S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

ダウン症児の親のための「初めての書籍」紹介

2005年03月23日 | 書籍紹介
生まれた子どもが「ダウン症です」と告知を受けたときに、関連する書籍を読みたいと思う人は多いと思います。
ところが、最初に手に取る「第一冊目」の選択に失敗すると、その衝撃を引きずることも多い。
この最初の「第一冊目」の選択に関しては、その方がそれまで生きてきた中での「個性」により、どんな本が選びたいかが決まると思います。

さて、「選びたい本」の傾向別に、一挙紹介。

ダウン症って、よくわからない。どういうこと? どんな子なの?
「ダウン症の子どもたち」子どものためのバリアフリーブック―障害を知る本

ダウン症の子って不幸なんじゃないの? そんな子を持って、不幸なんじゃないの?
ようこそダウン症の赤ちゃん

ダウン症って何? 少し怖いけれど、わかりやすく説明して欲しい。
ダウン症は病気じゃない―正しい理解と保育・療育のために

ダウン症について知りたいことはいっぱいだけど、なかなか本が読めない。
今、聞きたいことだけ、手っ取り早く、わかりやすく知りたい。
Q&A ダウン症児の療育相談―専門医からのアドバイス

ダウン症ってどういう風に育てればいいの?
前向きな気持ちで、ちょっと勉強したい、療育とかも。
新版ダウン症児の育ち方・育て方

「しょうがいじ」を育てるって、どういうこと?
障害をもつ子のいる暮らし

「普通に育てる」ってどういうこと? どうやって育てればいいの?
子育て―みんな好きなようにやればいい

ここにあげた本は、わざわざ買わなくても、たいがい大きめの図書館においてあることが多いです。
まず、図書館で調べて借りてみて、気に入ったのがあったら、買うのはそれからでもいいと思います。
図書館で借りて読んだ方が、選択をまちがえたときの「衝撃の引きずり」は少なくて済みます。

最初の一冊目として、あまりすすめられない本。
これは個人の手記本です。
読む方と書き手の個性が合わない場合、衝撃をけっこう引きずってしまう可能性があります。
ダウン症児の親になったばかりの頃に手記本を選ぶ場合は、その手記本が出版されることになったその本のテーマの背景を、本の帯や解説等でチェックし、自分に「合う」ものかどうかの視点は必要かもしれません。
個人の手記本は、いろいろな経験を乗り越えた上で書かれてあることが多いので、経験が未知数の場合、その経験自体に衝撃を受けてしまう場合もあります。

書店に積み上げられた、評判の「感動の手記本」でも、そこに出てくる子どもが亡くなってしまうケースの場合は、「我が子がダウン症児」という受け入れに関して、まだまだ時間が必要な時期には、「亡くなったことによって美化された事実」に憧れを抱いて、子どもが生きていることを生き続けていくことを心から望めなくなってしまう場合すらあります。

また、「ダウン症の親になったばかり」という立場になったことが無い人にとってどんなに「良書」でも、同じ書籍が「ダウン症児の親になったばかり」という人にとっての「良書」とは限りません。
「ダウン症児の親」というよりは、「ダウン症児の親になったばかり」、ということの方が重要なのです。
その人にとっての「時期」の見きわめがとても重要で、そしてその「時期」に対して、けして査定するような視線・視点を持たないこと。
この辺は、周囲の方々に、気をつけていただきたいことかな、と思います。