私が読んでいる新聞を閲覧時間の順番に並べると、日経新聞とニューヨーク・タイムズがトップで並び、次にファイナンシャルタイムズが来て最後が読売新聞が来る。日経と読売は宅配。ファイナンシャルタイムズは購読料を払ってネットで読み、ニューヨークタイムズは無料でネットで読んでいる。
従って情報量当りの単価が低い順番に並べると無料のニューヨーク・タイムズがトップで次にネットのファイナンシャルタイムズが来て、日経新聞、読売新聞と続く。日経新聞の方が必要とする情報が少し多いので読売よりは情報単価がやや低い。それにしてもニューヨークタイムズが、日経や読売を質・量においてはるかに凌駕する記事を無料でネットで公開していることを見ると、日米の情報コストの大きな格差に嘆息を禁じえない。今日東京の株式市場は昨日米国の財務省が発表したファニーメイ・フレディマックの実質国営化というニュースを好感して大幅高となった。このように日本の株式相場は米国発のニュースに引っ張られることが多い。従って日本の株式相場を予想しようとすると、米国の経済状態を把握する必要がある。この時ニューヨーク・タイムズは非常に役に立つ(ウオール・ストリート・ジャーナルという経済専門誌があるが、ネット購読料を取るので今は購読していない)。
米国の新聞がネット広告を取り込むことで、生き残りを図っているのに対して、日本の新聞はネット記事を充実させずに紙ベースの記事に読者を引き止めることで生き残りを図っている。だがこれは長続きする戦略なのだろうか?私には援軍の来ない孤立無援の孤塁を守る絶望的な戦いに見える。消費者が日本の新聞を買わなくなる時代は必ずやってくる。
日本の政治・経済についても私はファイナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズを通して再確認したり、理解を深めることが多い。何故ならそれらのペーパーを読む海外の投資家達が日本の市場を動かすからだ。日本の新聞のどっちつかずの解説を読んでいても、投資判断に役立つ材料は少ない。
新聞が生き残るためには紙に固執することではなく、読者を引きつけるタイムリーでかつディープな情報分析的な記事にあると私は考えている。無料で質の高い情報を提供しているニューヨーク・タイムズにあらためて感謝!