S嬢のPC日記

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みにくいアヒルの子

2005年01月28日 | たったひとつのたからもの
生まれて来たときに。
周囲と違う容貌。
周囲と違う能力。
孤立する命。

アンデルセンの「みにくいアヒルの子」はやがて白鳥になり、白鳥たちといっしょに大空へ飛び立つ。
大空に向かって飛び立つときに、「みにくいアヒルの子」はアヒルたちの中で育った「自分」をどう思うんだろう。
「みにくいアヒルの子」は、アヒルたちの前で「大空を羽ばたいて見せる」ことよりも、本当はもっと欲しいことがあったんじゃないだろうか。

その「欲しいこと」とは。
生まれてきたときに、周囲と違う部分を持った「自分」を、そのままに受け入れてもらうこと。
もし、それがかなったとしたら。
白鳥が大空へ飛び立ったときに、それを見送る「アヒルたち」の表情は、全く違うものになるだろうに。

一羽の「みにくいアヒルの子」が大空に飛び立つ。
その経験を知ったアヒルたちの中に、再度、「みにくいアヒルの子」が紛れ込んだらどうなんだろう。
最初から、「みにくいアヒルの子」が「大空に飛び立つ白鳥」だと知っていたら、その態度はどんなものになるんだろう。
二羽目の「みにくいアヒルの子」は、「将来あなたは大空を飛ぶことができるのだ」と聞かされるよりも、本当はもっと欲しいことがあるんじゃないだろうか。

二羽目の「みにくいアヒルの子」が「望むもの」とは。
生まれてきたときに、周囲と違う部分を持った「自分」を、そのままに受け入れてもらうこと。

21番染色体が2つが当たり前の人間たちの中に、時々まぎれこむ21番染色体が3つの子。
わたしのところに娘としてやってきた、大切な命。
あなたの全てを、そのままに。

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