGDPが購買力平価ベースで米国と肩を並べる可能性は高いとはいえるだろう。

ただしそれはGDPのサイズで中国経済が米国経済と肩を並べるということで、それを持って中国がアメリカを凌駕してスーパーパワーになるとか、リーディングエコノミーになるのかということについては、疑問が残らない残らない訳ではない。

その一つの理由は「何をもってスーパーパワーというのか」「何をもってリーディングエコノミーというのか」という問題である。リーディングという言葉に関していうと、リーディングカンパニーという言葉がある。リーディングカンパニーは業界を牽引する会社でそこには「模範的な」という形容詞がつけられることが多いはずだ。同様にリーディングエコノミーと言う場合に世界を牽引する模範的な経済(モデル)という意味を持たせるなら、中国がリーディングエコノミーになるかどうかは議論のあるところだろう。

もう一つの理由は「持続性」である。つまり社会インフラが未整備な一方急速に高齢化が進む中国経済がトップランナーの地位を保てるかどうかという問題である。

これらの問題を中国に対する好き嫌いを離れて、じっくり見る必要があるのだろう。

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