中島みゆきさんが紫綬褒章を受章するそうです。中島さんは「棚から本マグロ」だと驚きの心境を語っています。久しぶりに「佐藤直曉のことわざ金言故事大辞典」に新語登録しようかな。
もちろんこれは「棚からぼた餅」からとったもの。たしかに、いまのご時世なら本マグロの方が適当かもしれません。
そういえば、私は昨日「スーパーで刺身を買ってこい」と命じられ、魚の棚の前で苦吟すること5分あまりでしたね。
休日のためか、そのスーパーでは本マグロが4割引きだったのです。そんな大値引きでも、ほんのひとかたまりが1500円くらい。それに比べたら横のメジマグロは倍くらいの量で750円くらいでした。
結局、私はメジマグロを取りました。私の場合は「棚からメジマグロ」だった。
それはそうと、今朝の日経新聞の広告欄に日経ビジネスの広告が出ていて、それを読んだら少々「棚からメジマグロ」でしたね。
というのも、「ドル最終章 1ドル=50円の恐怖」と大きなタイトルで書いてあったからです。米ドルが紙くずとなる日が迫り、台頭する人民元の前に、日本円は純国内通貨への道をたどるのか、とあります。
内容自体はそれほど驚くことではありませんよ、少なくとも私にとっては。1970年代に、私の恩師の川瀬武志先生は1ドル50円になると言っておられました。1ドルが300円の時代にですよ。初めてこれを聞いたときは、すごいことを言う人だなあと感心しました。
その後、素性のよくわからない経済専門家さんあたりが、時々ドルが暴落するなどと言っていましたね。私もその一人です。2000年に出した拙著『先見力訓練法』にも書いています。もっとも、このころは世間から胡散臭く受け止められていたことでしょう。
私にとってはドルが50円になってもあまり驚きはないのですが、エスタブリッシュと思われる日経ビジネスが堂々と取上げていることが驚きでした。
言い換えれば、それだけ世間一般が「まったくないことではない」「あっても不思議はないか」程度の認識にまできている証拠でしょう。
すべて偉大なる真理は、最初は冒涜の言葉として出発する――これはバーナード・ショーの言葉ですが、冒涜の言葉「ドル暴落」は、少しずつ真理の言葉に変わりつつあるように思えてなりません。
さて、その広告の上には、さわかみ投信社長の沢上篤人氏のインタビュー記事がありました。沢上さんは、雇用対策として森林伐採や整備に取り組む『国土保全隊』をつくって若者を雇用すべきだと主張されています。
「1人あたり400万円くらいの年収を約束して、若者を募る。年間1兆円の予算を組めば25万人の雇用を生み出せます」とアイデアを出しています。
内容について私には判断できませんが、ひとつ重要なことがあります。それは「年収を約束すること」です。
最近鳩山政権は、雇用緊急対策として、介護職につくための職業訓練費用(資格取得費用だと思います)を負担する政策を打ち出しています。しかし、正直言ってこれは付け焼き刃だと私は思っている。
というのも実際に介護の仕事で生計を立てていくのは非常にたいへんだからです。給料が安すぎて、すぐにやめる人が多いのです。たとえ介護という仕事に対して思いのある人が資格をとっても、生活できなけれどうにもなりません。
政府のやっていることは、農業でいえば化学肥料をまくことばかり考えて、肝心の土壌改良をなおざりにしているようなものでしょう。
どうも鳩山政権のやることを見ていると、アクセルを踏みながらブレーキをかけているような感じがしてなりません。
太陽光発電を普及させるために、太陽光でつくった電気を買い取る制度をつくるのはいいが、その費用を家庭から徴収するんだそうです。月にいったいいくらとられるんでしょうか。そんなけちけちしないで、家計にしわよせがこないようにやりなよ。アクセル踏みながらブレーキかけるんじゃない!
