佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

暗示を駆使するリーダー

2010-08-10 09:09:44 | リーダーの人間行動学
現役の選手や監督が選ぶベスト試合が発表されました。

最高の試合は「10・8決戦」=現役が選ぶアンケート結果―プロ野球(時事通信) - goo ニュース

この記事を読むと、同じ勝ち数と負け数の巨人と中日が最終試合で激突したということです。テレビの視聴率はたしか40パーセント台だったそうです。

しかし、みなさんはこれを読んでも、ああそんなことがあったのか、という程度にしか感じないでしょう。

しかしである。私の人間行動学はもっと奥が深いのだ。

実は、私はこの試合に至る長嶋監督の行動を追っておりまして、それを『暗示型戦略』に書いています。

これは暗示のとてもよい例なのです。簡単にこのシーズンの経緯から説明しましょう。

この年(1994年のシーズン)、巨人は前半戦を快調に飛ばし、6月には独走態勢を築いたが、7月に入って突然調子を乱し、最大10ゲームあった差は、10月8日の最終試合の前には0になっていた。

巨人は、このシーズン、中日のエース今中投手にいいようにあしらわれていた。そして、決戦の日に、また今中が登板するのは明かであった。

さて、決戦前夜、長嶋監督がとった対策とは?

名古屋の巨人軍宿舎では、主力打者が集まりミーティングが行われた。

このとき、選手たちは今中投手のビデオを何度も何度も繰り返し見せられた。

ただ、このビデオは少し変わっていた。

今中を打った場面だけが編集されていたのである。

ミーティングの最後になって、監督は選手に語りかけた。

「よい、いいだろう。ただ、ここでちょっとみんなにお願いがある。まだ門限には時間があるが、今晩は外出しないでこのまま眠ってほしいんだ。

今中に対するイメージを大事にして、今晩ひと晩、ゆっくり眠って欲しい。明日の今頃になれば、何をやったって自由なんだから」

監督がこのような発言をしたのは、成功イメージを潜在意識に送り込むには、寝る前が最も効果があると信じていたからだ。

一夜明けて、昨夜の効果が効を奏したのか、巨人の選手はみなリラックスしていた。

これに対し、中日の選手は緊張の余り、やたらと肩に力が入っていた。

試合前のフリーバッティングで、大豊とパウエルの上半身と下半身がバラバラなのを見て、長嶋監督は勝利を確信したという。

この試合、巨人は槇原、斎藤、桑田という主力三投手の豪華リレーで6対3と圧勝した。

ということで、暗示の効果がめざましかった例です。長嶋さんという人はおもしろい監督さんでしたねえ。

まあ、いつもこんなにうまい具合に行くとは限りませんが。

『暗示型戦略』には、長嶋さんの例がほかにも一杯出ています。長嶋ファンなら是非お読みください。


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