金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

豆腐こんにゃく?どんな感じかなぁ

2008年09月11日 | うんちく・小ネタ

「豆腐こんにゃく」なるものがアメリカでダイエット食品として売れているという記事がニューヨーク・タイムズに出ていた。このところリーマン・ブラザースやワシントン・ミューチュアル銀行の破綻懸念の記事ばかり読んでいたが、さすがに疲れてきた。「豆腐こんにゃく」のように当たり障りのない話を読むとホッとする。「豆腐こんにゃく」英語ではTohu Shirataki、Shiratakiは「しらたき」だ。「しらたき」は糸こんにゃくよりも細いこんにゃくのことだ。「豆腐こんにゃく」は写真で見ると「袋入りのうどん」のように見えるので、「しらたき」よりは太そうだ。

この「豆腐こんにゃく」のメーカーはハウス食品だ。ハウス食品のホームページで日本で売っているかどうか探して見たが日本にはない。しかし「会社業績」の中で「豆腐こんにゃくが米国で売れている」という記述はあった。

ニューヨーク・タイムズによると「豆腐こんにゃく」の販売が好調になったのは、リリエンさんという41歳の女性が運営するハングリー・ガール.comの「認定シール」が貼られるようになってからだ。ハングリーガールは50万人の読者にニュースレターを送る「ダイエット・健康食の伝道師」のような存在だ。そこのお墨付きを貰えたので「豆腐こんにゃく」はダイエット指向の強いアメリカ人の中で人気を博すようになった。

これは一つのビジネス・モデルと考えてよいだろう。健康食品などはカリスマに弱いのである。「豆腐こんにゃく」は一袋たった40カロリーだから、ダイエット食であることは間違いない。ただしほとんどカロリーのない「こんにゃく」を単体で売らずに豆腐を混ぜたところがアメリカ人の人気を得たポイントだろう。それにしても豆腐とこんにゃくを混ぜるとどんな歯ざわりなのだろうか?これだけは食べて見ないと分からない。

この「豆腐こんにゃく」、日本では売れないだろうか?私は鍋の時に豆腐としらたきを一緒に食べることができるので便利だと思うけれど、ハウス食品さん、如何なものでしょうか?

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中国の不動産市場の軟化

2008年09月11日 | 社会・経済

中国はオリンピックの成功で世界の一流国の仲間に入ってきた。一流国といえば米国、英国、スペインなどの欧米の一流国で起きている不動産市場の下落についても中国は仲間入りしはじめている。統計データはまだ強気相場を示している。しかし中国では統計データと実際の経済活動の間に時間的なズレがあるため、統計データをバックミラーに足元を確認してもおぼつかない場合がある。

例えば統計上は昨年7月から今年の7月の間に、中国の商業用不動産や居住用不動産の価格は一桁台の上昇を示しているが、不動産仲介業者の意見では価格は今年の初めに天井をつけ、下降局面に入っている。

ニューヨークタイムズによると売買高が落ちているのは広州など南東部だ。買い手が少ないので、売り手が値段を下げるため、東南部では10%から40%の価格下落が起きている。その他の地域では、売買高は落ちているものの、価格の顕著な下落は起きていない。例えば重慶では住宅取引量は前年比20%から30%位減少しているが、価格は下落していない。しかし取引量の減少は、価格下落の先行指標と見ておくべきだろう。

ニューヨーク・タイムズは全米最大のガラスメーカー・ガーディアン・インダストリーが最新ビル向けのガラス需要が減速していると指摘していることを報じている。

中国の不動産価格の下落が金融市場に与える影響は限定的だという見方が多い。中国の住宅ローンでは最低でも3割の自己資金投入が必要なため、銀行は担保価値の下落に対して抵抗力を持っているからだ。

だが上海株の大幅な下落に続いて、不動産価格の下落が起きると中国人消費者の消費マインドはかなり冷え込む。既に消費が下落している兆候は8月に中国の貿易黒字が史上最高額の287億ドルに達したことにも現れている。巨額の貿易黒字は元高を意味する。中国はドル買い介入(元売り)のために多額の元を市中銀行より吸収する必要があり、これが一種のクラウディングアウトを起こし、市中貸付を抑制する。これにより不動産取引が減少するとまた不動産価格が下落するという悪循環を起こしそうだ。

また中国の商業用不動産はシンガポールで組成されたREITに組み込まれて、国際的なマーケットとつながっている。中国のビル価格の下落が思わぬ影響をもたらす可能性も否定できない。

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