それがいやなら、業界への優遇措置だけにしておくという手もあるだろうに。
環境税をかけるとも言っています。でもガソリン税は廃止するんでしょう。どうもチグハグの感じがしてなりませんねえ。景気のいいときなら、みんなが賛成するでしょうが、こういう時期ですから、いまやるべき政策かどうかわかりませんね。
子供手当を導入すると言う一方で配偶者控除だったかはなくす。それによってどういうプラス、マイナスが生じるのか、ほんとにきちんと検証しているのでしょうか。そのあたりが、怪しげに思えて仕方ありません。
もし、来春にでもアメリカの景気が二番底に陥ることになったら、いまの税制論議なんかみんな吹っ飛んじゃうかもしれませんよ。
今日言いたかったことは、肥料ばっかりやることを考えるのではなく、いかに土壌を改良するかを考えた方が、遠回りのようで結局は早い、ということです。小手先のことばかりでは、アクセルを踏みながらブレーキを踏むようなことが平気で起きますね。
もちろんこれは「棚からぼた餅」からとったもの。たしかに、いまのご時世なら本マグロの方が適当かもしれません。
そういえば、私は昨日「スーパーで刺身を買ってこい」と命じられ、魚の棚の前で苦吟すること5分あまりでしたね。
休日のためか、そのスーパーでは本マグロが4割引きだったのです。そんな大値引きでも、ほんのひとかたまりが1500円くらい。それに比べたら横のメジマグロは倍くらいの量で750円くらいでした。
結局、私はメジマグロを取りました。私の場合は「棚からメジマグロ」だった。
それはそうと、今朝の日経新聞の広告欄に日経ビジネスの広告が出ていて、それを読んだら少々「棚からメジマグロ」でしたね。
というのも、「ドル最終章 1ドル=50円の恐怖」と大きなタイトルで書いてあったからです。米ドルが紙くずとなる日が迫り、台頭する人民元の前に、日本円は純国内通貨への道をたどるのか、とあります。
内容自体はそれほど驚くことではありませんよ、少なくとも私にとっては。1970年代に、私の恩師の川瀬武志先生は1ドル50円になると言っておられました。1ドルが300円の時代にですよ。初めてこれを聞いたときは、すごいことを言う人だなあと感心しました。
その後、素性のよくわからない経済専門家さんあたりが、時々ドルが暴落するなどと言っていましたね。私もその一人です。2000年に出した拙著『先見力訓練法』にも書いています。もっとも、このころは世間から胡散臭く受け止められていたことでしょう。
私にとってはドルが50円になってもあまり驚きはないのですが、エスタブリッシュと思われる日経ビジネスが堂々と取上げていることが驚きでした。
言い換えれば、それだけ世間一般が「まったくないことではない」「あっても不思議はないか」程度の認識にまできている証拠でしょう。
すべて偉大なる真理は、最初は冒涜の言葉として出発する――これはバーナード・ショーの言葉ですが、冒涜の言葉「ドル暴落」は、少しずつ真理の言葉に変わりつつあるように思えてなりません。
さて、その広告の上には、さわかみ投信社長の沢上篤人氏のインタビュー記事がありました。沢上さんは、雇用対策として森林伐採や整備に取り組む『国土保全隊』をつくって若者を雇用すべきだと主張されています。
「1人あたり400万円くらいの年収を約束して、若者を募る。年間1兆円の予算を組めば25万人の雇用を生み出せます」とアイデアを出しています。
内容について私には判断できませんが、ひとつ重要なことがあります。それは「年収を約束すること」です。
最近鳩山政権は、雇用緊急対策として、介護職につくための職業訓練費用(資格取得費用だと思います)を負担する政策を打ち出しています。しかし、正直言ってこれは付け焼き刃だと私は思っている。
というのも実際に介護の仕事で生計を立てていくのは非常にたいへんだからです。給料が安すぎて、すぐにやめる人が多いのです。たとえ介護という仕事に対して思いのある人が資格をとっても、生活できなけれどうにもなりません。
政府のやっていることは、農業でいえば化学肥料をまくことばかり考えて、肝心の土壌改良をなおざりにしているようなものでしょう。
どうも鳩山政権のやることを見ていると、アクセルを踏みながらブレーキをかけているような感じがしてなりません。
太陽光発電を普及させるために、太陽光でつくった電気を買い取る制度をつくるのはいいが、その費用を家庭から徴収するんだそうです。月にいったいいくらとられるんでしょうか。そんなけちけちしないで、家計にしわよせがこないようにやりなよ。アクセル踏みながらブレーキかけるんじゃない!
それがいやなら、業界への優遇措置だけにしておくという手もあるだろうに。
環境税をかけるとも言っています。でもガソリン税は廃止するんでしょう。どうもチグハグの感じがしてなりませんねえ。景気のいいときなら、みんなが賛成するでしょうが、こういう時期ですから、いまやるべき政策かどうかわかりませんね。
子供手当を導入すると言う一方で配偶者控除だったかはなくす。それによってどういうプラス、マイナスが生じるのか、ほんとにきちんと検証しているのでしょうか。そのあたりが、怪しげに思えて仕方ありません。
もし、来春にでもアメリカの景気が二番底に陥ることになったら、いまの税制論議なんかみんな吹っ飛んじゃうかもしれませんよ。
今日言いたかったことは、肥料ばっかりやることを考えるのではなく、いかに土壌を改良するかを考えた方が、遠回りのようで結局は早い、ということです。小手先のことばかりでは、アクセルを踏みながらブレーキを踏むようなことが平気で起きますね。