9月23日秋分の日神代植物園に曼珠沙華を見に行く。神代植物園の曼珠沙華が特別有名な訳ではない。東京の西側で曼珠沙華が有名な場所は西武秩父線高麗駅の巾着田だだが、混んでいるので今年はやめて近くに植物園にする。ただしお彼岸の中日のせいか道は混んでいた。
曼珠沙華の花が特別好きですか?と聞かれると答はノーだ。だがこの花を見るたびに一つの短歌を思い出す。
風を浴びきりきり舞いの曼珠沙華 抱きたさは時に逢いたさを越ゆ
作者は吉川 宏志氏 この歌人のことを私は何も知らないがこの歌だけはいつまでも覚えている。こんなことを書くと何か具体的な思い出でもあるのかしら?と思う向きがあってはいけないので先に言っておくがそんなものはない。ただ情念の伝わる良い歌である。
曼珠沙華の花を上から見ると夜空に咲く打ち上げ花火に似ている。
マクロレンズを開放まで開いて、背景を徹底的にぼかした。曼珠沙華の特徴が良く出ていると思う。
この時期の公園は花の種類が少ない。槿(むくげ)がいくつか花を残していた。槿は開花期間の長い花である。
ウツギの一種も紫色の花をつけていた。
花が少ないので公園を散歩する人も写真を撮る人も少ない。しかし花は少なくとも、深い木立の中を歩くと心がなごむ。
苔むした椎の木を見ながら私は共生とか共存共栄という言葉を思い浮かべていた。豊かな林を作る木々や苔、下草のように我々人間社会も競争ではなく共生を重視することが大切なのだ・・・・・