佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダー育成論3――行動分析の意義

2009-03-26 09:58:22 | リーダー育成
人間をはつらつと活動させるために、リーダーは何をすべきか。また、そのために、リーダーは何を学ぶべきか。

これが私の研究目的です。そして、私の結論は「人間を理解することがまずなければならない」ということです。

物事を動かしているのは、仕組みであり資金であるわけですが、その背後には人間の動きがあります。これを見極められるかどうかで、ことの成否は随分違ってきます。

私は、この人間を観ることについて長い間研究してきました。その研究成果を時に応じてご紹介しようと思っています。

人間の動きを見ていこうと考えはじめますと、いろいろ見え方が違ってまいります。

以下の例をお読みください。

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お母さんは息子に勉強させようと必死です。

「勉強したら、WBCを見せてあげるわ」

ところが息子さんは、お母さんの願望を逆手にとる。

「WBCを見せてくれたら、勉強するよ」

さて、どっちが折れるでしょうか。願望実現をより強く望む方が折れるでしょうね。

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では、もう一例。

北朝鮮と他5カ国との関係にも同じような状況が見うけられます。

「核を放棄したら、経済援助をするぞ」

「経済援助をしてくれたら、核を放棄してやるぞ(そのあと、「一部だけだが」とそっと呟く)」

ときに世の中にはまか不思議なロジックがとおることがあるものです。

まあ、それが人間社会ということなんでしょうが……。

この図式で考えれば、外交ポイントをかせぎたくてしかたなかったブッシュ政権の行動が理解できますし、またその懐柔策がうまくいかなかったのもわかります。

簡単に言えば、足下を見られたということでしょう。

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行動分析のポイント  

さて、話をリーダーの育成論に戻しましょう。

リーダーが人を指導するときには、指導される人(部下)のことをよく理解して、その人に適した指導をしなければ効果がないことはいうまでもありません。

このとき、人間を観る能力、より具体的にいえば、相手の行動を分析する能力がリーダーに求められるわけです。

そこで、私のリーダー育成方針は、行動分析の能力獲得に重点を置きます。

ところで、人間行動の分析ツールもなく、やみくもに行動分析を行おうとしても成果をあげるのは難しいでしょう。

そこで、そのための分析ツールや分析概念、さらには寄ってたつリーダーとしてのあり方を教える必要があります。

以下、重要な三つの技術について考えていきましょう。

・行動観察に関する技術
・行動特性を把握する技術
・指導を受容させる技術
・技術を使う「思い」(これについては当ブログ、カテゴリ「リーダー育成」の最初の項で述べました)
(続く)


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2 コメント

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Unknown (はんなり社長)
2009-03-26 12:12:39
ははは、例にあるような事例は、商談とかでも良くあるパターンですよね。
その場合は子供の願望より、もう少し頭を働かせていますから
話を逸らせたり、腹の探り合いをしたりと
駆け引きするところがまた面白い!!
こちらの思うツボに相手を誘導できたりすると
本当にスッキリしますね
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Unknown (佐藤直曉)
2009-03-26 18:39:21
はんなり社長様、コメントありがとうございます。

百戦錬磨のはんなり社長なら、
相手を子供のように
手玉にとっちゃうんでしょうね。
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