金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

アマゾン、本は買っても株までは・・・

2014年07月25日 | 投資

昨日(7月24日)アマゾンは第2四半期決算を発表した。売上高は前年同期比23%増の193.4億ドルだったが、事前予想より大きい1億26百万ドルの損失を計上した。また同社は現四半期についても最大で8億10百万ドルの損失を見込んでいる。売上高営業利益率は、マイナス0.1%。もともとアマゾンは利益率の低い会社だが、それでも前年同期の0.5%、前々期は0.7%とプラスだったが、またマイナスになってしまった。

この決算発表を受けて、同社の株価は10%下落した。このところアマゾンは決算発表のたびに株価が急落している。今までアマゾンの先行投資に寛容だった投資家もしびれを切らし始めたのだろう。

数か月前某証券会社からアマゾンの株を買わないか?としつこく勧められたことがあったが、目先の利益を無視した成長戦略が好みに合わず断った。

投資銘柄としては疑問符が付くと私は思うアマゾンだが、消費者にとってはありがたい会社だ。私は最近紙の本・電子本ともほとんどアマゾンで買っているし、時々カジュアルシャツなどの軽衣料も買うことがある。また最近ではアマゾンから電子本も出版したので、アマゾンには感謝をささげなければいけない。

電子本といえば、先日アマゾンは米国で月10ドルで電子本とオーディオブックを無制限に利用できるキンドル・アンリミテッドというサービスを開始すると発表した。WSJによるとこれで年間の売上高が10億ドル伸びるという見方もあると報じていた。

もっとも「アマゾン・キンドルにはペンギンブックスなど人気の高い本はない」とか「既に提供してるアマゾンプライムとかぶるところが多い」という辛口の声も聞かれる。

アマゾンの利益率が低い最大の理由は、クラウドサービス等への先行投資が大きいからだ。クラウドサービスはアマゾン、グーグル、マイクロソフトが苛烈な価格競争を展開している成長分野だ。我々クラウドサービスのユーザとしては価格競争のメリットを得ているので、これまた消費者とは感謝すべき話なのだが。

別の話になるが、昨日自宅の近くに新しくセブンイレブンの店がオープンした。住宅地に近いので、食料品の販売に力を入れているのが分る。

今日総務省が発表した6月の全国コアCPIは前年比で3.3%上昇した。4月の消費税引き上げ効果を除くと1.3%の上昇で5月(1.4%)を若干した回った。物価が上昇して名目ベースで経済が拡大することにメリットがあることは分るが、物価の上昇につれて収入が増えない人、特に年金を生活原資にする人にとっては頭の痛い話だ。

これは日米とも同じ話。少しでも安いものや少量で効率の良い買い物ができる場所を消費者は探している。アマゾンの動きや最近のコンビニの新店舗展開競争を見ていると、昔からの小売業はほとんど立ち行かなくなることを改めて実感する。

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最近出版した電子本

 

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

 

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

 

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