最近Pew Research Centerが発表したGlobal Opposition to U.S.Surveillance...の中に中国の習近平国家主席を世界の人々はどうみているか?という世論調査の結果がでていた。Pewは日本の安倍首相に対する同様の調査結果も発表しているので、並べてみてみることにした。
質問内容は次のとおりだ。
Confidence in Xi (習)/ Abe(安倍)to do the right thing in the world affairs
「国家間の問題について習主席/安倍首相は正しいことを行うかどうかの信頼」
回答の一部をまとめてみた。
米国
習主席 信頼できる 28% 信頼できない58% 不明 14%
安倍首相 信頼できる 49% 信頼できない35% 不明 17%
中国
習主席 信頼できる 92% 信頼できない5% 不明 1%
安倍首相 信頼できる 15% 信頼できない70% 不明 14%
韓国
習主席 信頼できる 57% 信頼できない37% 不明 5%
安倍首相 信頼できる 5% 信頼できない94% 不明 2%
日本
習主席 信頼できる 6% 信頼できない87% 不明 7%
安倍首相 信頼できる 58% 信頼できない40% 不明 2%
インド
習主席 信頼できる 13% 信頼できない25% 不明 62%
安倍首相 信頼できる 21% 信頼できない16% 不明 64%
ベトナム
習主席 信頼できる 31% 信頼できない49% 不明 20%
安倍首相 信頼できる 65% 信頼できない9% 不明 26%
習主席の調査結果についてPewは次のようにまとめている
- 就任後1年強の習主席は今のところ世界の人々に強いポジティブな印象を与えることに失敗している。全体としては彼の印象はポジティブというよりネガティブだ。そして彼について知らないという人が多い。
- しかし幾つかの近隣国で高い信頼を得ている。韓国(信頼57%)、マレーシア(同54%)、タイ(同52%)などだ。
- 欧米、中東、南米においても習主席に対する信頼は低い。
- アフリカにおいては南アフリカ(信頼29%信頼できない34%)をのぞいて、信頼が信頼できないを上回っている。
また安倍首相の調査結果は次のとおりだ。
- 全体としては「そこそこ」ポジティブな評価を受けている。「そこそこ」の原文はfairlyだ。Fairというのは「公平」という意味だが、評価の形容詞としてはぎりぎり合格点というニュアンスではないか?と私は感じている(理由 米連銀の検査を受けたことがあるが、fairは合格の中の最低レベルだった)。このあたりのニュアンスは難しい(筆者注)。
- 米国人の49%は安倍首相の国際的なリーダーシップを信頼し、35%は信頼していない。
- ちなみに安倍首相を信頼しない人が多かった国は中国(信頼しない70%)韓国(同94%)の2か国だけだった。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず 彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に必負す」(孫子 謀攻第三)
現代における彼を知るというインテリジェンスの基本は、その国の人々の世論を知ることだろう。米中の力が接近していると言われているが、Pew Research Centerのような調査機関を持つ米国はインテリジェンスの点ではまだまだリードしていると私は思う。
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