金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

所定内賃金の上昇、実質賃金の減少どちらを見るか?

2014年07月02日 | 社会・経済

昨日(7月1日)厚生労働省が発表したデータによると、5月の所定内賃金は26か月ぶりに前年同月比上昇(0.2%アップ)に転じた。一方4月の消費税増税等の影響で実質賃金は前年同月比3.6%減少した。これは2009年12月以降で最大の落ち込みだ。

事実はこのとおりだが、これをニュースのヘッドラインにする時、前者を使うか後者を使うかで印象は随分異なる。

ロイター(日本語版)の見出しは「5月の実質賃金は前年比3.6%の減、消費下押しを懸念との声」とあり、WSJの見出しはJapanese Base pay rises for first time in more than two years(日本の所定内賃金は過去2年以上で初めて上昇)とあった。

最初に受けた印象がアンカリングになり、それから先の考えをまとめる上でも影響を受けるのではないか?と興味深く感じた次第。

景気が回復基調になっても最初は企業は低賃金のパートタイマーを増やすことで対応するので基準内賃金は上昇しない。しかし今年に入って企業は正規雇用者を増やし始めたので、基準内賃金が上昇し始めた。

リーマンショック後の企業活動を見ると、減収ながら増益であり、その増益は正規雇用者の削減を含む経費削減策によりもたらされている。

正規雇用者の数は5月にようやくプラスに転じた。また残業代を含む総賃金ベースでは3か月連続の上昇となっている。

しかし消費税増税や物価上昇を差し引くと実質賃金が減っていることは事実だ。今後実質賃金が上昇するには正規雇用者の数と所定内賃金が上昇することが必要だ。それは日本経済が好循環に入るための試金石である。

実質賃金のマイナスに着目するか、所定内賃金の上昇を好転の兆しとして着目するかは中々興味深い。

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【イディオムシリーズ】With a bang

2014年07月02日 | 英語

今朝(7月2日)ライブでワールドカップ・アメリカ対ベルギーの試合を見ていた。ゼロ対ゼロで迎えた延長線、ベルギーが2点先取した後、アメリカが1点を取り返し、白熱した試合となった。最後はベルギーが逃げ切りベストエイト進出を決めた。ワールドカップでは惜しくも負けた米国だが、第3四半期の初日となった株式市場は好調だった。

昨日の米国市場では、ダウ・S&P500が新高値を更新。ダウはザラ場で17,000ポイントの節目まで2ポイント弱というところまで迫った。

USA Today のヘッドラインには、Stocks opened the third quarter with a bang.という文字が躍っていた。With a bangは「勢いよく」という意味のイディオムだ。Go with a bangというと「(公演などが)大成功する」という意味になる。

株価が堅調だった理由は、6月の米国のPMI(製造業購買担当指数)指数が57.3と堅調だったこと(4年ぶりの高い数字)や中国の6月のPMI指数が50.7(5月は49.4)と好調だったことが好感された。

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