メディアによると、先週日曜日に行なわれたドイツで一番人口が多い北ライン・ウエストファリア州の州議会選挙で社会民主党が、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟を圧倒した。
ニューヨーク・タイムズによると、2年前の選挙に較べて社会民主党は4.6%得票を伸ばし、39.1%の票を得た。一方キリスト教民主同盟は8.3%票を失い26.3%の票を得るに留まった(ただし出口調査の結果で得票差は10%に拡大する可能性が高い)
ドイツの全人口の1/5を占める同州の動向は、政権の行方を予想する上で重要だ。2年前の選挙(州議員の選挙は2年毎)ではシュローダー前首相が率いる社会民主党が敗れて、メルケル政権誕生の道を拓いた。
アナリストによると、10%以上の得票を得た緑の党と連立を組むことで、少数与党だったクラフト州首相の政権は安定感が増しそうだ。クラフト首相は経済活性化や雇用拡大を目指す財政積極政策を展開してきた。
選挙民は財政は悪化するものの警察官や教員の増員、高等教育の授業料廃止を掲げるクラフト政権を支持した。
キリスト教民主同盟は1週間前のシュレースヴィヒ・ホルスタイン州の州議会選挙でも敗れる等苦戦が続いている。メルケルの緊縮財政索にドイツ国内でも不満が高まっている。
さてこのドイツ国内の「民意」のシフトが、ギリシャ問題にどのような影響を与えるのだろうか?
それはちょっとした注目ポイントだろう。